011話 英雄の条件
――英雄
それは人々の憧れであり、希望の体現。
人は誰もがそれに憧れ、英雄になろうと考える。
剣を持ち、自らの体を鋼の如く鍛え上げる者。知識を磨き、魔法を奮って輝かんばかりの功績を打ち立てる者。皆がそれぞれに英雄になろうとして心身英知を磨き続ける。
◆◆◆◆◆
サラス商業都市にある、冒険者ギルドサラス支部。荘厳な建屋は町の最中心部にあり、北は城を眺め、南は儀典用大礼門の鉄扉を覗く。商業都市が出来た当初から存在し、その歴史は城が建てられるよりも古い。
そんなサラスの代名詞とも呼べる建物の中に、一般人は容易に入ることを許されない部屋がある。
その部屋は建物の奥にあり、侵入者を拒むが如く入り組んだ場所にある。建物の中でも重要なその部屋は、あらゆる魔法攻撃から守られるだけの備えがあった。
壁は分厚く、中に鉄板が仕込まれていて、魔力を散らす魔法陣が刻まれている。
光取り用の窓にすら魔法の罠が掛けられていて、何か悪意を持って近づこうとすればそれだけで呪いを受ける。
部屋の出入り口は一つだけ。こげ茶色で重たい木の扉。これにもまた複雑な魔法文様が付けられている。
部屋の中には最高級の黒檀の作業机と、国家機密に並ぶほどの重要機密を並べた棚がある。来客用に、黒龍の落革で張った柔らかくて丈夫なソファーが置いてある。
テーブルの上には、季節の花が最高級の焼き物の花瓶に活けられていて、華やいだ印象を部屋に与える。
そんな部屋には一人の老人が居た。
国内有数の大都市でギルド支部長を務めるゴルファ=ダキシロンである。
齢70を目前にしながらも、体躯は引き締まっていて、顔の深い皺が無ければ現役冒険者であると言われても信じられるだろう。
ぱっと見ただけでは好々爺に見える彼もまた、若かりし頃は英雄に憧れ、元々物覚えが良く魔法も上手い子どもであったことから、自然と冒険者の道を志すことになる。頭脳明晰でありながら思慮深く、小さな頃から子供たちのまとめ役になっていた。ガキ大将とも言われるが、彼は年下にも面倒見がよく、慕われる存在だった。
中でも一つ年下の少女とはよく村近くの森まで共に出かけて、獣を狩っては大人たちに叱られることを繰り返していた。
15歳の誕生日を迎えるころには村一番の魔法の使い手で、森で鍛えた弓の腕前と、我流で鍛えた魔法で、そこら辺の魔物には引けを取らない実力を持っていた。小さい時には一緒に遊んでいた少女も、いつしか美しい髪を伸ばし、森に行く彼を心配しながらも見送るようになっていた。
英雄に憧れていた彼は、村の人たちと少女の引き留めを振り切り、単身王都で名を挙げようと村を飛び出す。
15歳の夏だった。
王都に行った彼を待っていたのは、大きな驚きと栄光だった。
冒険者になった彼は、類稀な魔法の才能を活かし、瞬く間にランクを上げていく。懐かしくも輝かしい日々。襲ってきたバイコーンの群れの主と戦い、2本角の1本を数km先からへし折ってやったこともある。
オーガやゴブリンの群れが王都を襲ったときには、当時は騎士見習いだった今の筆頭騎士団長兼第一騎士団長と共に、たった数人で門を守り切ったこともあった。
共に潜ったダンジョンの中で、かけがえのない仲間を失ったこともあった。王都に来た時から親身に世話をしてくれた恩人だった。自分をかばって笑顔で最期を迎えたのに、今でも夢で見ることもある。
30歳を過ぎるころには、国中にその名を知られるBランクの冒険者になっていた。
その身体から繰り出される魔法は必殺の一撃で、豪炎の二つ名で呼ばれることも当たり前になっていた。
しかしまた、その頃から年齢を感じる機会が増えていった。段々と体に衰えを感じ始め、仲間にも庇われることが増えていった。
