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FBIから来た女:1〜リアン・ハートネスとジンの章
作:ユーリ



ファイル93:播磨紅子最初の事件『前編』


兵庫県警−姫路署


播磨紅子(24)
「ちょっと、出かけてきます。」

ガタ・・・

「!?どちらへ・・・?播磨警視・・・?」

紅子
「中学時代の友人との、大事な約束でね・・・夕方までには、戻ります・・・」

パタン・・・

「中学時代の友人って・・・そういや警視はどこの中学出身でしたっけ?」

「東京の私立、英秀大学の中等部だろ、確か・・・」

「英秀っつーたら槙野!オマエと同じだな!」

「ぜんっぜん同じじゃないッスよ!!オレは中学高校と通して、万年のEクラス!播磨警視(あっち)は特Sクラスの生え抜きですからね!!」

「何だ!?そのDだのSだのってのは・・・?」

「ウチの学校はABCDE・・・と能力別にクラス分けされてるんです。その中でもトップクラスの『特S』は英才教育の特別学級で、文系と理系からそれぞれ10人ずつしか選ばれない超エリートコースなんスよ!何しろ特S文系は8割が東大法学部へ行き、その9割が高級官僚になるんですからね!!」

「おいおい!あの娘(子)、高級官僚のイスをけってこっちに来たってワケ?・・・ったく、存在自体がイヤミだよな!」

「人をいたぶるのが性に合ってんじゃねーの?尋問とか取り調べとか趣味でさー・・・」

「!オイ・・・!あそこ・・・」

「は?」

紅子
「存在自体がイヤミで、人をいたぶるのが性に合ってるって・・・誰の事かしら・・・?」




英秀大学中等部



紅子
「ここか・・・」

紅子は机を眺めた。

紅子
「そういう事か・・・」

紅子は、クスッと笑った。

それは10年前の春・・・

英秀大学の大学部・高等部・中等部全学年のクラス分けを決める、特別テストの結果発表の日だった・・・



「オレ滑り込みセーフ!Bクラスだ!」

「ウソ!ランク落ち〜!?ヤダ!もー死にたい・・・」

「よかった〜!ギリギリでクラス落ちは免れた!」

「ボクはまあまあってトコやね!」

「よく言うぜ!陸也は9つも上回って、トップ5入りじゃん!」

「ところで、どんなモンだい?『マープル』?5教科500点満点で、3年連続トップ!!」

「この結果についてのご感想は?」

「たいした事じゃないわよ・・・ヘイスティングス君。」

「ったく!ガリ勉してるワケでもないのにやってくれるぜ!」

「オレなんか、このテストのストレスでまた7キロも太ったってのに・・・」

「でも、そんなクールな姫川君が好きやで、ボク♪」

「陸也・・・」

「な・・・なぁに?姫川君・・・?」

「口にノリついてる。」

「///!!///」

ゴシゴシゴシ・・・

「ドアハハハハ!!」

「さっ!教室に行こう。」

「あ!も〜待ってよー!」






図書室


青沢四朗(あおさわ しろう)(15)『英秀大学中等部3年 特Sクラス 推理作家志望』
「じゃ、次の問題!最近、携帯電話を持ってるヤツが増えてきたろ?そこで・・・だ!地下5階の電波が絶対に届かない部屋で、1人の男が携帯を持って亡くなっていた・・・殺されたその男は、地下室では役に立たない携帯電話で何をしようとしたのか?」

「地下でね〜!」

「うーん・・・」

四朗
「どうだい!今度の問題は?君の推理を聞かせてくれ、マープル紅子先生!」

紅子
「アタシは後でいいよ、青沢君。まず他の2人から聞いてくれない?」

四朗
「じゃあ、陸也はどう?」

蓮台寺陸也(れんだいじ りくや)(15)『英秀大学中等部3年 特Sクラス』
「そやね・・・犯人は電話に関係ある名前やないやろか?例えば電話は英語でテレフォンやから・・・『テルキ』とか『テルミ』とか・・・どう?マープル先生この推理?」

紅子
「陸也、マイナス5点。」

陸也
「ガク・・・」

紅子
「あなたの見解はどうなの?ヘイスティングス君。」

新島保(にいじま たもつ)(15)『英秀大学中等部3年 特Sクラス』
「そうだなぁ・・・『マープル紅子』のベストパートナーを自任する、『ヘイスティングス新島』としてはだなぁ〜・・・」

