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FBIから来た女:1〜リアン・ハートネスとジンの章
作:ユーリ



ファイル77:黒の組織、現る!!『後編』


歩美
「飼育小屋のモルモットに子供が生まれたの知ってる?」

元太
「ああ、もう1ヶ月は経つんじゃない?」

光彦
「でもそれが変なんですよね。」


「変って?」

光彦
「最初ですね、子供が2匹生まれたんですけど、次の日子供が1匹増えて、3匹になっていたんです。でも、父親が消えてたんですよ!!」

コナン
「きっと父親が死んだから、先生が内緒で処分したんだよ。」


「そうね。そして、もう1匹は次の日に生まれたんでしょう。」

元太
「最後に生まれたモルモットは、消えた父親と同じように真っ白で、片耳が半分ないんだ。」

コナン
「父親に似ただけだろう。」

たくま
「違うったら。父親の耳は、野良猫がかじってなくなったんだ。」


「それは確かに変ね・・・」

マリア
「みんな父親が小さくなったって言ってるわ。」


「ハハハッ、そんなバカな。」

ユリ
「そのモルモットは成長しているの?」

光彦
「他の子供達と同じように、順調に大きくなってますよ。」


「じゃ、やっぱり父親が小さくなったんじゃないわ!」

コナン・刃・ユリ
「そうね。」

元太
「なんで4人ともそう断言できるんだよ。」

コナン
「だ、だって変でしょ。大人が子供になるなんて。」

たくま
「それはそうだけど、夢がねぇな。」





下駄箱を開けたコナンの目に、手紙が写り込んだ。

コナン
「えっ?」

哀・刃・ユリ
「手紙?」

コナン
「えっ!!」

哀・刃・ユリ
「どうしたの!?」

コナン
「これ・・・」

『工藤新一・・・やっと見つけたよ。もう逃げられないよ。万一逃げたら、この小学校の生徒を皆殺しにするからね。』


「く、黒の組織がこの学校をかぎつけたの!?」

コナン
「飛行船で会ったコニックが組織に連絡したのかな?」


「いや、ヤツにそんな暇はなかったはずだわ。」

ユリ
「じゃ、一体どうして・・・!?」

コナン
「わからない・・・いずれにしても、もうおしまいだ。」


「まだ諦めるのは早い。私は、この封筒を一体誰が入れたか監視ビデオで調べるわ。1時間目が終わったら、PC室で対策を・・・」

哀がそう言った時、コナンがふらついた。

哀・刃・ユリ
「コ、コナン君!」

コナン
「だ、大丈夫。」

その時、哀は妙な足跡に気づいた。


「!(何、この足跡?)」





PC室

コナン
「どうだった?」


「それが、下駄箱の陰に隠れてて誰も映っていないのよ。」

コナン
「変だなぁ、下駄箱の高さは150センチほど。ジンやウォッカなら、下駄箱から顔が出てビデオに映るはずだよ。」


「実は、新一君の下駄箱の前のスノコに、泥のついた靴先だけの足跡が残っていたの。」

コナン
「靴の先だけ?」


「あなたの下駄箱は一番上にあるでしょ、手紙を入れるのに犯人が背伸びをして入れたんじゃない?」

コナン
「えっ、それってどういう事!?」


「あなたの下駄箱の周りの子は背伸びしなくても楽に手が届く子ばかりだわ。考えられるのは、黒の組織の人間がAPTX4869をを飲んで幼児化し、この帝丹小学校に潜り込んでいるという事よ。」

コナン
「ま、まさか!?」


「元太君達が、父親のモルモットが小さくなった話をしたの、覚えてる?」

コナン
「うん。」

ユリ
「あの手紙のノリ付けされていた部分を、理科室の顕微鏡で調べたけど、動物の皮膚がはがれ落ちたものが付着していた。モルモットのものと比べたら、一致したよ。おそらく犯人がモルモットにAPTX4869を飲ませた時にモルモットの皮膚の一部がはがれ落ちて、犯人の手に付着した。そしてあの封書を書いた時、手についていたモルモットの皮膚の一部が、くっつきやすい封書のノリしろ部分に付着したんだわ。」

コナン
「そ、そんな・・・!!」


「新一君、あなたの小学校から中学校までの同級生の中で、黒の組織に才能を買われるほどの子とか、いた?」

コナン
「ボクの同級生で・・・?も、もしかして、亜戸川(あどかわ)愛理(あいり)ちゃん!?」

哀・刃・ユリ
「亜戸川愛理?」

コナン
「通称『愛理ちゃん』・・・彼女の頭なら、APTX4869ぐらいの薬は簡単に作れる。」


「一体どんな子なの?」

コナン
「幼い時に両親に捨てられたんだけど、他に身寄りがいなくって、中2の後期に行方不明になるまでボクの家に同居してた子だよ・・・」


「きっとその時どこかで黒の組織の誰かと会って、引き取られたのね。」


「じゃアタシ達と同じ、7歳くらいの彼女の顔は知らないの?」

コナン
「自信はないけど、少しは覚えてるよ。年はボクと同い年。気が弱くてね、意地悪な同級生の連中にいつもいじめられてたよ。何度かボクが助けた事があったけど、それからボクにつきまとうようになり、一緒に実験をしたりもしたよ。ボクは途中でやめたけどね・・・」


