ファイル69:呪われたクルージングツアー『13・名探偵園子嬢』
コナンと松葉は、海上を高速で飛んでいた。
コナン
「松葉ちゃん、もっとスピード上げて!!」
松葉
「わ、わかったわ!!」
松葉は、さらにスピードを上げた。
ドギャン!!
コナン
「(オレの推理が確かなら、真犯人は・・・)」
美保
「ん・・・」
グッ・・・!!
美保
「んっ、んんっ・・・(手足が動かない・・・そ、それにしゃべれない・・・)!!」
カチ、カチ、カチ、カチ・・・
『270:30(4時間30分30秒)』
美保
「(ば、爆弾!?ヤ、ヤダ・・・こんな所で死ぬのヤダよ・・・誰か・・・誰か助けて!!)」
「・・・お父さん・・・アタシも、お父さんの元へ行きます・・・」
「待ちなさいよ・・・」
「!!」
コツコツ・・・
園子
「やっぱりあなたが真犯人だったのね・・・高木公祐美さん!!」
公祐美
「・・・!!」
コナン
「園子!?」
ちなみに、なぜコナンに園子の声が聞こえるのかというと、ミステリークルーズの時に園子が探偵バッジをコナンから借りていたのだ。
コナンは予備の探偵バッジで、園子の声を聞いているというワケである。
園子
「確かに、大篠津繁会長を殺害する計画は、あのスペード・ブラザーズがたてたものだった。あなたに依頼されてね・・・でも、彼らはトドメを指していなかったのよ・・・そうじゃなきゃ、大篠津さんがあんなダイイング・メッセージを残せるワケがない・・・」
公祐美
「・・・」
園子
「そう、トドメを指したのはあなた・・・あなたがあらかじめ手紙で呼び出しておいた大篠津さんの首をスペード・ブラザーズが絞めて逃走した後にあなたは来て、大篠津さんをナイフで刺し、トドメを指して逃げたのよ・・・でもその時、大篠津さんにはまだ息があった・・・何とかして犯人の手掛かりを残したかった彼は、手紙の事を思い出した。さらに、トランプのカードケースが服の中にある事を思い出した彼は、それをダイイング・メッセージに使ったのよ・・・あの2枚のスペードのカードは、スペード・ブラザーズの事なんかじゃない・・・上向きになった2つの矢印は、隠し金庫を示していたのよ・・・前の事件で殺された高松祐吉船長が所有していた、あの隠し金庫をね・・・」
コナン
「(何!?)」
園子
「そして、あなたの名前・・・高木公祐美は、本名を隠すためのただの偽名・・・そう・・・あなたの本当の名前は・・・」
『高木公祐美』
↓
『高松祐美』
園子
「高松祐吉船長の1人娘、高松祐美よ!!!」
高松祐美
「うっ!!!」
コナン・松葉
「なっ!?」
園子
「そう・・・元の名前をアナグラムで入れ替えたりすると、別人の名前に変えられるように・・・元の名前の漢字を分解すれば、偽名なんて簡単に作れてしまうのよ・・・おそらくあなたは、高松船長の事件を知った後、何もしなかった弓浜社長と、大篠津会長に復讐しようと考えた・・・そこであなたは計画を練っていくうちに、自分の名前で偽名が作れる事に気づいたのよね?」
祐美
「ええ・・・あの時は驚いたわ・・・『高松祐美』の『松』の『木』と『公』を分解しただけで、偽名が作れるって事実にね・・・」
園子
「弓浜さん達は、高松さんに娘がいた事は?」
祐美
「知っていたけど、最初に会ったのはアタシが4歳の時・・・声も少しは変わってるし、髪型変えて偽名にすれば、誰も気づかなかったわ・・・」
園子
「でも、あなたは高松さんがただ『殺された』事しか知らないんじゃないの?あの事件の犯人は・・・」
祐美
「黙りなさい!!あなたに何がわかるのよ!?男手1つでアタシを育ててくれた父を失った気持ちが、あなたにわかる!?わかるワケないわ!それにあのバンとロゼは、アタシの事を父がいないってだけでバカにしたのよ!!愛する父を侮辱する者は、誰であっても許さないわ!!」
園子
「許せないのは、あなたの方よ・・・1人の命を奪っただけじゃなく、何の罪もない美保ちゃんの命を狙って!!しかも、実の父が担当した船を沈めようとしてまで・・・」
祐美
「さっきの真犯人の話は知ってるわ。その犯人の長岡トシカズも、アタシが殺した・・・あの女の子なら、Dデッキ第3倉庫の中で眠ってるわよ、爆弾と一緒にね・・・アタシは元々、このマリエル号と共に果てるつもりだったのよ。でも、ここまでわかってしまったのならしかたないわね・・・いさぎよく自首するわ・・・」
ビュッ!
ビシッ!!
