FBIから来た女:1〜リアン・ハートネスとジンの章(55/111)縦書き表示RDF


ファイル51の答えです。

『すまたいなたにんなた(←)えうたなこ(な↓)るなたあのなたい(た↓)たなすんたなふ』

これを解くカギは、矢印の向きにあります。
まず、←の矢印は、逆から読めという意味です。
次に↓の矢印は、()内の文字を落とせ、つまりその文字を消せという意味です。
それをふまえて暗号文を読むと、
『ふんすいのあるこうえんにいます』

『噴水のある公園にいます』
となります。
暗号が解けなかった方、遅くなりました。
FBIから来た女:1〜リアン・ハートネスとジンの章
作:ユーリ



ファイル55:刃と不自然な待ち合わせ『前編』


「そうだ、オマエの条件を全面的に飲む事に決まった。指定された口座も用意した。」

『イヤー、うれしいな〜。さすが大物はちがうわ〜。』

「それで、取り引きはどこだ?」

『・・・』

「なんだと!?そんなところで!?」





杯戸競泳プール



刃、繭美、幹彦、健太の4人は、杯戸競泳プールに遊びに来ていた。



繭美
「気持ちいーい!!刃ちゃんの言う通り、ええ穴場やねー!」


「わざわざ新幹線に乗ってきたかいがあったでしょ?」

繭美
「うん!!」

健太
「行っくでー!!」

タッタッタッ・・・

健太・幹彦
「ヒャッホー!!」

ドッパーン!!

健太
「プハーッ!」

幹彦
「どっちが遠くに飛んだ?」

繭美
「ウーン、同じくらい。」

幹彦
「えー、ボクの方が飛んだで!」

健太
「何言うてんねん、ワイやワイ!!」

幹彦
「刃ちゃんはどっちやと思う?」


「ゴメン・・・見てなかった。」

健太
「なーんで見てへんのや!」


「(なーんで見てなきゃいけないのよ・・・)」

その時、刃の後ろから声が聞こえた。

「おーい、ポニーテールちゃん。そこのポニーテールちゃん。」


「ポニーテールちゃんて・・・アタシ?」

ポニーテールとは、髪を頭の後ろでくくり、馬の尻尾のようにした髪型の事をいう。

要するに、刃がしている髪型の事だ。

「そうや、自分(君)や自分。」

刃は、自分を呼んだ関西弁の男のところに歩いていった。

プールには不似合いな、阪神の野球帽をかぶっている。

「すまんけど、これでコーラ買うてきてくれんかなー。人を待っとって、ここを動けへんのや。おつりは駄賃にあげるさかいな・・・」


「いいけど・・・おつりはもらえないわ。」

刃がおつりを拒否するのも無理はない。

男が渡したのは、1万円札なのだから。

コーラの値段から考えて、確実に9000円以上のおつりがくる。

「なーにカッコつけとるんや。東京は子供もエエカッコしいやなー・・・こういうんは、気持ちよーもらっといたらええんや。な、急いで頼むで、ノドがカラカラなんや・・・」


「う・・・うん。」



「はい、コーラ。」


「ありがとう。」

「それとおつり・・・9800円、落とさないでね。」


「うん。(おつり・・・こんなにくれるかしら、普通?変な兄ちゃんねー。だいたい売店こんなに近いんだから、自分で買えばいいのに・・・人を待ってるからって、動けない距離じゃないでしょう・・・)」



「はい、コーラ。」

「お、ありがと。横に置いといてくれ。」

刃がコーラを置こうとすると、携帯電話が目に入った。

その携帯電話は、女の人の待ち受け画面になっている。


「ねぇ、待ってるってこの人?」

「あ・・・ああ〜見られちゃった?これ、オレの彼女。この携帯コイツからもらったんや。そしたらこんな待ち受け画面にしてあったんや・・・イヤー、モテる男はつらいわー。けど今日待ってんのはちがうヤツ。水ちゃんとはこの後や・・・」


