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あたしは悪くないもん
作:猫満月



第40話 裏工作


あたしは、雪山親子が学校を出て行ったのを確認すると、すぐさま学校のPCルームに足を運んだ。
PCを起動する。……勿論、許可はとっていない。鍵を掛けておいたから、恐らく先生にはバレないと思うけど……。
あの男と連絡をしたときに使っていたアドレスには、どこからか知らないが、迷惑メールが沢山届いていた。それを削除しつつ、あの男からのメールを探す。

(やっぱり、無いかな。本当のメアドの方教えちゃったし……)

半分諦めかけたその時だ。見覚えのあるアドレスを見て、あたしの手が止まる。

「……」

開いてみる。……思ったとおりそれは、あの男からのメールだった。本文は、こうだ。

『君から連絡が来なくなって寂しいよ……。君の家、燃えちゃったよね。ねぇ、僕の家においでよ。一緒に遊ぼう。可愛がってあげるよ……』

それを読んだ瞬間、背筋が凍りついた。この文章を見たら分かる。……間違いない、あいつが火をつけたんだ。あたしは、ごくりと生唾を飲み込んだ。

「あいつ……」

それからすぐ口の端を歪めて、くくく、と細く笑い声をあげる。

「……ただのオタクかと思ってたのに、結構やるじゃない。いいわね、こういう馬鹿は、使えるわ」

返信ボタンを押し、キーボードを叩く。この男に協力してもらえば、もっと楽しいことが出来るかも知れない。

『やっぱりあなたが私の家に火をつけたんですね』

そこまで打ったところで、一度手を止めて画面を見つめる。これを書いたら流石にやばいかな、と少し思ったが、あたしは首を横に振り、すぐに頭に浮かんだ文章を打ち込んだ。

『……本当に、嬉しかったです。実は公園であなたを待っていたとき、彼氏から呼び出しのメールが来たんです。おじさまに迷惑をかけるわけにはいかないから、すぐに家に戻ったのですが、彼氏に殴られて……。辛くて、怖くて。そうしたらおじさまが助けに来てくれた。泣きそうなくらい嬉しかった。
だけど、彼氏に脅されて、おじさまにあんなメールを送ってしまいました。……ごめんなさい。でも、本当はすごく感謝しています。おじさまが家を燃やしてくれなかったら、私は今頃どうなってたか。
あの火事の騒ぎに紛れて、私は今も彼氏から逃げています。彼氏はきっと、今も私を捜しているでしょう。怖くて外を歩けません。おじさまに会いにいくこともできなくて辛いです。もしよければ、彼氏を捜し出してガツンと言ってやってくれませんか? “私はもうおじさまのものだ”って……“あなたなんて嫌いだ”って。そうすれば、おじさまとずっと一緒にいられます。彼氏の写真は添付しておきます。よろしくお願いします!』

文を打ち終わり、あたしはすぐに、前に雪山を好きだったときに隠し撮りしたものを携帯電話から送信して、添付した。顔はバッチリ映っているし、これなら分かり易いだろう。
送信ボタンをクリックする。……さて、あいつはどんな行動を起こしてくれるかな?












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