引退
その2文字を意識し始めた頃だろうか、ある依頼で隣の国まで商隊を護衛することになった。簡単な仕事だった。簡単だと思っていた。
行きの道程はまるでピクニックのようだった。天気も良く、商隊に居た若者が歌う鼻歌も心なしか晴れ晴れとしていた。
襲われたのは帰りも半ばを過ぎようとしていた時だ。
気が付いた時にはワーウルフの大群に囲まれていた。血に飢えた奴らは、弱いものから襲っていく。守りながらの戦いは体力勝負になった。
商隊は無事に守り切った彼だったが、背中には大きな爪痕を付けられた。
彼はその日から、冒険者を引退した。
冒険者を辞めて生まれ故郷の村に戻った彼を、村人は快く歓迎した。良く帰ってきたと。
何時も叱られていたおじさんは、髪も白くなって腰も曲がっていた。昔は自分の後ろを頼りなげについて来ていた男の子は、立派な家を建てていた。
自分が村を出る時、涙を堪えて引き留めた少女は、2児の母となっていた。男の子と女の子で、どちらも彼女に似て綺麗な髪をしていた。
彼女の息子は言った。自分も冒険者になりたい、と。
彼は止めた。彼女の下からまた離れる人が増えることを、彼女は望まないと思ったから。
そんな少年もまた、彼女と同じように森に入っては怒られていた。
彼は少年の中に、かつての自分を見た気がした。この子であれば、もしかしたら自分が届かなかった英雄になれるかもしれない。そう思った。
彼は少年を鍛えた。彼女がまた悲しむと知っていながら、それでも少年の将来に夢を見たのだ。
少年は可能性の塊だった。この子がこのまま大きくなれば、もしかしたら英雄と呼ばれるかもしれない。商人となって、一代で巨万の富をえて豪商と呼ばれるようになるかもしれない。竜を倒し、悪魔と戦い、人々の憧れの的になるかもしれない。そう思った。
彼女の娘もまた、可能性の塊だった。
彼女に似て綺麗な髪は、将来きっと美人になると思わせた。もしかしたらこの娘もまた大事な人を見送ることになるかも知れない。或いは白馬の王子に見初められて王宮で国の世継ぎを産むかもしれない。
子どもたちには可能性が満ち溢れていた。
かつて自分が村を出た時も、もしかしたら同じような可能性が目の前には広がっていたのかもしれない。
年を重ね、いつしかそんな可能性は失われていった。
彼はそれでもあきらめなかった。自分が英雄になれなかったのなら、この子たちの将来を、英雄と呼ばれるものにしてみせる。そんな決意を固めた時に、ギルドでの後進指導の依頼が来た。彼は歓喜した。自分の夢を託さんと、夢ある若者たちに厳しく熱心に指導した。
そんな熱心さが評価されたのか、元々高かった知名度と合わせて、いつの間にか一つのギルド支部を任されるようになっていた。皺も増え、孫が居てもおかしくない年齢になった時、彼は国でも指折りの大都市でギルド支部長になっていた。
年老い、自分の死が近づいてくる足音を聞く彼には、未だ英雄への未練が残っていた。
未来ある若者を育て、将来有望な者を鍛え、それでも英雄には皆届かなかった。
そんな漫然とした不満と不安を抱える日々の中で、その日だけは違った輝きがあった。
朝、いつもと同じように自分の執務室に座り、ギルドの権力を象徴する机に積まれた書類に目を通していた時だった。一人の少女が部屋をノックしてきた。
明らかに慌てた様子で、落ち着きが微塵も感じられない。
つい半年ほど前にギルドで職員採用された娘であることは鈍くなってきた記憶力でも思い出せたが、その記憶ではこんなに落ち着きのない娘ではなかったはずだと怪訝に思った。
「落ち着くのじゃ、一体何事か」
「こ、この申請書を見てください!」
