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お姫様との大脱出!?
作:風汰



第14話 嵐は突然やってくる


この日がついにやってきた。
新学期の幕開けである。
高校1年生のラストを飾る、3学期がやってきた。
人によっては最後は楽しくしたいとか、ワクワクしてる人が居ることだろう。
だが、俺はそれの真逆だ。
この先の生活について多大な不安を抱えている。
それもこれも、すべてはあの女。柊姫香ひいらぎひめかが転入してくることが原因だ。
まあね、別に同じクラスになるって決まったわけじゃないんだが…。
あいつのことだ別のクラスだろうとお構いなしにいろいろ命令してくるに決まってる。
はぁ………憂鬱だ…。
「はぁ……」
思わずでかい声でため息をついてしまった。
「ん? 健太。どうしたんだい、そんな大きなため息ついて」
「ああ? 聞こえたか?」
俺はあえて無意識だったことを主張するかのように答える。
「当たり前じゃないか。あんなに大きな声でため息疲れたら聞こえちゃうよ」
そういって笑うのが俺と同じクラスの男子。河野智也かわのともやだ。
言い忘れてたが、現在俺は自分の教室で担任が来るのを待っている状態なのだ。
まあ、こんなところでため息つけば、そりゃ友人の耳にも入るわな。
でも、周りもそれなりに騒いでいたから、聞こえないって思ったんだけどなぁ…
「それで、健太。何かあったのかい?」
河野が心配半分好奇心半分といった顔で俺に聞いてくる。
「いや、あったら嫌な最悪の事態を想像してたら、ため息が出たんだよ」
ごまかすように説明する。まあ、でも。あながち間違っちゃいないだろ。
「へぇ。そうなんだ」
俺から帰ってきた答えが想像以下だったのだろう、河野はつまらないといった顔で返事をする。
こいつは本当に良く顔に心情が表れる奴だ。
まあ、でも。こいつ以上に顔に思っていることが表れる奴を1人しっている。
「うぃーーーーっす!!」
元気な掛け声で教室のドアを開け放ち、奴が入ってくる。
クラスメイトその2。西一樹にしかずきだ。
こいつは、よく言えば元気一杯。悪く言えば単純馬鹿だ。
その単純馬鹿は俺と河野が集まってるのに気づき近寄ってくる。
「よぉ! 坂元に智也!! 久しぶり!!!」
そういってぐっと親指を立てる友人に俺も面倒ながら指を立て返してやる。
ちなみに河野は笑顔で指を立て返していた。
というわけで、今紹介したこの二人が主に俺とつるむ仲間だ。
今後も普通に付き合って行きたいと思います、はい…。

それから程なくして担任が教室に上がってきた。
ジャージ姿の中年男性で見るからに体育会系と分かる担任だ。
「おーい。早く席に着けー」
声をかけられ席を立っていた生徒たちは各々の席へ戻っていく。
河野と西も例外ではない。
全員が席に着いたのを確認して担任が話し始める。
まあ、こっからはきくに及ばない話なんで、省略。
ぶっちゃけると俺自身良く覚えていないんだ。

というわけで時飛んで始業式。
全校生徒は体育館に集められて校長やらなんやらの長々した話をふらふらしながら聞いていた。
そのとき、聞き覚えのある名前が呼ばれ俺の神経は一気に活性化した。
姫香…? シュウ…? リサ…? わっつ? なんだって?!
チョット待て。転入して来るのは姫香だけじゃないのかっ!!?
「それでは、転入生を代表して、高橋修一たかはししゅういち君より挨拶を」
そういって校長が見覚えのある優男にマイクを手渡す。
おいおいおいおいおい。あいつは……あいつは…
「皆さん、初めまして。ただいまご紹介に預かりました、高橋です」
そうとても丁寧な言葉で話し始めるのは忘れもしないあの男。
あの石の牢獄でであった、四天王の1人。“美のシュウ”そいつだ。
その隣には同じく四天王の1人。“超能力のリサ”もいる。
そして、その隣に仁王立ちで腕組みをして偉そうに立っているのは、あいつだ。
わがままお姫様。柊姫香だ。
三人の姿を見て、俺は失神しそうになる。
ああ…ぐっばい。俺の普通の日々……そして、ようこそこの野朗。ハチャメチャな日々。
シュウの挨拶も右から左で聞かずに俺は立ち尽くすのだった。

そして、始業式が終わり体育館から出るとき。
教室でした以上に大きなため息をついた。
それを聞きつけた河野が俺に近づいてくる。
「健太。またため息をついてどうしたんだい?」
「ん? ああ…俺…明日から学校来るのが嫌になっちまった…」
「いきなりどうしたんだい」
「説明すると長くなるから、ね。聞くなよ、というか、聞かないで」
俺は肩を落としながら、河野に言う。
すると河野は「分かったよ」と答えて俺から遠のいていった。
ああ……嫌だぁ…。叫びたい…。

はぁ。俺の平穏はいつ来るのやら…。
神様。お願いしますよ。せめて、あいつとは別のクラスに…。
そう切に願う、俺だった。


こんばんわ。
どっちの小説も新学期が始まってます。
『姫脱出』はこれからは学校編ですよ。
学園物が好きな方はお楽しみにw

ここまで読んでくださり感謝です。
ご感想&ご評価お待ちしております。
それでは、失礼します。











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