ファイル84:怪しげな転校生、風月『前編』
転校生が小林澄子のクラスにやたらと多い事の謎。
その答えは、阿笠に頼まれた校長が裏で工作しているからだった。
そして、また1人転校生が入ってくるワケなのだが・・・
1年B組
澄子
「今日は皆さんに転校生の紹介があります。」
その瞬間、クラスがざわめいた。
それはそうであろう。
転校生が毎回1年B組に編入されていれば、いくら小学1年生でも、不審がるのは当然である。
澄子
「それでは、入ってきて!」
澄子は気にしないで転校生を呼ぶ。
すると、1人の女の子が教室に入ってきた。
「カ、カワイ〜ッ!!」
男子はみんな、歓声を上げた。
コナンでさえ、思わず見惚れてしまいそうなぐらいにカワイイ美少女。
その少女は、緑色でショートの髪型に黄色の瞳、赤色の服に青色のジーンズ姿であった。
その姿はまるで、春夏秋冬を思わせるものであった(春が緑、夏が黄、秋が赤、冬が青を示す)。
澄子
「じゃあ、黒板に名前を書いて、自己紹介して!」
「はい。」
少女はそう言うと、黒板に名前をフリガナつきでサラサラと書いた。
『如月風月 きさらぎ ふづき』
如月風月
「本日転校してきました、如月風月です。できるだけ早く皆さんと仲良しになれたらいいなと思っています。よろしく。」
「よろしく〜!!」
男子は、また歓声を上げる。
コナン、光彦、元太、たくまは目をそらした。
澄子
「じゃあ、如月さんの席はっと・・・」
風月
「あそこにします。」
そう言うと、風月はスタスタと歩いていき、スッと座った。
その席は、コナン達の近くであった。
説明しよう。
コナン達少年探偵団は9名であるため、1ヶ所に固まっていたのだ。
つまり・・・
ユリ コナン 哀
光彦 元太 歩美
刃 マリア たくま
こんな感じである。
そして、風月はコナンの前の席に座ったのだった。
その放課後・・・
歩美
「如月さーん!!」
さっきまでの警戒はどこへやら、歩美が風月に話しかけた。
風月
「あなたは確か・・・吉田歩美ちゃん?」
歩美
「そうだよ!」
風月
「その後ろにいるのが、小嶋元太君、円谷光彦君、東尾マリアちゃん、坂本たくま君、それと・・・」
風月は、一瞬クスリと笑って、再び口を開いた。
風月
「・・・金田一ユリちゃん、剣野刃ちゃん、灰原哀ちゃん、江戸川コナン君だったかな?」
元太
「ぜ、全員の名前が当たってる・・・」
見事に9人全員の名前を言い当てた風月。
マリア
「アンタ、初対面やのになんでウチら全員の名前知ってるんや?」
すかさず、マリアが質問をぶつけた。
風月
「ああ、それね・・・私には不思議な力があってね、一度人を見れば、その人の名前から性格にいたるまで、すべての事がわかってしまうのよ・・・それと、歩美ちゃん、元太君、光彦君の3人は、私を少年探偵団に入れようと思っている・・・ちがう?」
風月は、クスッと笑った。
光彦
「そ、そうですけど・・・」
これもビンゴのようだ。
風月
「いいわ、私も入ってあげる。それに・・・」
歩美
「それに?」
風月
「イヤ、何でもないわ。」
そう言うと、風月はクスリと笑う。
風月
「(『少年探偵団に入れば、工藤新一君と宮野志保ちゃんに接触しやすくなる』なんて言ったら、アタシが黒の組織のスパイだってバレちゃう・・・もしそうなったら、この子達は尋問してでもアタシから情報を聞き出そうとするわ・・・ここではその事は禁句よね・・・)」
風月の怪しい態度に、刃とユリは少なからず警戒心を持っていた。
当の本人、コナンと哀はまったく気づいていないのだが・・・
そして、コナン達は下校した。
途中で歩美達5人と別れ、残るはコナン達5人だけとなった。
しばらく歩いていると、風月が『私はこっちだから、また明日ね』と言って、走っていく。
それを見た刃とユリは、さっそく行動を起こす事にした。
刃
「コナン君、哀ちゃん。」
ユリ
「私達、用事を思い出したから、先に帰ってて。」
コナン
「ああ、わかった。」
哀
「じゃあね。」
コナンと哀は、手をつないで走っていった。