彼から見ればまだまだ幼いその娘、オードリーことドリーの手元にあったのは、一枚の冒険者カード申請の羊皮紙だった。
何のことはなく、その内容の真偽を確認するということだ。
彼はギルドで後進指導に当たるとき、その才能と特性を見極める為にある魔法を取得していた。
【上級鑑定】と言われる魔法は、【鑑定】とその上位魔法【中級鑑定】を持っていなくては習得出来ない高度な魔法である。
その魔法は、他人の才能を見抜くと言われていて、この世界では当たり前のレベルアップ時に、獲得する昇格値の基本値を見ることが出来た。
昇格値は個人差があり、1~2ポイント程度である者が9割程度を占めていた。この町で最も才能溢れる者でも、2.6ポイントであり、彼は第3騎士団の団長になっている。経験を積んでレベルが上がれば上がるほど、この昇格値の個人差が大きな差を生む。
彼が英雄をあきらめたのもまた、ここに限界があったからだった。
【上位鑑定】は魔法の才能も見抜く。この世界では、魔法が使える者は全人口の9割ほど。その多くは1系統の魔法しか使えない。稀に2系統以上の魔法を使える者も居るが、それもまた才能の1つとされていた。水なら水の魔法、火なら火の魔法と、それぞれに得意な魔法が違っているのが普通だ。
2種類の魔法を極めたと言われる彼は例外中の例外だった。
魔法は魔力から生まれるが、魔力は自然にあふれているマナと呼ばれるエネルギーを、人の意思で方向性を与えたものであるとされている。マナは大気や水に溶けていて、人の身体にも溶け込んでいる。魔物は魔力の塊であり、それらを倒すことで人の中に魔力を取り込み、それが身体の中で結晶化すれば、その大きさでレベルが決まると言われている。
しかし、その結晶と言うのは目に見えないほどに小さく、確かめたものは居ない。
マナは純粋な水や清浄な空気によく溶けるらしく、そのため森や川には魔物がよく出る。
砂糖は海水よりも、蒸留水の方が良く溶ける。似ている性質だ。
結晶の形は生まれながらの遺伝で決まるとされていて、その形によって使える魔法が決まるらしい。一説によれば、体内のマナに干渉する不純物がその形を決めていると言われている。
鉄の分子も方向が揃えば磁力を持つ。鉄に不純物があれば、磁力は弱くなりやすく、磁界も不安定になる。
食塩の溶けた水に、核となるものがあればそれが徐々に大きな結晶となる。その形は、不純物が少ないほど綺麗な結晶になる。
マナと魔力もまた、そんな物理法則に縛られる自然のエネルギーだった。
彼の持つ【上位鑑定】は、魔法の才能を見抜くことが出来た。対象者が持つ属性や、今取得している魔法を見ることが出来た。非常に便利な魔法であり、彼がギルドの支部長になれたのもこの力があったことも大きかった。
「この申請書がどうしたというのじゃ」
「とりあえず内容を見てください!」
「全く、なんじゃとい……ぅん?」
彼は目を疑った。
そこに書かれていたのは今までの彼の常識からは信じられない物だったからである。
3属性の魔法を持つものなら、自分も育てたことがあった。英雄にはなれなかったが、今では国王に仕える宮廷魔術師になっている。
その申請書には属性が無と書いてあった。これは属性が無いという意味なのだろうかと彼は思った。魔法の才能が無いものも、珍しいが居ることには居る。
しかし、信じられなかったのはそれでも魔法を所得出来ていることだった。2属性以上を持っていなくては取得できない【鑑定】や、古代遺跡の探索では必須の【翻訳】を持っているだけでも驚いた。魔法が使えないのなら、そもそも取得すら出来ないはずである。
彼は、魔法がその2つのみであるということにも興味を覚えた。
通常、冒険者になろうとする人間は、魔物と戦うことを意識して鍛えてくる。
