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お姫様との大脱出!?
作:風汰



第15話 契約続行


世の中にはいいことが起これば、悪いことも比例しておきると言う。
ということは、逆に言えば悪いことが起き続ければ、そのうちいいことが起き続けるということではないだろうか。
そうであってほしい。いや、そうでなくては。
「おい! 坂元よ。お前は見たかよ」
「はぁ? 一体何をだ」
「だ・か・ら! 転校生だよ、転校生!! めっちゃかわいかったよなーー!!」
うれしそうに話すのは比較的仲の良い友人西一樹にしかずきである。
西よ。お前は知っているか? 綺麗な花にはとげがあるって言葉を。
ちなみにあいつ。柊姫香ひいらぎひめかの場合はとげだけではない毒もある。
ようするに、どんどん問題を引っ張ってくる奴だ。
「ああ。残りわずかな時間でもあんな可愛い子と同じクラスになりたいよなぁ…」
「でもさ。僕たちのクラスはこの学年で一番人数が多いよ。転校生はこないんじゃないかなぁ…」
もう1人の友人。河野智也かわのともやがつぶやく。
「ちっ…分かってるよ! いいじゃないか! 少しぐらい夢見てもよ!」
西が悔しいそうにつぶやく。
そうだった。確かにこのクラスはこの学年の中じゃ一番人数が多いじゃないか。
ということは、だ。転校生が来ることなんてまず…ない。
そうだ、そうだった。すっかり忘れてたよ。これで一安心だ。


そのとき、教室のドアが音を立てて開いた。
担任の体育教師が入ってくる。
そして、その後ろに見覚えのある姿をした女子が……。
西の目が輝き始める。河野は何が楽しいのかニコニコ笑顔。
そして、俺は半ば予想していたが、ショックに耐え切れず顔面蒼白である。

入ってきた女子は。
綺麗になびくロングの黒髪。雪のように真っ白な肌。
キリッっとして男らしいのだが、女性らしくもある大きな目。
目の中は獲物を狙う獣のように光り、本性が凶悪なのを物語っている。
体形はすらっとしていてスレンダーという言葉がぴったりだ。
悪く言えば貧なんとやらだ。
そして、この学校の制服を完璧に着こなしてやがる。
その美少女は、柊姫香。

予想はしていたが予想通り過ぎるよ…まったく。
西がうれしそうにこちらを向き親指を立てていることがすごく腹が立つ。

担任とともに教壇に姫香は仁王立ちする。
「えー。残りわずかだが、このクラスに転校してきた柊姫香だ。皆仲良くしてやれよ。
 じゃあ、一言挨拶を」
担任がそういって姫香に話を振る。
姫香は教壇から降りて一歩前に出て、ゴホンと咳払いをして。
「柊姫香です。転校してきたばかりでいろいろ分からず、皆様に迷惑をかけるかも知れませんが
 残りわずかな時間を皆さんと楽しく過ごしたいと思っていますので、どうぞ、よろしくお願いします」
そういってにこりと姫香は笑った。
その瞬間。クラスの男子どもはもちろん女子たちすらもその顔の可愛さというかなんというかに悶え始めた。
なんて破壊力だ…。クラス中をいっせいに悶えさせるとは…。
ちなみに俺はあまりの気持ち悪さにゾクゾクしていた。
「おう。じゃあ、自己紹介もすんだところで…お前の席は…」
担任が姫香の席をどこにするか考え始める。
「先生。私、坂元君の隣がいいのですが…」
おい。なんて事をいいやがる…。
その瞬間クラス中の目(主に男子)がこっちを向く。
そして、ヒソヒソと小さな声が聞こえてくる。

「おい。なんで坂元なんだよ…」
「くそっ…あいつ」
「え? 坂元君とあの子ってなんか関係あるの?」
「…………死ねばいいのに」

お前らがそういいたいのは分かる、が、最後の奴は怖すぎるぞ…おい。

「うーんでもなぁ。坂元の隣には既に他の生徒が…」
よし、いいぞ担任。そのまま、姫香のむちゃな願いを却下してくれ。
「そういわずに。先生お願いします」
そういって姫香が何かの写真をチラッと見せたことを俺は見逃さなかった。
「あ…え…なんでそれを? おおおおう、分かった。じゃあ、柊は坂元の隣に行け」
どうやら俺は担任を買収する瞬間を目撃してしまったようだ。

姫香は担任に軽く会釈をして勝ち誇った顔で俺の隣席へ。
そして、姫香は自分の席へ座る前に俺の机の上に小さな紙切れを置いた。
なんだこりゃ…。
俺はゆっくりとそれを開いたそこには信じたくないことが書かれていた。

『あの約束は継続だ。もちろん、お前に拒否権はない』

俺はまた頭を抱えるのだった。




皆様、お久しぶりです。
やっとこちらも更新できました。
まさか、2ヶ月も放置していたとは…

ここまで読んでくださり感謝です。
ご感想&評価お待ちしております。
では、失礼します。













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