第79話 復讐
翌日。京子は教室に到着した。時計を確認すると、まだ7時20分。
いつもなら8時5分頃に着くのだが、今日は目的があるので早く来たのだ。
「おはよー、京子!」
数分後、元気よく教室に入ってきたのは瑠夏と奈々だった。京子は笑みを浮かべて、2人を振り返る。
「おはよ!」
「ごめんなさい、ちょっと寝坊しちゃいました」
「大丈夫だよ。あいつが来るまで時間あるし。それまでに全部終わらせちゃお」
頷きあって、3人は足取り軽く下足場へと続く階段を下りていった。
下足場に着いた瑠夏たちは、まっすぐ涙の靴箱へ足を運んだ。
「美衣子の時は外靴だったから、今回は上靴やっちゃおうか」
「上靴? あはは、それは困るよねー」
「……思い切りこらしめてやりましょう」
3人は、早速行動を開始した。
「美衣子の時は土を詰めたんだよね」
「今回はー……画鋲でも入れようか」
片方の靴の中に、教室から持ってきた画鋲を詰める。
画鋲が靴の中に刺さってしまったが、お構い無しに続けた。
「もう片方はどうする?」
「美衣子の時は埋めたんだよね、確か」
「それなら、もっと酷い方法で使えなくしてやりましょう」
奈々はそう言うが早いか、涙の靴をもってどこかへ行ってしまった。
それを待っている間2人は、続けて靴箱にも嫌がらせをしようと企んだ。
「流石にまた中傷落書きはやばいかなぁ。すぐバレそうだよね」
「んー、どうしよう? あ、忘れ物入れに赤い絵の具があるけど……」
「あ、それ使えるかも。借りちゃお!」
2人は忘れ物入れの中から絵の具を拝借し、赤い絵の具を指に出して涙の靴箱の中を真っ赤に塗った。外から見ても分からない、赤いアート。
「……ただいま戻りました」
暫くして帰ってきた奈々の手には、墓場に落ちていたという大量のカラスの羽と、美衣子の時と同じような菊の花が握られていた。
「これ、中に詰めたらいいんじゃないでしょうか……何となく不気味ですし」
「うん、そうだね。全部入れちゃおう」
カラスの羽と菊の花を靴箱に詰める。涙の靴箱だけ、呪われた空間のようだ。
「ところで、奈々。靴はどうしたの?」
「裏庭の焼却炉で燃やしてきました」
「お〜! やるねぇ、奈々」
3人は一旦教室に戻り、涙の机やロッカーの中を物色した。
机の中には大量のノートや教科書、そしてロッカーの中には体操着とジャージが丁寧にしまってあった。
3人は迷う事なく教科書、ノート等を1枚ずつ破ってシュレッダーにかけ、そのくずは適当に教室のゴミ箱に捨ててしまった。
体操着とジャージは男子トイレの個室に丸めて捨ててきた。用を足そうと入った男子が見つければ、きっと大騒ぎになるだろう。
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