当たり前のことながら、貴重な昇格値を使うのであれば、より強力な攻撃魔法を選ぶのがセオリーだ。 塩の結晶が大きいほど、それ以上の結晶化が起き辛くなるように、レベルも上がれば上がるほどレベルアップが難しくなる。
貴重な昇格値を、攻撃魔法や治癒魔法以外に優先する。明らかに普通の発想で選ぶ魔法では無い。
更に驚いたのは、昇格値が15ポイントと書かれていたことだった。
一般人が1ポイント前後であり、一流の冒険者になるものでも2ポイント前後が昇格値と言うものである。いきなり何倍もの昇格値を持っていますと書かれても、信じられるはずがなかった。始めは1と5の間に点を入れ忘れたのかと思ったぐらいだ。
「ばかもん!こんなもの出鱈目に決まっておろうが。冒険者志望の人間が、自分の実力を大げさにすることは良くあることじゃと教えたじゃろうが」
そう大声を上げ【威圧】する彼に、目の前の少女は涙目になっていた。
手をぎゅっと握りしめて、身体をこわばらせながらそれでも気丈に言葉を吐き出す。
「で、でもですね、書いている内容に嘘が無いと本人に再確認もしてもらいましたし、その……書いている時も嘘を書いているようには思えないほど落ち着いていました。だからその……ご確認して頂くべきだと思って急いでお持ちしたんです」
「なに?その冒険者は今このギルドに来ておるのか」
「はい、受付にまだ居られると思います」
「すぐに連れて来い」
「ひゃい!」
来た時と同じぐらいに慌てて出て行った少女の言葉を、彼は吟味する。
もし本当に嘘が書かれていないとしたら、前代未聞のことである。彼が今まで鍛え育て上げてきたどんな若者たちよりも、文字通り桁違いの才能を持っていることになる。
彼は予感する。
もしかしたら、自分の夢を叶える人間が現れたのかもしれないと。
しばらく待っていると、出て行った時と同じように不安げな様子の女の子と、それにつれられた年若い少年のように見える子が顔を見せた。
彼はその少年の容姿に驚いた。
服装もさることながら、黒髪黒目だったからだ。
この世界ではあまり知られていないことだが、髪や目の色は遺伝すると言われていて、その色は魔法の属性に関わりがあるとされていた。例えば金髪なら風や木の魔法と親和性があり、茶髪ならば火や土と相性が良いとされている。
それを知っている彼からすれば、少年の濡れたカラスの羽のような黒い髪と瞳は、それだけで先ほどの羊皮紙の内容を思い出させるものだった。
面白い。
彼はそう思った。年甲斐も無く、心がわくわくと踊る。
昔はいつも感じていた。未知の物に挑戦するとき、或いは知らない場所への冒険では必ず期待感と不安感が揃ってダンスするものだ。
逸る気持ちを抑えながら、ギルドの宝とも言われる水晶球を取り出す。
魔道具は、魔力を持つ特殊な道具である。
磁力を持って磁石になる物質が限られているように、魔力を持って魔道具と出来るものもまた水晶や貴金属のようなものに限られていた。それ故に数が少なく、必然的に高価なものになってしまう貴重品だ。
それを持ってソファーに腰かけた彼は、少年に見える青年に対して、ソファーへ座るように促す。
「まぁそんな所にたっておらずに、こちらに座りなさい」
その言葉を聞いた青年は、おずおずと緊張した様子でソファーに腰掛ける。
そんな青年を、彼は鑑定と念じて見つめる。
Name(名前):ハヤテ=ヤマナシ 基本昇格値:15 魔法属性:無(全属性) Level(レベル):2 所持魔法:【鑑定】、【翻訳】 ……
見れば、確かに申請書に書かれていたことは本当のことのようだ。
彼自身、目の前でステータスを鑑定するまで信じられなかった事実が、突きつけられるのは奇妙な気分だった。
