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あたしは悪くないもん
作:猫満月



第45話 終了


途中、雪山の両親も病院に到着し、美衣子と雪山の両親は、じっと手術室の前で手術が終了するのを待った。
手術開始から丁度12時間が経ち、再び看護婦さんが様子を見に来た、まさにその瞬間。睨むように見つめていた【手術中】のランプが フッと消えた。
ハッとして、看護婦さんと雪山の両親、そして美衣子は顔を見合わせた。

「美衣子ちゃん、ちょっと待っててね。先生に様子を聞いて……」

看護婦さんが言い終わるよりも早く、手術室のドアが開いた。手術を担当していた院長先生が、4人に気づいて一瞬驚いた顔をした。

「あ……院長先生。あの、雪山君のご両親と、それから……、この子は雪山君の恋人の、春風美衣子さんです」
「……ああ……。こんばんは、雪山さん、そして、美衣子さん」

院長先生はそう言って 美衣子に軽く頭を下げた。美衣子も小さく頭を下げてから 慌てて先生に駆け寄った。

「先生、雪ちゃんは……雪ちゃんは!」

先生は哀しげに俯き、美衣子と雪山の両親に向かって、深く、深く頭を下げた。

「手は、全て尽くしたのですが……、残念ながら……」

美衣子の目が、大きく見開かれる。雪山の母親は眩暈を起こし、その場に倒れてしまった。

「う、嘘……で、しょ?」

そう呟いた美衣子は、院長を押し退け、手術室へと飛び込んだ。部屋の中には血の臭いが充満している。

「雪ちゃん、雪ちゃん! 雪ちゃん!」

沢山の看護師達が、雪山を寝かせているベッドの周りに立っていた。だらりと垂れた雪山の両手が見える。青白い手だった。雪山の体には大きな布が被せられていた。

「こ、こら、君! 手術室には立ち入り禁止だ!」
「早く出て行きなさい!」

美衣子は看護婦や看護師の傍をすり抜けて、雪山の体にかけられた大きな布を引っ剥がした。
その瞬間目に飛び込んできたのは、変わり果ててしまった雪山の姿だった……。
それを見た美衣子は腰が抜けて、その場に蹲ってしまった。

ピ――――――――……

機械特有のその音は、ひとつの命が消えてしまったことを意味していた。

「ゆ、き……ちゃん……、」

ただ一言そう呟いて、美衣子はその場に倒れ込んだ。

そうだよ、目が覚めればこんな夢、終わっているはずだよね。雪ちゃんが死ぬなんて、そんなの夢に決まってる。神様お願い、いじわるはやめてよ。目が覚めたらまた雪ちゃんの笑顔が見えるんだよ。そうだよね? ……神様。












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