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あたしは悪くないもん
作:猫満月



第42話 予感


その頃、美衣子は病院のベッドの上でテレビを観ていた。この時間帯のテレビ番組はどれも退屈だ。
なんとなく、気分でニュースに変えてみた。普段はニュースなど滅多に見ることは無いが、見たい番組が無いので、暇つぶしだ。
淡々とした口調で喋り続けるアナウンサー。画面の端から誰かの手が伸びてきて、アナウンサーに書類を手渡した。それを受け取ったアナウンサーは、尚も淡々と書類を読み上げていく。

『臨時ニュースです。今日昼過ぎごろ、東京都の●●駅で、男性と男子高校生の間で何らかのトラブルがあり、もみあっている内に男子高校生が線路内に転落し、電車と接触したようです。男子高校生は重態で、先程近くの病院に搬送されました。詳しい情報が入り次第、お伝えします。』

そのニュースに目が釘付けになり、美衣子は慌ててベッドから起き上がった。

「あれ? ……この駅って、すぐ近くの……」

……理由はわからないが、何故か少しだけ背筋が寒くなった。
救急車のサイレンが聞こえていたが、もしかして、その電車に撥ねられた人はこの病院に運ばれてきたのだろうか?
その時、勢いよく病室の扉が開いて、看護婦さんが室内に飛び込んできた。
びっくりして、弾かれたようにそちらを見る美衣子。看護婦さんとばっちり目が合った。
看護婦さんは慌てたように美衣子の傍へ歩み寄り、息を切らしながら美衣子の手を握って、蒼ざめてこう言った。

「……美衣子ちゃん、この間、お見舞いに来てた子は雪山君って子?」
「え? あ、はい。そうですけど……?」
「下の名前は?」
「……? 拓正です。雪山拓正」

看護婦さんが、ごくりと唾を飲み込んだ。美衣子は首を傾げて、看護婦さんの次の言葉を待つ。

「美衣子ちゃん、ちょっと、一緒に来てちょうだい」

看護婦さんはそう言うと、足早に病室を出て行った。美衣子は言い知れぬ不安を覚えながら、慌てて看護婦さんの後を追いかけた。












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