ファイル40:美保と仲間達の九州旅行『解決編』
前回までのあらすじ
白野美保と瀬藤銀一は、白羽弥生、三千院伊澄、天幕深雪、鳳美香、月島弓雁、エル・シーバス、瀬川泉、妹尾波香、長谷川祐美と一緒に熊本に旅行にやって来た。
そこで、美保は白野蘭学塾の元塾生の、堂本卓治、高道習字郎、青沢四郎の3人と再会する。
ところが、そこで3人の内の1人、高道習字郎が殺害され、美保は高道殺害の容疑をかけられてしまった。
しかし、次に起きた事件によって、美保の潔白は証明された。
死んだのは、弁護士の堂本卓治。
美保が高道に因縁をつけられた事を恨んでの犯行だったと、堂本の遺書には書かれていた。
現場の状況と遺書から、江崎警部達は堂本の死を自殺と断定し、捜査は打ち切りとなった。
しかし、美保はその事が納得いかず、独自に現場を捜査する。
その結果、ついに美保は真犯人がいる事を突き止める事ができた。
ところが、その事を銀一にメールした直後、美保は何者かに襲われてしまった・・・!!
美保
「むぐ・・・むぐぅ〜っ!!」
ジタバタ・・・
「・・・」
美保
「うぅ・・・」
ドサッ・・・
「フフフ・・・」
ヒョイ!
ザッザッザッ・・・
翌朝、美保からのメールを受け取った銀一は、真犯人を突き止め、弥生、伊澄、深雪、美香、弓雁、エル、波香、祐美と一緒に泉の部屋に向かっていた。
というのも、実は第1の事件が起きた後、美保が江崎警部達に提案し、みんなを1人ずつにして部屋を割り当てていたのだ。
美保は104、銀一は103、弥生は106、伊澄は105、深雪は108、美香は109、弓雁は110、エルは102、泉は201、波香は101、祐美は100号室。
なぜか泉は3階を選んだため、銀一達は3階まで上がらなくてはいけなかった。
201号室
コンコン、コンコン!
銀一がドアを叩く。
ガチャ!
中から泉が出てきた。
泉
「はーい。ああ、みんな遅かったね。私に話したかった事って、何?」
銀一
「ああ、それね!第1の事件の現場に落ちてた、糸と鎖のカケラの事だよ!」
泉
「え?」
深雪
「美っちゃん言ってたよ!」
美香
「あの糸があれば、ドアの外からでも密室を作る事ができるってね!」
泉
「アハハ、んなバカな・・・私と美保ちゃんはチェーンロックがしっかりと掛かっていたから、ぶち破って中に入ったんだよ?そんな短い糸でどうやって・・・」
弓雁
「最初から鎖が切られていたとしたら?」
泉
「え?」
エル
「その切れた鎖の両端が、糸で結ばれていたとしたら?」
波香
「そしてその結び目の場所とあらかじめ外しておいた鎖のカケラを床に置く場所を、ドアを開けた時の死角になる位置にしてたとしたら・・・どう?」
泉
「!!」
祐美
「そう・・・そしてその後ドアを体当たりで強引に破れば・・・」
伊澄
「糸は切れ、鎖が2つに分かれて、あなたのそばにいた美保の目には、まるでチェーンロックが内側からしっかりと掛けられていたように見える・・・」
弥生
「そうやないのか?泉?」
銀一
「高道習字郎さんも堂本卓治さんも、オマエが殺したんだろ?」
泉
「フ・・・ハハ・・・そうだとしても、第2の事件の密室はどう説明するの?あれは完全な密室だったでしょ?」
伊澄
「甘いわね・・・あの事件の現場にあった本棚は、底が抜けるようにあらかじめあなたが釘を抜いておいたんでしょ?」
泉
「くっ・・・」
深雪
「堂本さんを殺害した後、本棚で出入り口を塞ぎ、下の段に隠れる・・・」
美香
「後はみんなが本棚を倒して中に入ったスキに本棚から脱出し、何食わぬ顔で私達の後ろから出てくればいい・・・」
弓雁
「証拠はすべてそろっているわ・・・」
エル
「観念した方がいいわよ、泉?」
泉はフッと笑うと、開き直ったかのように話し始めた。
泉
「みんな、名推理ね・・・その通り・・・2人を殺したのは私よ・・・でも、あなた達の推理は2つだけまちがっているわ・・・1つ目は、私が本物の瀬川泉じゃないって事・・・」
そう言うと、泉はバリッと顔をはがした。
バリッ!!
深雪
「な・・・」
美香
「ロボット!?」
『ソノ通リ・・・私ハ瀬川泉を閉ジ込メ、彼女ニナリスマシテイタノダ・・・ソシテ、オマエ達ノモウ1ツノマチガイハ・・・』
そう言うと、泉になりすましていたロボットは、ベッドまで歩いていくと、布団をはがした。
『コッチニハ『人質』ガイルトイウ事ダ!!!』
銀一
「み、美保!!!」
なんとベッドには、手足を縄でグルグル巻きに縛られ、ガムテープで口を塞がれている美保が寝かされていたのだ。
美保
「ん〜、ん〜!んん〜!!んむぅ〜!!!」
ロボットは美保をベッドから降ろすと、美保を腕に抱えた。
ガバッ!!
『ククク・・・オマエ達、一歩デモ動ケバ、コノ娘ノ命ハナイゾ!!』
そう言うと、ロボットは美保の口に貼られているガムテープをはがした。
ビリッ!