シーン・・・


「マープル!君に任せたっ!!」

カク・・・

陸也
「何それ?」

四朗
「わかんねえならはっきりそう言えよ、新島!」


「何を言う!ヘイスティングスは変に出しゃばったりしないもんなんだ!ポアロやマープルの活躍を待つのが、ヘイスティングスの役目だろ?」

紅子
「調子のいいヘイスティングス君ね。まぁ、いつもの事だけど・・・」


「君の『活躍』はいずれ、このボクが何らかの形で発表するつもりだからね。さぁ、話してくれよ!君の推理を!!」

四朗
「よっしゃ!じゃ本命『マープル紅子』のご意見は?」

姫川紅子(ひめがわ あかこ)(14)『英秀大学中等部3年 特Sクラス』
「簡単な事よ。携帯電話にはリダイヤル機能がついていて、たとえかけた電話が通じなくても、メモリーに電話番号が残ってる。それを知っていた被害者は、『電波が通じてないのを承知で犯人の電話番号をダイヤルしておいた』のよ・・・こうしておけば、いずれ警察がリダイヤルボタンを押して、犯人の家に電話がつながる。こうやって被害者は少しでも犯人の手がかりを残したかったのよ!それと、犯人はきっと被害者と非常に親しい人物だわ・・・死に際のわずかな時間に、ソラでダイヤルできる相手だったんだからね・・・!」

四朗
「あ〜あ!また完敗だ!なんかオマエに昼飯おごりっぱなしだな〜!?テストもまた負けて2位だし〜・・・」


「姫川!やっぱりオマエ、警視庁に行くっきゃないよ!」

陸也
「本当!それがええで!その鋭い洞察力を生かして、難事件をバンバン解決するんや!」

紅子
「・・・その話はもう止めてよ。アタシは父親も死んだ母親も刑事だから、警察の仕事がどんなものかよく知っている・・・あんな報われないハードな仕事は、アタシ向きじゃないよ・・・」


「オマエが刑事になるんなら、オレ観察医になってもいいぜ!」

四朗
「あっ!それイイ!新島はもともと医者志望だもんね!」

陸也
「和製『マープル&ヘイスティングス』の誕生ね!」


「いーな〜それ!なぁ姫川!今度2人で何か本当の事件でも推理してみない?でもって、いずれは母さんの後を継いで刑事に・・・」

紅子
「興味ないね・・・!そんな事・・・」

キーンコーンカーンコーン・・・

四朗
「・・・おっと!もう教室行こうぜ!」

陸也
「あ!ねぇ、誰かこの本本棚に戻してほしいんやけど!一番上だから届かないの!」

四朗
「そこの木の台使えばいいだろ?」

陸也
「ボクが重度の高所恐怖症やって知ってるやろ!」

四朗
「あ!そうだったっけね〜!陸也君!ヘッヘッヘッ♪とっ・・・」

ミシミシ・・・

陸也
「なぁ・・・なんかミシミシいってるよ、これ!」

四朗
「平気平気!オレ体重軽いし〜・・・よっと!」

スポッ!



キーンコーンカーンコーン・・・

『下校時刻になりました・・・生徒は速やかに・・・』

陸也
「!?姫川君、帰らへんの?」

紅子
「ちょっと遊んでから!」


陸也
「遊びって、何の事?」

四朗
「ああ・・・あれね!」


「コンピューター室でプログラムを組むのがあの子の遊びさ!最近導入されたばかりで、先生だってロクにいじれないのにさ!」

陸也
「さすが、姫川君!文系も理系も、オールマイティってワケね!」





「よぉ、来たな!約束のモン持ってきたかよ?」

「・・・」

スッ・・・

「いいか?この事は誰にもしゃべるなよ!もし言ったが最後・・・優等生ヅラしたオマエのやった事全部バラしてやる!クックックッ・・・さ〜て、次は何をしてもらおうかなぁ?」

「・・・」





コツコツコツコツ・・・

「そっちはどうだ?」

「異常なーし!」


図書室

ガチャ!

「よし!ここも異常なし!」

「ん?コンピューター室の電気が点いてるぞ?」

「ああ!ありゃきっと・・・」



カタカタカタカタ・・・

「やっぱり、また君か!」

紅子
「!」

「いい加減帰らんと、7時30分には電子ロックが働いて出られなくなるぞ!」

紅子
「え?ああ!もうそんな時間ですか!」

「早く帰れよ!」

パタン・・・

紅子
「やれやれ、後少しでできあがるのに・・・やっぱりウチにも1台欲しいなぁ、マッキントッシュ・・・」


ス・・・

ピッ・・・





そして翌日の朝、1人の男が変わり果てた姿となって、図書室の奥で見つかった・・・

そう・・・

これが最初の1ページ・・・

これが、播磨紅子の最初の事件・・・


作「第41回生対談のゲストは、この章の主役、播磨紅子ちゃん!」
紅子「よろしくお願いします。」
作「イヤ〜、実にカワイイね、中学生時代の紅子ちゃんは!今もカワイイけど・・・」
紅子「イヤ、小説ではそこまでわからないと思いますけど・・・」
作「いいの!私は登場人物を思い浮かべて書いているんだから!」
紅子「あ、そうなんですか・・・」
作「そうだよ!なんたって、私は作者だから!」
紅子「は、はぁ・・・」
作「さてさて、次回は中編!紅子ちゃんは原作通りに・・・」
紅子「第1容疑者にされるんですね・・・」
作「そういう事だね。じゃあ、後はよろしく!」
紅子「中編も、必ず見てくださいね!」











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