ファイル04:新たなる犠牲者、毛利蘭
平次
「イヤー、スマンスマン!!」
服部邸から、服部の笑い声が聞こえてきた。コナンと哀は、唖然としている。
平次
「最近、インターネットにこっとってな〜・・・電話回線が塞がっとったんや!!」
立ちつくしている2人の後ろで、ガラガラとドアが開く音が聞こえた。
刃
「ただいま〜・・・」
平次
「おお、お帰り刃ちゃん!どやった、学校は?」
刃
「結構楽しめたわ・・・」
刃はソファーに座ると、ランドセルからY∀IBAを取り出し、読み始めた。
コナン
「あのガキ・・・」
哀
「私達をハメやがったわね・・・」
平次
「まあまあ、オレの家の番地を知らんかったオマエらも、うかつやったわけやし・・・」
コナン
「それより何なんだよ、あの刃って子?」
平次
「あれ?彼女に聞いとらんのか?FBIの仲間で・・・オマエらと同じ薬飲まされて小さくされたって・・・」
コナン・哀
「え?」
平次
「変やな〜、自分で言うから、オマエらには黙っててくれって言うとったのに・・・」
哀
「ちょ、ちょっと待ってよ服部君・・・」
平次
「ああ、『剣野刃』って名前なら、マンガのキャラの名前もじって、彼女自身が考えたんや!剣野は『プレイイットアゲイン』の剣道子の『剣』!刃は『Y∀IBA』の鉄刃の『刃』!オレはもうちょっとカワイイ方がええって進めたんやけど・・・」
コナン
「んな事聞いてんじゃねー!!!」
哀
「どうしてFBIの女が服部君の家に・・・」
刃
「介抱してくれたのよ・・・雨の中、黒の組織から逃げてきて、この家の前で倒れていたアタシを・・・その平次がね・・・」
コナン
「服部の家の前・・・?」
哀
「組織から逃げてきた・・・?」
刃
「あなた達知ってた?FBIはあなた達を捜査官にスカウトするために、ずっとあなた達を探してたのよ?あなた達の事は、もう有名になってるからね。その捜査に、黒の組織に潜入捜査をしていたアタシは知らされていなかったわ・・・でも、組織から持ち出したフロッピーをモバイルパソコンで調べたら、興味深い事がわかったのよ・・・」
コナンと哀は、ゴクリとツバを飲み込んだ。
刃
「あなた達が小さくなった事も、ずっと組織に追われてるという事もね・・・」
コナンと哀は、ビクッとなった。
刃
「でも心配しないで、アタシは別にあなた達を捕まえて、ヤツらに引き渡すつもりはないから・・・アタシはむしろ、あなた達の味方ってトコね。」
コナン
「ありがとう・・・」
刃
「それより、アタシはあなた達の味方なんだから、もう少し愛想よくしてくれない?特に志保ちゃん、あなたはアタシと同じ境遇なのよ?」
哀
「え?それじゃ、あなたは・・・」
刃
「そうよ、アタシは組織からデータ類を持ち出し、裏切った代償に、お姉ちゃん達を失ったのよ・・・」
そう言うと、刃は泣き崩れた。
コナンと哀が、慌てて駆け寄る。
刃
「もう少し・・・もう少し早くあなた達に出会っていれば・・・お姉ちゃん達を救う事もできたのに・・・なんで・・・なんで・・・どうして運命はこんなに残酷なのよ〜!!!」
ふるえるような彼女の涙声は、オレと灰原に悲しかった明美さんの事件を思い出させてくれた・・・それは彼女が初めてオレ達に見せた・・・素顔だったのかもしれない・・・
しばらくして、彼女はようやく泣き止んだ。
コナン
「ところで刃ちゃん、君は組織に潜入捜査をしていた時、コードネームをつけられたりしなかった?」
刃
「ええ、つけられたわ・・・わずか半年だったのにね・・・」
哀
「それで、コードネームは?」
刃
「確か・・・アニゼットよ・・・」
コナン
「アニゼットか・・・」
哀
「それで、あなたが持ち出したっていう組織のデータの事だけど・・・」
刃
「ええ、たぶんもう、ヤツらに回収されてるでしょうね・・・」
コナン
「そうか・・・」
哀
「また振り出しからだね・・・」
刃
「あなた達とは長いつき合いになりそうね・・・コナン君、哀ちゃん・・・」
コナンと哀はもう暗いので、平次の家に泊まる事になった。
蘭
「え?夜遅いから今夜は服部君の家に泊まるって?」
コナン
「うん、じゃあよろしくね、蘭姉ちゃん!」
コナンが受話器を切ると、刃はクスクスと笑った。
刃
「子供のフリがうまいのね・・・」
蘭は今日はコナンもおらず、小五郎も飲み会に出かけているので、1人で晩ごはんを食べる事になり、買い物に出かけた。
買い物が終わり、蘭は家に向かっていた。
蘭
「今日は1人で晩ごはんか・・・。ん?」
蘭の目に、数人の怪しい男達の姿が写った。
蘭
「あ、あれは・・・宝石強盗団?警察に電話しなきゃ・・・」
蘭は警察に連絡しようとして、走り出したが、強盗団の1人が蘭の存在に気づいた。
「おい、女に見られたぞ!!」
「何!!」
「追え!!」
強盗団は、蘭を追いかけた。
蘭
「ハアハア・・・ハァハァ・・・」
蘭は男達をまいたと思い、安心した。だが・・・
蘭
「うっ!!」
蘭は背後から口をハンカチで塞がれた。
蘭
「んぅ・・・」
蘭は気を失い、倒れ込んだ。
「あ、スネイクのアニキ!!」
スネイク
「こんな小娘に見られやがって・・・」
「コイツ、空手の都大会で優勝してる毛利蘭じゃないですかアニキ!」
「殺っちまいますか?」
スネイク
「引っ込めろ!サツが来たらどうするんだ!コイツを使おう・・・この『出来損ないの名探偵』をな・・・」
スネイクは蘭の口を開けると、カプセルを蘭の口に入れ、水を飲ませた。
スネイク
「あばよ、毛利蘭!!」
スネイクと手下達は、蘭をその場に残して立ち去った。
蘭
「ハァハァ・・・か、体が・・・熱い!!骨が・・・溶けてるみたいだわ・・・た、助けて・・・新一・・・あああああああああああああああーっ!!!」
蘭は、そのまま気絶した。
それから1時間後、まんまとスネイクから宝石を奪い取った怪盗キッドは、川原で宝石を月にかざしていた。
キッド
「あぁ・・・また今回もハズレか・・・」
キッドはそう言うと、その変装を解いた。
快斗
「また中森警部に渡しておかないとな・・・」
黒羽快斗は、自分の家に向かって走っていた。
快斗
「うわっ!!」
快斗は前しか見ていなかったので、何かに足を引っかけて転んだ。
快斗
「何だぁ?・・・!!」
快斗の足を引っかけたのは、ダボダボの服を着て気絶している女の子だった。
快斗
「ま、まさかこの子、蘭ちゃんか・・・!?」
快斗は少女を抱き抱えると、家に向かった。
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