「小さい時に両親に捨てられたから、その代わりだったのね。」

コナン
「きっとそうだね。でも中2の最初あたりから不登校気味になって、家に帰って来ると愛理ちゃんは自分の研究に没頭してたよ。」

ユリ
「一体、どんな実験なの?」

コナン
「人の記憶を操る薬だよ。」

哀・刃・ユリ
「え!?」

コナン
「彼女はその薬を使って、世界の要人の記憶を自由に操るつもりだったの。例えば、アメリカ大統領の記憶を操って、自分は彼女の忠実なしもべだと思わせたら、世界は彼女のものになるでしょう。」

ユリ
「そんな薬が本当にできるの・・・!?」

コナン
「彼女ならね。」


「恐ろしい子ね。だけど一体、どうやって新一君の居場所を知ったのかしら・・・」

刃がマウスをクリックすると、あるページがパソコンに出た。


「あ!学校紹介のこのHPを見たんだわ。」

コナン
「いつの間に・・・」


「彼女は、新一君が途中でやめた実験を最後まで進めていた。そしてその結果がどうなるか調べ、組織で私が作ったAPTX4869を自分で完成させ、APTX4869が、生物を幼児化させる事を知った。そして、名簿か何かにあった新一君の幼い時の写真を元に全国の小学校のHPを調べたんだわ。」

コナン
「・・・」


「だけど幸い、彼女はアタシ達の存在には気がついていないみたいだわ。」


「新一君、これから私とリアンちゃん、ユリがずっとそばにいる。私達から離れちゃダメよ。」

コナン
「う、うん・・・」





だが、それから1週間は何事も起こらなかった。

私は1年生から6年生まで調べたが、愛理を見つける事はできなかった。

私達は緊張しっぱなしで正直、疲れがたまっていた。

だが、この学校に黒の組織の人物がいる事は間違いない。

一瞬も気を抜く事はできないんだ。

ずっと緊張が続いていたせいか、新一君はその日、保健室で休んでいた。

そして・・・事件が起きた・・・。





ガチャッ・・・

哀・刃・ユリ
「コナン君!!!せ、先生!!コナン君は!?」

「コナン君なら、ゴミ捨て当番の元太君とたくま君の代わりにゴミ捨てに行ったわ。元太君とたくま君、サッカーやってサボるに決まってるって・・・」


「え!?」

ダッ!






「私とした事が!!コナン君!!!」


「まさかこの焼却炉の中に・・・!?」

ギイ・・・


「ほっ。」


「いないね。」

ユリ
「新一君はまだ校内にいる。監視カメラもあるし、こんな真っ昼間に学校から少年を拉致して連れ出すのは、リスクが高すぎる。新一君を連れ出すなら夜だわ!」


「だけど、犯人は一体どこに新一君を隠したの!?」


「ん?この砂場の砂、サラサラだわ・・・」


「そうか!わかったわ!!」





ゴオオオ・・・

ギイッ。

大きなトラックが現れ、中から人影が現れた。

ザッザッ・・・


「残念ながら、新一君はそこにいないわよ。」

「うっ。」

哀とコナンが、そこに立っていた。

コナン
「亜戸川・・・愛理ちゃんだね・・・」

亜戸川(あどかわ)愛理(あいり)
「ど、どうしてわかったの!?」


「今朝雨が降ったのに、砂場の砂は乾いていた。恐らく屋根のある所に保管してた砂を何者かが持ってきて、砂場にまいたんでしょ。」

愛理
「!!」


「この砂場は最近改修したけど、あなたはその時、回収業者になりすまして、砂場の地中深くに新一君を閉じ込める大きな鉄の箱を埋めた。そして今朝その箱のフタを取り、その上に落とし穴を作って新一君を呼び出した。新一君が落ちると偽給食車を上につけ、荷台のコンテナに空けた穴から落とし穴に鉄のフタをして、上に大量の砂をかぶせた。砂の重量で、新一君は脱出しようとしても、叫んでもムダだった。だけど落とし穴に空気ボンベを何本も入れていたところ、新一君を殺すのが目的ではないようね・・・」