園子
「私は暴力は好まない主義だけど・・・」
祐美
「それって、おかしくない?」
コナン
「(園子!!)」
ブンッ!
バッ!
バキッ!!
ヨロ・・・
祐美
「どう?これでも主義は変えられないかしら?」
園子
「ムダな争いも、私の主義じゃないのよ・・・どうせ私達3人とも死んじゃうんでしょ?」
祐美
「あなたがアタシの邪魔をしたからよ!!」
鈴木園子と高松祐美の、女の戦いが始まった。
ブンッ!
ドカッ!
園子
「!!」
女とはいえ、異常に強い祐美。
園子も、少しは蘭や真に空手を教わったが、実力の差がありすぎる。
ドスッ!
園子
「うっ!!」
ガッ!
ダッ!
バキッ!
ドカッ!
ヨロ・・・
松葉
「そろそろ着くわ!コナン君!」
コナン
「うん!松葉ちゃんはここで待ってて!」
コナンは阿笠の発明したワイヤーグリップを地面めがけ突き刺すと、船の中に飛び込んだ。
園子は、ボロボロになっていく。
祐美
「はあっ!!」
ドカッ!
ドッ!
園子
「ぐっ!!」
ドサッ・・・
園子
「ハァ・・・ハァ・・・」
祐美
「そろそろ終わりにしましょうか・・・鈴木園子ちゃん・・・お嬢様のそんな姿・・・あまり見たくないもの・・・」
園子
「余計なお世話よ・・・」
祐美
「フンッ!」
バキッ!!
園子
「うぐっ!!」
ダダダダダ・・・
園子
「グッ・・・」
ダッ!
園子
「!!」
祐美
「はあっ!!」
バッ!
コナン
「園子!!」
園子・祐美
「!!」
バシッ!
グイッ!
園子
「せやあぁぁぁぁぁっ!!!」
ブンッ!!
ドッ!!
祐美
「グッ!!」
園子
「ハァ・・・ハァ・・・」
祐美
「ついてないわね・・・最初からあなたに目をつけられてたなんて・・・よっぽどアタシが、どこかの憎いヤツに似てたのかしら・・・」
園子
「その逆よ・・・あなたが私のお姉ちゃんに似ていたから・・・あなたが犯人じゃなきゃいいと思って、無実を晴らそうと調査したからこうなっちゃったのよ・・・」
祐美
「ヘェ〜!!」
コナン
「園子姉ちゃーん!!大丈夫〜?」
園子
「コナン君!!大丈夫よ〜!」
コナン
「(名推理だったぜ、園子・・・)」
園子
「コナン君!まだ美保ちゃんがDデッキ第3倉庫に!!」
コナン
「ええ!?」
ダダダダダ・・・
バン!
コナン
「美保ちゃん!」
美保
「ん、んんんむぅ!!(コ、コナン君!!)」
コナン
「大丈夫?」
コナンは美保に駆け寄ると、縄をほどいた。
美保
「うん、私は大丈夫・・・でも、あの爆弾がまだ・・・」
カチ、カチ、カチ、カチ・・・
『150:30(2時間30分30秒)』
コナン
「爆弾か・・・オレ達で解体するしかないな・・・園子姉ちゃん、ハサミか何か持ってる?」
園子
「ソーイングセットのハサミなら、あるけど・・・」
コナン
「それで爆弾を解体する!!」
そして、2時間後・・・
パチン!
コナン
「フゥ・・・すべてのコードを切り終わったな・・・よし、これでもうコイツは・・・」
美保
「ま、まだ止まってないよ・・・」
コナン
「な、何!?それに、何やら液晶画面に文字が・・・」
『爆弾の解除コードです。あなたの一番好きなものを入力してください』
コナン・美保
「あなたの一番好きなものを入力してください?」
園子
「簡単だわ!スペード・ブラザーズが仕掛けたんだから、『ハードボイルド』よ!」
園子はコードを入力した。
しかし・・・
『解除コードがちがいます。もう一度まちがえると、爆弾は二度と解除されません』
園子
「そ、そんな!これじゃないの!?」
『01:00』
美保
「あ、あと1分しかないよ!」
コナン
「そうか!仕掛けたのはスペード・ブラザーズだけど、最後の仕掛けをしたのは高松祐美さんだ!!だから、おそらく・・・」
カチ、カチ、カチ、カチ・・・
『高松祐吉』
コナン
「これで・・・終わりだ!!」
ピッ!
『爆弾は解除されました』
美保・園子
「やったぁ〜!!」
コナン
「フゥ・・・寿命縮んだよ・・・」
コナン
「松葉ちゃーん!」
松葉
「!」
美保
「もう大丈夫だよー!」
園子
「みんなを呼び戻してもー!!」
松葉
「うん、わかったわ!!」
松葉はそう言うと、小五郎達の元に向かった。
こうして、オレ達の旅は無事終わったのだった・・・ |