2人の姿が見えなくなると、刃とユリは辺りを見回す。
すると、ガサッという音が聞こえ、2人はあわてて隠れた。
すると、走っていったはずの風月が、音がした場所から出てきたのだ。
風月が走り出すと、刃とユリの2人は彼女を見失わないように、かつ見つからないように追いかけていった。
その2人の後ろから、1台の怪しい車が姿を現した。
その車も、ゆっくりと2人を追いかけ始めた。
尾行を続けた結果、米花公園まで風月を追いかけてきた刃とユリ。
一方、刃とユリを尾行してきた車は、反対方向の入り口から少し離れた場所に止まっていた。
風月
「フゥ・・・まさかここまで追いかけてくるなんて・・・あなた達、何者?」
刃
「アタシ達より、あなたの正体を言う方が先なんじゃない?」
ユリ
「そうでしょ、マルサーラ!!」
風月
「フゥ・・・まさか本当にバレちゃうなんて・・・あなた達、アニゼットとベルモットね・・・」
刃
「そうよ!」
ユリ
「あなたは何の目的で学校に来たの?」
風月
「あら、それ?アタシを倒せたら、教えてあげてもいいわよ?」
刃
「望むところじゃない・・・」
ユリ
「いざ、勝負!!」
刃
「制御装置、解除!!落ちよ、雷!!」
刃の技が風月を襲う。
しかし、彼女は余裕の表情だ。
風月
「シールド:RING、エアリアルウォール!!」
風月が左手の指輪をかざすと、巨大なドームが彼女を守った。
ドオォォォ!!
刃
「な、何よあれ!?」
ユリ
「あれは、『:RING』というアクセサリーよ。私もいくつか持ってる。」
風月
「今度はこっちからいくわよ。ネイチャー:RING、エレクトリック・ソード!!ハアァァァ!!」
雷を帯びた剣を持ち、風月は刃とユリに飛びかかってきた。
刃
「わっ、わっ、わっ!マ、マ・リシルド!!」
刃が鉄の盾を出した。
しかし・・・
風月
「タアァァァ!!」
バキャアアア!!
風月は、いとも簡単に刃の盾を破壊した。
刃
「そ、そんな!!」
風月が容赦なく刃に襲いかかる。
刃は後ずさった。
ババッ!
ユリ
「シールド:RING、バリアグラス!!」
ユリが鏡の盾を出した。
風月の攻撃をなんとか受け止めたユリだったが、バリアグラスにヒビが入った。
刃
「ユリちゃん、ありがとう・・・」
ユリ
「バリアグラスにヒビを入れるなんて・・・この子、強いわ!!」
風月
「それで終わり?そろそろ、決めさせてもらうわよ?」
刃
「くっ・・・」
ユリ
「刃ちゃん、下がって!!ハアァァァッ・・・ガーディアン:RING、ジャック・オー・ランターン!!」
ユリが、カボチャ型の戦士を出した。
風月
「へー、けっこうスゴいの持ってんじゃん。でもね。ハアァァァッ・・・ガーディアン:RING、キャプテン・ネモ!!」
風月が出した戦士は、海賊の船長のようなヤツだった。
風月
「やれ、キャプテン・ネモ!!」
キャプテン・ネモは巨大な剣で、ジャック・オー・ランターンを叩き斬った。
その瞬間、ユリの右手薬指にはめていた指輪は音をたてて割れた。
ユリ
「そ、そんな・・・」
ドサッ!
ユリは倒れ込んだ。
刃
「ユリちゃん!!」
風月
「あなたも眠りなさい!!」
ドカッ!
風月に殴られ、刃も倒れ込んだ。
風月
「フン、アタシの勝ちね・・・」
風月はそう言うと、2人をその場に残して公園を出た。
風月
「大した事なかったわね。」
風月はそう言いながら歩いていた。
しかし次の瞬間、2人の悲鳴が聞こえた。
刃・ユリ
「キャアアアアッ!!誰か〜っ!!!」
風月
「!?」
風月はあわてて米花公園に引き返す。
公園に戻ってきた風月が見たのは、2人の男に抱えられ、車の中に連れ込まれる刃とユリの姿だった。
刃
「ヤダ〜!!」
ユリ
「助けてぇ〜!!」
「静かにしろ!!」
口を塞がれ、刃とユリは車の中に引きずり込まれた。
ドアがバタンと閉まると、車は猛スピードで発進していった。
風月
「ウソ!!2人とも誘拐されちゃったよ!!どうしよう!ん?」
風月は、地面に落ちているバッジを拾い上げた。
風月
「何かしら?このバッジ・・・」 |