愛理
「あ、あなたは一体誰なの!!」


「私?私は宮野志保、シェリーよ!!!」

愛理
「シェリーですって!!?」


「ジンやウォッカの姿が見えないのはなぜなの!!」

愛理
「当たり前よ!私は組織を脱走してきたんだから!!!」

コナン
「えっ、なぜ・・・!?」

愛理
「新一君に会うためじゃない!!」

コナン
「ボクに!?」

愛理
「そうよ!私達はずっと兄妹のようだったのに、どうして1人でどこかに消えたのよ!!」

コナン
「兄妹!!?確かにボクは、同級生にいじめられている君を何回か助けた事はあるけど、ただそれだけだよ・・・」

愛理
「ウ、ウソよ!!私は新一の事をずっと実の兄さんのように思って・・・」


「あなたは独学で、人の記憶を操る薬を開発していたらしいわね。」

愛理
「それはもう完成したわ。それに、組織の実験室からAPTX4869を盗み出し、その解毒剤も作ったわ。」


「えっ、本当!?」

愛理
「完成じゃないけどね。学校で買っている幼児化した父親のモルモットが、自分の生んだ子供達と同じスピードで大きくなっている。」

コナン
「じゃ、あれはやっぱり愛理ちゃんが・・・」

愛理
「私の体も普通の子みたいに、順調に成長しているの。新一君も私の薬を飲んで、一緒にゆっくり大人になろ!私の子供時代は不幸すぎた。これから幸せな子供時代を取り戻すのよ。」

コナン
「・・・」

愛理
「私は今、私の薬を使って子供を事故で亡くした夫婦に私が本当の子供だと記憶を植えつけ、その家で暮らしている。新一もそこで暮らそう。」

コナン
「確かに、ボクの子供時代も幸せとは言えなかった。でも、それはできない・・・」

愛理
「えっ!?」

コナン
「ボクは、逃げないで黒の組織と戦うって決めたの!!!」

愛理
「そ、組織と戦う!!?バカな事を言わないで、殺されちゃうよ!だいいち、拒んだってムダよ!!私の薬で、新一は私のお兄さんだという記憶を植えつけてやる!そうすれば、2人は一生仲良しよ!!」

スッ・・・

コナン
「そ、それは!?」


「ふざけるな!!」

愛理
「おっと、動かないでよ。あなたの記憶もすべて消える事になるわよ。」


「うっ・・・」

愛理
「ウフフフ・・・」

コナン
「あ、愛理ちゃん・・・」


「(なんとかスキを見て、あの小瓶を取り上げないと、大変な事になる・・・私も、新一君も・・・)」


「ハアッ!!」

バシュ!

その時、何かが愛理の手を弾いた。

ピン!

愛理
「キャッ!?」


「当たったみたいね!」


「刃ちゃん・・・!!」

ガシャン!!

ゴホゴホゴホ・・・


「新一君、吸い込んじゃダメ!!」

コナン
「う、うん。」

ドサッ。


「大丈夫、志保ちゃん。」


「うん、おかげで助かったわ。」

ユリ
「あれ、この子1−Aの、愛川円香じゃない?」

コナン
「知ってるの?」


「2週間前に転校してきた子よ。でも来週には父親の仕事の関係で遠くに引っ越すって言ってたのよ。でもまさかこの子が新一君の同級生で、新一君を誘拐しようとしたなんてね・・・」


「亜戸川愛理・・・この子も悪いヤツにずっと誘拐されていた、かわいそうな子だったのかもね・・・」

彼女は自分の薬によって、それまでの記憶をすべて失ってしまった。

そして自分自身が記憶を植えつけた夫婦のもとで、その子供として生きる事となった。



コナン
「愛理ちゃんは、子供の頃に親から捨てられて寂しい思いをしているから、普通の子みたいに幸福な子供時代を取り戻せるといいね。」


「ええ、彼女を迎えに来たのは、とっても優しそうな夫婦だったからね。」

コナン
「ただ残念だったのは、愛理ちゃんと一緒だったらAPTX4869の解毒剤を考え出せたかもしれないって事だよね。」


「それは、アタシ達自身が考え出せばいいんだよ。」


「それまで私と仲間達で、あなたを守ってあげるからね。」

コナン
「(愛理ちゃん、今度こそボクみたいにいい仲間も見つけてねっ・・・!!!)」


作「対談も25回目!今回は吉田歩美ちゃん!」
歩「どうもでーす!」
作「今回はコナン君、大ピンチだったね!」
歩「そうですね。でも、助かりましたし!」
作「君から見た、今回の敵に関する感想は?」
歩「コニックは変わったヤツでしたけど、愛理ちゃんはカワイイ子でした。でも、悪いヤツだったんですよね・・・」
作「まあ、黒の組織にいいヤツはあまりいないから・・・」
歩「哀ちゃん、刃ちゃん、ユリちゃんはちがいますよね?」
作「ああ、あの子達は私も認めてるよ。」
歩「ところで、作者さん。」
作「なんだい?」
歩「黒の組織の大ボスって・・・女ですか?」
作「ギクッ!!」
歩「しかも、哀ちゃんの知り合いだったりして・・・」
作「ギクギクッ!!」
歩「まあ、私の思い過ごしかも知れませんけどね。」
作「ハ、ハ、ハ・・・じゃあ、後はよろしく・・・」
歩「悪いヤツには、負けませんよ!!」











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