「フーン。」

「嬢ちゃんも、もうちょい大きかったら彼女にしたんのになー。残念や・・・」


「そりゃどうもありがと・・・あら?それパソコン?プールでパソコンするの?」

「なんや、目ざとい嬢ちゃんやなぁー。そんな事気にすな。プールでパソコンやってたかてかまわんやろ?」


「うん、そりゃ・・・」

健太
「おーい刃ちゃん、何してんねん。」

「ホラ、友達呼んでるで。つまらん詮索しとらんと、行った行った。」


「あ、うん・・・」

健太
「刃ちゃん、もう一度勝負するから、今度はちゃんと見ててくれよな。」


「はいはい・・・あ!いっけない!おつり返す気だったのに。」

健太
「行くでーよーい・・・ドン!」

ガッ!

幹彦
「あっ。とっ、とっ・・・わっ。」

ドサ!


「え?」

ドボーン!


「あの浮き輪・・・」

幹彦
「テテ・・・」

「オ・・・オマエ・・・何しとるんじゃ、ボケッ。」

パン!!

「よそで遊ばんかい!!」

幹彦
「わ〜ん!!」

タタタ・・・

健太
「おーい、どないした〜。」

繭美
「ひどーい、あんなに怒る事ないのに。」


「・・・行こ・・・」

繭美
「え?」


「向こうに行こ・・・あの人、怖いから・・・(あの人・・・いったい何を・・・)」





繭美
「ホラ・・・もう泣かないで。」

健太
「タコ焼きでも食べて、元気だしや。」

幹彦
「うん・・・」

繭美
「あれ、刃ちゃんは?」



刃は、男を監視していた。


「(あの人・・・誰かと待ち合わせしてると言ってたけど、いったい誰と・・・おそらくは、一度も会った事がない人物でしょう。プールに不似合いな阪神の野球帽は、自分を知らせる目印にするため・・・面識のない人との待ち合わせだから、あまり場所から離れたくないのはわかるけど、さっきのコーラ・・・あんなわずかな距離なのに・・・よっぽどあそこから動きたくないの?原因は・・・あの浮き輪か・・・幹彦君がさっき浮き輪につまずいたにもかかわらず、浮き輪はほとんど動かなかった。つまり、中に何か入ってるんだ。それもかなりの量の物が・・・だから持って歩くのはまずいし、かといって置いておくワケにはいかない・・・それでわざわざアタシに・・・しかも、幹彦君が浮き輪につまづいただけで殴るほど怒るという事は、よっぽど貴重な物・・・プンプンにおうわ・・・犯罪のにおいが!!)」

刃は、怪しい人に気づいた。


「(ん?あの奥の2人連れ・・・さっきからチラチラあの男の方を見てる。男2人であんなに吸い殻を散らかして・・・どぉ〜もプールを楽しみに来たって顔はしてないわね・・・よく見りゃ、あそこにも、あそこにも・・・遠巻きにあの人を見てる・・・あの人の仲間?それとも待ち合わせ相手の仲間?状況から察するに、これから何かの取り引きをしようとしてるんだわ・・・それも、ヤバイ品の・・・さて、どうする?平次や警察を呼ぶ?でも、浮き輪の中を確かめたワケじゃないし、こんな推測で警察が動くかどうか・・・)」

繭美
「あー、こんな所にいたー。何してんねんこんなトコで・・・」


「あ、繭美ちゃん。ちょうどいいトコに来た。ちょっとここであの人の事見張ってて。」

繭美
「え、刃ちゃんはどこに?」


「ロッカーに忘れ物!」




タタタ・・・

刃はロッカーにたどり着いた。


「(ロッカーからボタン型発信器を出して、あの浮き輪に取りつけてやる!一度あの人と会話してるアタシなら、あまり警戒されないはず・・・そして運ばれた先を突き止めて、それから警察に・・・)」

ガシャン!!


