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終わりと始まり
作:鈴木 美夜


別れ。
それはある日突然やってくる。
私には、付き合って3年になる彼氏がいた。
それなりに、喧嘩をしたりもしたけれど、仲良くやってきて。
このまま、この関係がずっと続くんだと思っていた。
そう、あの時まで。
毎日、一緒にいるのが当たり前で、一日会えないだけで、寂しいと感じるくらいに。告白してきたのは、あなたから。
でも、気付ばあなた以上にあなたに溺れていたのは私。
初めて、本気で好きになった人。何もかも捨ててでも、守りたいと思った人。
気付けば、就職って言う言葉が重くのしかかっていた大学四年。
あなたの、就職が決まった時、私は自分の事のように嬉しかったよ。
素直に喜ぶ私に、あなたは少し困ったような顔をして。
そして、いいづらそうに…。
こう言ったね。「ここを離れる事になるんだ。」
と。
私は真っ先にこう言った。
「私も、着いていく!」
と。
でも、それはかなわなかったね。
私は、すでに就職が決まっていた。
でも、何もかも捨てて。
着いていきたかったのに。あなたは、私を嗜めるようにこう言ったね。
「連れてはいけない。」
と。
今なら、わかるよ。
それが、あなたの優しさだった事を。
社会人になって仕事につく不安。
知らない土地に行く不安。
何もかも、手探りの状態。
そんな中に、私を連れていくということが。
どういう事かを。
あなたは、知っていたんだね。
不安だらけな場所には連れては行けない。
なにより、私の事を考えてくれて。私を連れていく事を拒んだあなた。
それでも。着いて行きたかった。
ずっと夢だった仕事。
愛してくれた両親。
大切な友達。
そのすべてをひきかえにしてでも。
守りたかった、私の気持ち。ただ、スキなだけ。
一緒にいたいだけだった。
それだけなのに。
ただ、それだけなのに。スキだけじゃ、どうにもならない事を知った。
スキとキライだけの感情だけで生きていられるほど。
単純でもなければ。
いつまでも、子供では。
いられない。
でも、寂しがりやな私は。
泣いて、泣いて。
子供みたいに駄々をこねる事しか。
できなかったね。
でも、それは何の意味ももたない。
あなたを困らせるだけ。
だから、わかってほしい。困らせたいわけじゃない。
不安なだけ。
心配なだけ。離れるという事が。
そして。
何より、あなたを。
スキなだけだって事を。
結局。
私が、折れるしか道はなかった。
だったら。
最後のお別れは。
絶対に泣いてなんてあげない。
泣き虫で、弱い私の。
精一杯の強がり。
笑顔で見送ってあげる。
ひょうしぬけでしょ?
お別れが。
泣き顔なんて。
切なすぎるから。
悲しすぎるから。
今にも。
涙があふれそうなのを。
必死でこらえて。
笑顔で。さよならしてあげる。
でも。
反則だよ。
「離れていても、ずっとスキだから。」
なんて。
そんな、ベタベタなセリフ。
人前でベタベタするのがキライなくせに。
いちゃつくのがキライなくせに。
人がいっぱいいる。
空港で。
私の事を、抱きしめて。
キスするなんてさ。
それは、まだ。
あなたをスキでいていいって。
あたに思われてるって。
思っていいのかな。私の、精一杯の強がりは。
こんなにも。
もろく、崩れ落ちる。
次から、次へと。
私からあふれる涙。
私をこんなにも。
弱く、もろくしたのは、あなた。
でも、私を強くできるのもあなた。
「こんなにスキにさせた責任とってよね。」
って泣きながら言う私に。
「お互いさま。」
なんて。
そんな事言うから。
なおさら、泣けてきちゃたよ。

だから。
さぁ、お別れのキスをしよう。
何もかも、忘れないように。
この気持ちを。
忘れないために。
そして…。
次に会った時は。
この涙を悲しみの涙から。嬉し涙に変えて。
始まりのキスをしよう。
始まりは。
これから…。


初投稿になります。つたない文章ですが、読んで何かを感じていただけたら、嬉しいです。













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