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あたしは悪くないもん
作:猫満月



第33話 犯人


許せない。許さない。
美衣子にあんな思いをさせた奴を、俺は絶対に許さない。
大体、見当はついている。あんなことをする奴は、今まで美衣子をずっと苦しませてきた……アイツしかいない。
久しぶりに見た美衣子は、少しだけ以前より痩せたような気がした。目の下にできたうっすらとした隈が、美衣子がどれだけ不安な夜を過ごしていたのかを俺に教えてくれた。
道行く人にぶつかって、それでも誰にも謝らず、俺は必死に走り続けた。アイツはきっと、あそこにいる。

信号を渡り、交差点を走り抜けて、路地を曲がり、足が悲鳴をあげているのを感じながら、走る。
曲がり角を曲がったところで、ようやく俺は一度足を止めた。

「……」

俺の目の前には、ここ暫く通うことのできなかった、中学校があった。
本当はまだ謹慎中だから、ここに来てはいけない。だけど、俺には会って話をつけなければいけない奴がいるんだ。
俺は迷う事無く校舎内に入り、階段を駆け上がった。下校時刻はとっくに過ぎている。誰の姿も見えなかった。それでも、階段を上がるペースは落とさない。
2年の教室から、微かに笑い声が聞こえてくる。俺は呼吸を整えながら、その扉に手をかけて、勢い良く扉を開いた。
その瞬間、教室の隅っこで固まって話をしている女子の集団が目に入った。
机の隣で雑誌を読んでいる女子、椅子に腰掛けて此方を見ている女子、先生が来たかと思ったらしく手に持ったお菓子を隠そうと教科書で壁を作っている女子、そして―――……机の上に乗って此方を振り向き、にやりと笑った女子。
やっぱり、いた。……葉山涙と、その友達である3人組だ。
葉山涙は机から降りると、すたすたと俺の方に向かって歩いてきた。俺の目の前で立ち止まり、怪しく微笑む。

「あれ、雪山先輩。お久しぶりですねー。どうかしたんですか? まだ謹慎期間じゃなかったですっけ」

俺は黙ったまま、葉山涙の腕を強く掴んで、鋭く睨みつけた。葉山涙は一瞬驚いたように俺の顔をみあげ、え? と声をもらして眉を顰めた。

「ちょっと来いよ」
「は? ……なんなんですか、離してくださいよ。また痴漢して捕まりたいんですかぁ?」
「うるせぇな! いいから来い!」












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