ふと青年の顔を見れば、どうにも強張った顔をしている。
「そう緊張しなさんな。儂が君をここに連れてきたのは、君の書いた書類に不備があるかどうか確認してほしいと、そこのオードリーに言われたからなのじゃ」
名前を言われたドリーは、ビクリと体を緊張させる。
彼は、目の前の青年の正体を知りたくなった。
「君が書いた書類によれば、昇格値が15ということじゃったな」
「たぶんそうだと思うんですけど……間違っていましたか?」
ここで自信の無いような態度とるということは、もしかしたら自分でもこんなバカげた昇格値に不安を持っているのかもしれない。
「ほっほっほ、もしそうなら儂の【上位鑑定】が嘘を見せたことになるのぅ」
彼は年老いた口から笑い声と共に、自分自身の情報を青年にぶつけてみた。
青年が演技で昇格値のことを知らないふりをしていれば、目の前の老人が【上位鑑定】を持っている事で演技を続けるかどうかを迷う筈だ。そうすれば、必ず態度に不自然なところが出てくる。それを見逃すほど、耄碌してはいない。
しかし、彼が望む結果は得られなかった。
驚いては居るようだったが、言い訳をするでもなく、顔をしかめるでもなく、普通の態度を崩さない。
「そういうわけで、お前さんが書いた内容に嘘偽りが無いことは儂が保証する。が、一応規則でな、鑑定用魔道具で記録を取ることになっとる。面倒じゃろうが、それを両手で持ってくれんかのぅ」
更に追い打ちを掛けるように水晶を握らせる。
魔道具の価値と効果を知るものであれば、それだけで自分の情報が漏れることに怯える。特に疾しいことがある人間は、絶対に水晶を握ろうとはしない。自分の悪行まで見られることに怯えてしまうからだ。
彼の期待は、再び裏切られる。
全く躊躇する様子を見せずに、青年は水晶を握った。
水晶からの魔力にくすぐったそうな様を見せる以上、青年の犯罪性が皆無なのは明らかだった。
しばらくすると、水晶から半透明の窓が現れた。内容を見る限り、やはり書類に嘘も不備も無いことが証明されていた。
「それで終いじゃ。ご苦労じゃったな」
栗毛ポニーテールのオードリーに労いの目を向ければ、不安げだった表情も晴れ晴れとしたものになっている。自分の担当した者が優秀な才能を持っていることを、喜ばない受付は居ないだろう。
受付嬢と伴って青年が部屋を出た後、部屋の主は一人ソファーに座ったまま水晶を眺めていた。
不思議な少年だった。
普通なら選びもしない魔法もそう、常識はずれの才能もそう、驚くほどの適応能力を持つであろう黒髪黒目もそう。だが何より、その落ち着いた冷静さが不思議だった。
理知的で、静かな落ち着きを見せるそれは、人知れず満ちる湖の水面を思わせた。澄み切っていて、気が付けば何処までも吸い込まれていくような深い水の重なりを思わせた。
あの青年ならば、もしかしたら今まで誰も届かなかった高みに届くかもしれない。
そう思った。
巨竜と立ち向かい、魔物の大群に一人でも立ち向かう。
誰もがあきらめるような状況であっても、その人が居ればもしかしたらと希望が持てる。
物語のような人智を超越した魔王に立ち向かう。もしかしたらその人なら倒せるかもしれない。
誰も為しえなかった最古のダンジョン完全踏破。絶対に無理だ。しかしその人が居れば出来るかもしれない。
そんな可能性を持った誰か。
子どものときには誰もが持ち得ていた無限の可能性。
年を重ねるごとに、薄れていく可能性。
もしもその可能性を、いつまでも持ち続けられる者が居るとしたら。
誰もがあきらめてしまうような事でも、可能性を見せ続けることが出来る者が居るとしたら。
人はそんな可能性に希望を抱き、未来を見せるその人をこう呼ぶだろう
――【英雄】と