ファイル87:束の間の休息『銀一と美保の場合』
ここは京都。
日本の真ん中辺りに位置している、日本人の故郷である。
今日、瀬藤銀一と白野美保の2人は、美保の家でのんびりしていた。
銀一
「ああ・・・退屈だ・・・」
美保
「そう言わないの、銀一。平和なのが一番なんだからね。」
銀一
「まぁ、そうだけどな・・・」
美保
「ところで、銀一・・・あなた、ビリヤードできる?」
銀一
「母さんに習ってるから、少しはな・・・」
美保
「そこそこやれるのね。じゃあ、私と勝負しましょ。」
銀一
「あ、いいな、やろう。」
銀一と美保は、白野邸内にあるビリヤード場に向かった。
ビリヤード場
銀一
「さあ、やろうぜ、美保!」
美保
「そうね。ただし、ただ勝負するだけじゃあおもしろくないから・・・負けた方は、勝った方の言う事を何でも聞くっていうのはどう?」
銀一
「勝った方の言う事を何でも・・・?」
そう言うと、銀一は辺りを見回した。
美保
「どうしたの?」
銀一
「いいのか?そんな約束して・・・これ一応少年マンガだよ?」
美保
「・・・銀一は私に何をさせるつもりなの?それにだいたい、銀一ったら・・・」
そう言うと、美保はキューをかざし、球を突いた。
ドカン!!
ドカカ!!
ドカカカカカカ!!
美保が突いた手玉は、一発で9つの球を見事にポケットに押し込んだ。
スポッ!
銀一
「なっ・・・!!」
美保
「0,001パーセントでも・・・私に勝てるつもりかしら?」
銀一
「(は、早い・・・っていうか美保・・・強い!!)」
銀一は、あせった。
美保
「あらぁ?さっきまであんなにやろうやろうって言ってたのに・・・負ける勝負じゃ、できないのかな?」
銀一
「なぁ、美保・・・」
美保
「ん?」
銀一
「もしもオレが負けたら、どうなっちゃうのかな〜?みたいな・・・」
美保
「そうねー・・・前に新一君が女装して学校に潜入した事件の時、あなたさんざん笑ってたけど・・・銀一も女の子みたいな顔立ちだし、一度女装した事あるし・・・あなたが負けたら、女装してもらおうかしら〜?みたいな・・・」
銀一
「えええ〜っ!!?」
美保
「・・・にしようと思ったんだけど、やっぱり止めた!」
銀一
「ズルッ・・・」
美保
「あなた最近、女の子達とずいぶん仲がいいわよねぇ?」
銀一
「え?そ、そうかな・・・」
美保
「そうよ!深雪、美香、弓雁、弥生、伊澄、泉、波香、祐美・・・そして極めつけはエル!!あなたいったい、どれだけの女の子たぶらかしたら気が済むのかしら?」
銀一
「た、たぶらかしたって、そんな・・・」
美保
「言い訳無用!!ってなワケで・・・もし私が勝ったら、誰が本命なのか告白してもらいます!」
銀一
「えええ〜っ!!!」
美保
「それとも、魚たっぷり料理の方がいい?」
銀一
「こ、告白の方でいい・・・」
美保
「イヤなら、がんばって私に勝つ事ね。」
銀一
「(い、いかん・・・この勝負、負けられん!!)」
・・・が!!
ゴオオオオ!!
ガコン!!
ゴガン!!
圧倒的実力差に・・・
瀬藤銀一、なすすべなし!!
銀一
「(イカン!!ここで決めなければ・・・)」
美保
「イヤ〜ン♪」
銀一
「!!」
ズッ!!
美保の甘い声に銀一はずっこけ、的を外した。
美保
「外れ〜♪」
銀一
「・・・」
美保
「じゃあ、これを決めてあなたが負けたら・・・本当に好きな人を言わなきゃいけなくなるわね〜・・・」
銀一
「大丈夫・・・オレは最初から1人しか心に決めた人がいないから・・・」
美保
「えっ・・・」
銀一
「オレが好きなのは・・・出会った時からオマエ1人だけだ!!」
美保
「・・・」
ガガン!!
銀一
「あ、外したね?」
美保
「う〜ん・・・もっと単純かと思ってたけど・・・これは意外と難しいわね〜・・・」
銀一
「まだ勝機があるって事だな!」
そして・・・
ガコン!!
銀一
「か、勝っちゃった・・・勝っちゃったよ!!」
美保
「そ、そうね・・・」
銀一
「じゃあ本当にオレの言う事をなんでも1つお願いしてもいいんだな?」
美保
「ええ・・・しかたないわ・・・」
銀一
「じゃあ・・・キスしてくれ!!オレに・・・」
美保
「ハァ・・・やっぱり最初から怪しいと思ってたわ・・・怪盗キッド!!」
キッド
「ゲッ!!なんでバレたんだ・・・?」
美保
「あなた、私が『魚たっぷり料理の方がいい?』って言った時、青ざめたでしょ?それであなただとわかったのよ・・・銀一は魚料理は大好きだからね・・・それに、深雪達に確認したら、みんな魚の事を話題に出したら銀一が慌てて逃げていったって言ってたから、ちょっとハメてみたのよ・・・そうしたら、見事ビンゴだったわ・・・」
キッド
「チッ・・・うまくいくと思ったのに・・・でも幸い、銀一君はまだ帰ってこないようだし・・・無理やりにでもキスしてもらおうかな?」
そう言うと、キッドはケムり玉を放った。
ボゥン!
美保
「うっ!!催涙ガスか・・・」
美保はヒザをついた。
キッドは美保に近寄り、美保の顔を持ち上げた。
キッド
「さあ、キスしてもらうよ?」
美保
「うぅ・・・」
その時・・・
銀一
「美保!!」
銀一がビリヤード場に駆けつけてきた。
キッド
「チッ・・・また来るね、美保ちゃん!」
そう言うと、キッドは閃光弾を放ち、消え去った。
銀一
「逃げたか・・・」
美保
「・・・」
銀一
「美保、大丈夫か?」
美保
「ごめんなさい、銀一・・・」
銀一
「大丈夫だよ、オマエが無事だったんだから・・・それに・・・」
そう言うと、銀一は美保にキスをした。
チュッ・・・
美保
「あ・・・」
銀一
「本当にオレがやってても、必ず同じ事をしただろうからね・・・」
美保
「ありがと、銀一・・・」
美保は銀一に抱きつき、キスをした。
銀一と美保の仲は、また一歩進展したのでした。 |