ファイル61:呪われたクルージングツアー『5・リアンVS平次!?後編』
リアン
「アタシを行かせたくないのなら・・・このアタシを倒しなさい!!」
平次
「リアン・・・」
その会話を、ユリはハラハラしながら聞いていた。
ユリ
「(ど、どうしよう!?服部君とリアンがケンカなんて・・・新一君達に知らせた方がいいよね?で、でも、音をたてたら私が会話を聞いてたってバレちゃうし・・・)」
その時、ユリの肩に手が置かれた。
ポン!
ユリ
「ヒ、ヒャ・・・」
「シィーッ!!」
悲鳴を上げそうになったユリは、後ろから口を塞がれた。
ユリ
「むぐむぐ・・・(あ、あなた松葉ちゃん・・・!!)」
なんと、桜野松葉がそこにいたのだ。
ユリ
「ど、どうして・・・」
ユリは小声で尋ねた。
松葉
「アタシ、この船でシェフを任されてたのよ。それで、夜中に包丁を研いでいたら、妙な物音が聞こえたんでね。」
ユリ
「そ、そう・・・って、それどころじゃないよ!服部君とリアンがケンカしてるの!!止めなきゃ・・・」
松葉
「待って!しばらく様子を見ましょ・・・」
ユリ
「ま、松葉ちゃん!?」
リアン
「せいっ!!やあっ!!」
平次
「うわ、うわ!!」
リアンは平次めがけて、雷を帯びた腕で殴りかかっている。
平次は、避けるので精一杯のようだ。
平次
「ハァ、ハァ・・・」
リアン
「平次!!どうして反撃しないの!?このままアンタが負ければ、アタシは黒の組織に行っちゃうのよ!?」
平次
「そ、そんな事わかっとるわ!!そやけど・・・オマエとは戦いたくないんや!!」
リアン
「そんな事言って・・・本当はアタシが『化け物』だからでしょ!!!」
平次
「!!」
リアン
「アタシはレベル9のサイコメトラーで、しかも雷に強い帯電体質・・・当然よね・・・アンタはノーマルの人間、アタシはエスパーの化け物・・・考え方がちがって当然だわ・・・」
平次
「リアン・・・」
リアン
「だったら、もうこんな戦い無意味だわ・・・アタシ1人が犠牲になったところで、誰もアタシの死を悲しむ者はいない・・・そうよ・・・お姉ちゃん達を失った時から、アタシは1人ぼっちだったんだから・・・さよなら、平次・・・」
リアンは行こうとした。
しかし、平次がリアンの腕をつかんだ。
リアン
「な、何よ平次・・・は、放して・・・」
パァン!!
ユリ・松葉
「!!」
平次に頬をはたかれ、リアンは倒れ込んだ。
リアン
「へ、平次!?」
平次
「このドアホが!!オレがいつ『化け物』て言うた?誰がいつオマエを見捨てた!?被害妄想もええ加減にせい!!!」
リアン
「へ、平次・・・」
平次はリアンを抱き起こした。
平次
「リアン・・・確かにオマエは、人と少しちがった力を持っとる・・・でも、ええやないか・・・そんなん、人それぞれの個性でええやないか・・・それにな、工藤の仲間になったあの子らかて、他の子とはちがった力を持っとるやろ?」
リアン
「確かにそうだわ・・・志保ちゃんはAPTXを作り出した科学者で・・・美保ちゃんはIQ測定不能・・・松葉ちゃんは女忍者だし・・・ベルモットだって・・・」
平次
「そうやろ?その事で、工藤は一度でもオマエらを責めたか?」
リアン
「そんな事・・・なかった・・・新一君は・・・新一君は・・・たとえどんな理由があろうとも、決してアタシ達を突き放した事はなかった・・・みんなみんな、快く仲間に引き入れてくれたわ・・・」
平次
「そやろ?工藤はな、ごっつぅ優しい心を持っとるんや・・・工藤の優しさは、オレの心さえ溶かしてくれたんやで・・・」
平次は、リアンの頭を撫でた。
平次
「そやからな、リアン・・・オマエらが突き放される理由なんか、どこにもないんや・・・もしそんなヤツがいたら、ソイツは心の狭いヤツやで・・・そやからな・・・自分1人で、すべてを背負い込むな・・・悩み事があったら、いつでも工藤やオレに相談してくれ、な・・・」
リアンは、涙が出た。
リアン
「へ・・・平次〜っ!!」
リアンは平次に抱きついた。
リアン
「ありがとう・・・ありがとう、平次・・・アタシ、もう1人で悩みを抱え込まない・・・悩み事があったら、必ずアンタや新一君に相談する・・・だから・・・もう組織にも行かないわ・・・」
平次
「リアン・・・」
平次はリアンを抱き締めた。
リアン
「平次・・・大好き・・・」
その2人の様子を、ユリと松葉が微笑みながら見つめていた。
ユリ
「松葉ちゃんの言った通りになったね・・・」
松葉
「でしょ?」
ユリ
「私達の出番は、いらなかったね・・・」
松葉
「平次君って、とても優しいな・・・」
ユリ
「どうやら、何もなく終わりそうね・・・」
平次とリアンは、しばらく抱き合っていた。
リアン
「平次・・・。・・・!?」
平次はドサクサに紛れて、リアンの胸を触っていた。
リアン
「な、な、な・・・」
平次
「しばらく見ん間に、ちょっと大きくなったなぁ・・・」
リアン
「へ・・・へ・・・」
次の瞬間、ひっそりと聞いていたユリと松葉は慌てて耳を塞いだ。
リアン
「平次のドアホ〜ッ!!!」
リアンは平次の首を絞め始めた。
リアン
「今すぐ死ね、このスケベ〜!!!」
平次
「だ・・・誰か助け・・・」
ユリ
「そうでもないみたい・・・」
松葉
「このままじゃ、平次君死んじゃうわね・・・」
ユリ
「しかたないわ、助けましょ。」
ユリと松葉は、飛び出していった。
ユリ・松葉
「リアンちゃん、そこまでで勘弁してあげたら?」
リアン
「へ・・・?」
リアンは平次を落とした。
平次
「た、助かった・・・」
リアン
「ユリちゃん、松葉ちゃん!!いつからいたの?」
ユリ
「いつからって・・・」
松葉
「さっきからずっと・・・」
リアン
「じ、じゃあ、さっきのアタシのセリフも・・・」
ユリ・松葉
「う、うん・・・全部・・・聞こえてた・・・」
リアン
「○×△□☆*※〜!!!」
ドサッ・・・
リアンは言葉にならない悲鳴を上げ、その場に倒れた。
平次
「リ、リアン〜!!!」
ユリ・松葉
「リアンちゃんしっかりして〜!!!」
それから朝まで、リアンは気絶した。
もちろん、リアンの目が覚めた後、ユリと松葉がリアンにお仕置きを喰らったのは言うまでもない。 |