「!!」

「とっとと・・・いけねえ。」

「アホー!気ぃつけぇや!!」

「す、すんません。」

サッ!


「(け、拳銃!?・・・これは・・・油断できない展開になってきたわね・・・アイツらも関西弁・・・プールサイドのヤツの仲間かしら?それとも・・・)」

刃は聞き耳を立てている。

「しっかし情けない話やなぁ。天下の大阪中学会(ちゅうがっかい)が、子分に麻薬持ち逃げされるたぁ・・・」


「(麻薬!やっぱり浮き輪の中身はそれだったのね・・・大阪中学会といえば、関西で一番の暴力団・・・あの人、そんな所から麻薬を持ち逃げしたのね・・・)」

「マサのアホめ!!オマケにそれを三橋組(みつばしぐみ)に売りつけようとしよって・・・」


「(三橋組・・・関東1の暴力団だわ!三橋組と中学会は犬猿の仲。中学会に知られずに麻薬を売りさばくには、最高の相手だわ!でもどこかでヘマをして、それがバレたのかしら・・・?それでコイツらが麻薬を取り戻しに・・・)」

コツコツ・・・

「あ。兄貴、あれ。」

「中学会の無藤(なしとう)さんですか?」

無藤
「三橋組の有部(ありべ)さんで・・・」


「(何!?敵である中学会と三橋組が接触!?いったいどういう事!?)」

有部
「遠いところご苦労さんです。」

無藤
「いや・・・こちらこそわざわざ知らせていただいて・・・」


「!?」

無藤
「驚きましたわ。三橋組の方から、ウチの商品流そうとしてるヤツがおるいう電話が来るとは。」

有部
「気にせんでください。ウチとおたくは、ビジネスパートナーになる事が内定してるんですから。今回の件は、今までの事を水に流すよいきっかけになりますよ。」

「(何が『ビジネスパートナーになる』や!『手打ち』て言え、カッコしいが。)」

無藤
「(情けないのう、こんなヤツらにでかい『恩』売りつけられて。)」


「(なるほどね!三橋組は中学会の裏切り者の情報を教える事で、手打ち成立後に優位に立とうってワケね・・・)」

有部
「じゃあ、さっそく。」



ピピピ・・・



ルルルル・・・

マサ
「おーしゃ!!きおったきおった、時間通りや!」

ピッ!

マサ
「有部さんですなー、待っとりましたでー!さっそくやけど、競泳プールまで来てもらえますか?約束通り、水着一丁でお願いします。バスタオルとかもあきまへんで。おっかないもの隠してるかもしれませんからな、それじゃ後ほど。」

ピッ。

「あのボケ!調子のりくさって・・・」

有部
「まあまあ、ブツを回収するまではおとなしくいう事を聞いときましょう。ブツのありかがわからない今は、ヘタに捕まえようとして騒がれるよりも、買うフリをしてありかを聞き出す方がいい。」

「そうですな・・・ブツ、取り戻せないと、ワシら組長に殺されかねんし。」

有部
「マサってチンピラは、そのあとゆっくりと始末しましょう・・・」


「(なるほどね。ヤツらの出方がわかれば、打つ手はあるわ。コイツら全員、一網打尽にしてやる!よーし、バッジで繭美ちゃん達に協力をお願いしないとね・・・)」


作「さーて、やってまいりました第3回生対談!今回の相手は、剣野刃ちゃんです!」
刃「こんにちはー!!」
作「さて、今回はどうでしたか、刃ちゃん?」
刃「あんな風にナンパされたのは初めてでしたので、とても緊張しました!」
作「いや、そうじゃなくて話の感想を・・・」
刃「あの人、けっこうイケメンだし・・・今アタシフリーだから、オーケーしちゃおっかなぁ?」
作「・・・これ以上は続けられそうにありませんね・・・それでは、刃ちゃん、どうぞ!」
刃「後編も、見てくださいね!!」











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