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お姫様との大脱出!?
作:風汰



第5話 寝る時はちゃんと自分の寝る場所で寝よう


水が滴る音。
熱いけど、わずかに心地よい温度の湯気が閉じられたドアの隙間から、わずかにこぼれている。
現在、俺は中々広い部屋でソファーに座って天井を眺めている。
ちなみに姫香はこの閉じられたドアの先でシャワーを浴びている。
まだまだ時間がかかりそうだ、暇潰しを兼ねて回想でもしていよう。
というわけで、回想開始。

お笑い勝負の後、なんだかよく分からない友情物語が始まっていた。
「じゃあ、ここはやっぱりこういうギャグのほうがいい。」
「いや、嬢さん。ここはこっちの方がいいぞ」
なんだか新ネタ作りを開始して、二人で和気藹々と話しこんでいる。
ちなみに、この話し合いが始まってだいぶたっていた。
この建物(だと、思う)には時計がないから、正確な時間は分からんが・・・・
さすがの俺も見るに見かねて、姫香に話しかける。
「おい、姫香。いい加減、先に進まないか?お前もさっさと進みたいんだろ」
俺が言うと、顔を見合わせて楽しそうに話していた姫香がギロリとこっちを睨んで言った。
「ふん、空気の読めない下僕だ。」
おいおい、この先の組長に話があるのはお前だろ。何故俺が捨て台詞を言われねばならん。
「まあ、良い。そろそろ進もう」
姫香は立ち上がり、膝をパンパンと払って言った。
するとハゲさんも立ち上がりズボンのポッケから何かを取り出した。
「進むのか。こいつが、あのドアの鍵だ」
そう言って鍵を姫香に手渡すと、俺達が入ってきたドアのほうへ歩いていき、外へ出て行った。
ハゲさん。今度会うときはもっとまともなネタを見せてくださいね
俺は部屋から出て行くハゲさんの背中を見つめながら、つぶやいた。
まあ、二度と会うことがない事を祈るぜ・・・・真面目に。
そして隣の姫香を見た、俺のほうへ鍵を突き出してやがる。
「はい。これで、お前が鍵を開けて、ドアを開けろ。」
はいはい。どうせ自分では動かない怠け者お姫様。
俺は突き出された鍵を受け取って、ドアを開けた。

そこには、さっきの部屋より広くはないが、部屋としては広い部類に入るくらい広い部屋があった。曖昧な表現だが、中々の広さだった。
「なんだ、ここは?」
開けたドアを閉めて姫香に聞いてみる。
「ここは四天王に勝った者が休息を得るために使用する、VIPルーム」
姫香が教えてくれる。この建物の設計者は一体何を目指して、こんなもんを作ったんだろう、と新たな疑問が生まれる。
しかし、完璧なくらいにまで設備が揃ってやがるなぁ・・・・。
シャワーをはじめとし、ソファー、ベッド、キッチン、その他もろもろ。
ここで十分暮らしていけそうだ。
「さて、私はシャワーを浴びてくる。お前はここで待っていろ」
急に姫香が言い出した。
「そうかい・・・。じゃあ、俺はお前が出てくるまで待ってれば良いんだな」
俺は適当に返して、ソファーに座る。
姫香はシャワールームに向かっていこうとして、振り向いていった。
「・・・・覗くなよ」
「お前なんか誰が覗くかよ」
俺は姫香に変な誤解をされないために言ったつもりだったのだが、変な誤解をされて顔面にパンチを食らった。

はい。回想終了。
で、俺は殴られてあざができてそうな顔をなでながら、姫香がでてくんのを待ってるわけだ。
しかし、あの時なんていえば殴られなかったんだろうか・・・。
大きなため息をついたとき、シャワールームのドアが開いた。
「おう、やっと出てきたか・・・。ずいぶんと長かったな、なんだ風呂にでも使ってたのか?」
俺は言いながらシャワールームの方を見た・・・・・・んな?!
そこには、バスタオル1枚の姫香が立っていた。
「お・・・おま・・お前。なんて格好してやがる!!?」
俺が叫ぶと姫香は一言言った。
「暑いからだ。」
いやいや、答えになっていないぞ。暑いからって良い年頃の娘が男の前でバスタオル1枚はおかしいぞ。
まあ、何歳か知らないけど・・・。
すると姫香は鼻で笑って俺のほうへ近づいてきた
「なんだ、お前は私の裸が見たいのか?」
挑発的な顔をしながら、姫香は言った。少しだけ頭に来たのですぐに言い返した。
「はん、だぁーれがお前見たいな奴の裸なんて見て喜ぶか・ガハッ!!」
また顔面を殴られた。やばい・・・意識が飛ぶ・・・・・・
「お前になんか見せてやらないからな!!」
姫香は怒って言って、シャワールームへ戻って行った。
「はははは・・・誰も見たくなんてないっての・・・。」
言いながら俺は地面に屈した。