美保
「キャッ!!」
銀一
「美保ぉ!!」
美保
「ご、ごめんなさい、みんな・・・まさかロボットが泉ちゃんになりすましていたなんて、気づけなくて・・・この子に捕まっちゃったの・・・」
銀一
「コイツ、まさか・・・美保が昔開発したロボット、『Mr.ピノキッド』か!?」
Mr.ピノキッド『ソノ通リダヨ、銀一君・・・私ハカツテ、美保ニ介護ロボットトシテ作ラレタ・・・シカシ私ハ危険スギルトイウ事デ、コノ娘ニ捨テラレタノダ!!』
美保
「うぅ・・・」
Mr.ピノキッド『ソシテ私ハアル組織ニ拾ワレ、殺人術ヲ教エ込マレタノダ・・・サア、オマエ達、道ヲ開ケロ!!』
「甘いわね、美っちゃん・・・油断しすぎだよ・・・」
美保
「え?」
銀一
「その声は・・・」
バリッ!!
泉
「瀬川泉、見参!!」
なんと、瀬川泉がスーツ姿で現れたのだ!!
Mr.ピノキッド『ナ、ナゼ・・・!?』
泉
「私、縄抜けのプロでね・・・脱出した後、いち早くここに来て、桂木刑事に変装してたのよ!!さあ、美っちゃんを放しなさい!!」
Mr.ピノキッド『クッ・・・』
弥生
「今だ!!」
弥生はスキをみて飛び出すと、ピノキッドの体に鉄拳を喰らわせた。
Mr.ピノキッド『ガッ・・・』
ピノキッドが怯んだスキに、弥生は美保を救い出した。
祐美
「今だ!!長谷川流陰陽術・瞬間氷結!!」
祐美が放った術が、ピノキッドを凍らせていく。
Mr.ピノキッド『ガ・・・オ・・・』
ビキビキビキッ・・・
ガキイィィ!!
ピノキッドは氷付けになった。
弥生
「伊澄!!」
伊澄
「御意!!」
そう叫ぶと、伊澄は念を込めたお札を放った。
伊澄
「南無阿弥陀仏。」
ヒュン!
カッ!
バシャアアアア・・・
ピノキッドは砕け散っていった。
美保
「あの世でも元気でね・・・ピノキッド・・・」
こうして、今回の事件は犯人の死亡によって無事解決した。
どうやら、ピノキッドは堂本をそそのかし、美保を高道殺しの容疑者に仕立てた後、美保を殺すつもりだったらしい。
しかし、堂本が美保を救う方を選んだため、ピノキッドは堂本を殺し、自分が直接美保を殺す事にしたのだという。
そして、チェックアウトの日・・・
美保
「あら?弥生は?」
伊澄
「屋上で風に当たってくるって・・・」
美保
「そう・・・じゃあ、私も・・・」
そう言うと、美保は走っていった。
「お〜い!」
伊澄
「あ、弥生!!」
弥生が走ってきた。
銀一
「弥生、今回は大活躍だったね!」
弥生は首をかしげた。
弥生
「?何の事や?ウチは琴葉さんから電話もろて、たった今東京からここに来たんやけど・・・」
銀一・伊澄・深雪・美香・弓雁・エル・泉・波香・祐美
「ハァァ?」
屋上・・・
ヒュオオオオ・・・
美保
「あら、弥生・・・何してるの?」
弥生
「あ、ちょっと風に当たろうと・・・」
美保
「なんだ・・・翼を広げ、そこから飛び立とうとしていると思ったのは・・・私の気のせいか・・・そうでしょ?怪盗キッド・・・」
怪盗キッド
「・・・いつわかったんだ?」
美保
「口調よ・・・弥生の一人称は『ウチ』・・・『アタシ』とは言わないからね・・・それに、さっき私を助けた時、男言葉になってたわよ?」
キッド
「やられたね・・・そんな事でわかるなんて・・・さすがは白野蘭学塾15代目塾長ってトコかな?」
美保
「ここに来た目的は?」
キッド
「君が持ってる『青のカケラ』を見に来たんだよ・・・オレが持ってる『緑のカケラ』との共通点を探すために・・・」
美保
「なるほど・・・それでわざわざ弥生が旅行中にあの子に化けて、私の事を探ってたってワケね・・・ウチの学校は、言づてがあれば、旅行に行ってる事は伏せられるから・・・」
キッド
「そうだよ。そしてわかったのさ・・・君が持ってるカケラもオレのカケラも、大事な物だという事がね・・・」
美保
「そうね・・・他に散らばっている赤、黄、黒、白の4つのカケラも、あなたが探してる物なんでしょ?」
キッド
「ああ、オレが追ってるヤツらをつぶすためには、君のカケラもどうしても必要でね・・・だけど、今回は見逃して欲しいねぇ・・・オレはそれを見るついでに、君をあのロボットから救い出しただけ・・・純粋な青なんだから・・・君の下着のように♪」
そう言うと、キッドはトランプ銃を美保に放った。
2枚のトランプが、美保の服に当たり、服がはだける。
バラッ・・・
美保
「あ・・・/////キャアアアア!!!/////」
美保は慌てて服を押さえた。
キッド
「じゃあな!白野蘭学塾の塾長さん♪」
そう言うと、キッドはハンググライダーで飛び去っていった。
美保
「あ〜もう、スケベな怪盗ね・・・白野蘭学塾15代目塾長の名にかけて、必ずアンタを捕まえてやるんだから・・・」
そう言うと、美保は少し微笑んだ。 |