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あたしは悪くないもん
作:猫満月



第77話 変わらぬ朝


犯罪性もあるとみて、美衣子の遺体は司法解剖されたらしい。その結果、彼女のお腹から赤子が発見されたそうだ。
その子供が誰との間にできた子供なのかは分からず、瑠夏たちのところにも警官が話を聞きにきたが、瑠夏たちはその事実にショックを受け、大体相手の見当はついたが、何も答えられなかった。

それから、あっという間に美衣子の葬儀は終わってしまった。
瑠夏、京子、奈々、クラスメイトが涙を流して美衣子の名を叫んでも、美衣子は二度と目覚めなかった。
今までの美衣子の笑顔も、頑張りも、全て最初から何も無かったかのように、何とも呆気なく……美衣子は消えた。

そして今日から、またいつもと変わらぬ朝が始まろうとしていた。

「おはよー」

クラスメイトたちの明るい声。流石に美衣子の葬儀の直後はみんな暗い表情をして塞ぎ込んでいたが、ようやくクラス全員が活気を取り戻し、以前の笑顔が其々の顔に蘇っていた。

「瑠夏、京子、奈々、おはよ!」

突然背後から明るい声がした。瑠夏たちが驚いて振り返ると、そこには満面の笑みを浮かべた涙が立っていた。
涙はここ最近、美衣子をいじめていた時の黒い笑みを見せなくなった。その代わり、昔のような無邪気すぎる笑顔を常に顔に浮かべていた。

「涙……」
「お、おはよう」

瑠夏と京子は何とか笑みを浮かべて返事を返したが、ただ1人奈々だけは、ふてくされた顔でそっぽを向いた。
涙は奈々の態度で特に気を悪くしたような様子も無く、当たり前のように瑠夏の机に飛び乗ってそのまま3人の輪の中に入り込んでしまった。
奈々と涙を交互に見ながら、瑠夏はぎこちない笑みを浮かべ、涙に話しかけた。

「なんか涙、久しぶり……だね。なんでしばらく休んでたの?」
「え、だってどうせ来たって、美衣子が死んだから全校で黙祷とか、美衣子の机を片付けたりとかしたんでしょ? 雪山の時のでもう疲れたんだー。だから、そういうめんどくさいのが全部終わってから来ようかな、って思って」
「あ、……そうなんだ。もしかして……めんどくさいから、お葬式にも来なかったの?」
「うん! 死んだんならもう美衣子の顔なんて見たくもないし」

涙は肩に乗っている髪の毛を片手ではらいのけて、くすりと笑みを浮かべた。

「やっぱり、こういう戦いはあたしが勝つようになってるのね。大分長かったけど、ようやく決着がついたわ」

奈々はそれを聞いて、乱暴に椅子から立ち上がった。唇を噛み締めて、涙を睨みつける。

「……何よ?」

涙がそう尋ねると、瞳に涙を浮かべた奈々は、何も言わずに廊下へ出て行ってしまった。

「……ふん、変なやつ。あたしああいうタイプきらーい。根暗っていうのかな? 元々気に入らなかったのよね、あいつ」
「……」

瑠夏と京子は何も言わずに、顔を見合わせた。
涙は2人を振り返って、屈託のない笑みを浮かべた。

「まあ、これ以上変なことしないならいいけど〜。また調子乗ってきたら、今度は3人であいつを懲らしめてやろーね!」












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