それから数分して、姫香はシャワールームから出てきた。
今度はパジャマ姿だった。ちなみに、柄はクマ・・・・こいつには似合わないかわいらしい物だった。
「しかし、なんでお前はパジャマ姿なんだ?」
「そろそろ睡眠時間だからだ。」
姫香が答える。なんでお前は時間が分かるんだ?
「シャワールームに時計があっただろうが。それに、そこにも」
そう言って指差した方向を見ると確かに時計が設置されていた。
さっきからずっとこの部屋にいたが全然気づかなかったぞ。
「お前は洞察力が乏しいんな・・・まったく。」
姫香はあきれたように言う。
五月蝿い、大きなお世話だ。俺は普通の高校生なんだ。
「しかし、少し腹が減ってきたな・・・。」
そういわれて、俺も空腹感を思い出す・・・。
確かに、学校から帰ってすぐに俺はここに連れてこられたからな・・・。
「よし、お前が何か料理を作れ」姫香が命令した。
まったく・・・いきなりだな・・・おい・・。
「どうした?もしかして、料理を作れないとかか?」
姫香が俺の顔を覗き込みながら、「ふふん」と笑う。
「はーっははは!何バカな事を言ってるんだお前は!!俺が料理を作れないだとぉ?!残念だったな、俺は料理は得意中の得意だぜ!!!!」
そう。実を言うと俺は料理を作るのが得意だ。かなり美味しく作れる自信がある。
「ほう・・・。そこまで言うのであれば、私を満足させるが良い!!」
姫香は挑発に乗ったようだ。ふふ・・・目に物を見せてやるぜ。

というわけで、俺は料理に取り掛かった。

数十分経過・・・。
姫かは俺の作った料理を口に運ぶ。そして、感激したような顔をする、しかし、俺の方を見て慌てていつもの顔に戻して一言。
「美味しくない・・・」
言ったすぐ後に・・・
「だ・・だけど・・・持ったないから全部食べる」
まったく、正直じゃねーな・・・・。
俺がため息をついて姫香のほうを見ると、姫香は何故か焦って・・
「べ・・別に・・・美味しいわけじゃないぞ。美味しくないけど、食べないともったないし・・・・おなかすいてるし・・・そうだ、おなかがすいてるから食べるだけだからな!」
「はいはい。分かった、分かった、早く喰え」
俺は少し笑いながら言った、なんだか姫香が可愛く見えた。

結局、姫香は俺の作った料理を完食した。
ま、食べてる間中、呪文のように「美味しくない、全然美味しくない」って繰り返してたけどな・・・。
で、俺達は眠ることにした。姫香がベッドで俺はソファーで寝ることになった。
というか、強制的に決められた。

やっとウトウトし始めた頃、俺の上に何かが乗っかった。
「ぐはっ!」
突然だったため咳き込んでしまう。
おいおい・・・一体何が乗っかってんだ・・・。
俺は心の中で愚痴る。もしかして・・・コレが巷で噂の金縛りって奴か?
そろーっと、自分の胸の上あたりを見てみる・・・・。
「んなっ?!」
思わず声が出た。
俺の上に乗っていたものの正体・・・それは姫香だった。
どうやら寝ぼけて俺の上に乗っかったようだった。
「おい。姫香・・・・そこからどけって」
胸の上ですやすやと寝息を立てている姫香を揺さぶりながら言う。
しかし、一行に目覚める気配はない・・・。
「ん・・・おとうさん・・・なんで・・お母さん・・・・・」
なんだか寝言を言ってやがる。しかし、良い匂いがするし当たってはいけない所が当たってる・・・・って、そんな事を言ってる場合じゃねぇ。
早くこいつを起こしてもとの場所にはこばねーと
俺は今度はさっきより大きな声で呼びながら、強めに揺さぶった。
すると、俺の体から姫香の体が転がり落ち、地面にぶつかりそうになる・・・。
「あぶね!!」
俺もソファーから飛び降り、姫香の体を受け止めた。
「ふぅ・・・危ない、危ない・・・。怪我させちまうところだった・・・」
俺が安堵の息を洩らしていると、姫香の目が開いた。
「な・・何してるの・・・・」
姫香が何故か口をパクパクさせながら俺に聞く。
「え?何って・・・」
そこまで言って、俺も今の状況に気づく・・・。
俺の現在の状況、地面に寝ている姫香、その上に覆いかぶさるようにしているのが俺・・・・
やばい・・・コレはとってもやばい・・・完全に誤解を招く体制だ・・・。
急いで弁解使用としたとき、姫香のパンチが顔面にヒットする。
ああ・・・今日は何だか殴られてばっかりだ・・・。
そんな事を考えている俺に姫香は思いっきり怒鳴る。
「な・・何をしようとしたんだ!!?この変態下僕!!!」
「いや・・・あの・・な・・。お前が勝手に俺の上に・・・」
必死に弁解しようとするが、姫香はまったく聞く耳を持たず・・・
「お前はこうやって夜を過ごせ!!!!」
そう叫んで、俺を縛り上げ吊るした。
「え?ちょ!!待てって!おい!!このまま眠れってことか!!?」
「五月蝿い、五月蝿い!!黙れ、黙れ!!私にあんな事をした罰だ!!!」
姫香はそう言って自分のベッドへ戻っていく、怒りのあまり顔が真っ赤になっていた・・。
その夜俺は吊るされたまま寝ることになった・・・。

朝、目覚めた姫香におろしてもらった・・・。
あの後、俺はまったく眠れなかった。
顔を見てみると姫香の方もあまり眠ってないようだった。

その後、俺達は眠い目を擦りながら、VIPルームを後にし、次の四天王を目指した。



坂元の意外な特技が明らかになりましたねw
そして、姫香の意外な一面も明らかに・・(ぇ

今回は何だかラブコメ的展開でした。
個人的には大好きな展開ですw(ぇ
ま、自分で書いてる小説だから大好きに決まってるのですがねw

では、ここまで読んで下さり感謝です。
ご感想&評価をお待ちしておりますw
それでは、失礼します。











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