ファイル35:潜入捜査は危険がいっぱい!!『事件編』
愛子
「ん・・・むぐ・・・んむぅ・・・(ダ、ダメ・・・体が動かない・・・助けて・・・!朝美さん!!哀ちゃん!!!)」
哀
「え・・・?(何?このイヤな感じ・・・あの時と同じだわ・・・あの古城の事件の時と・・・ま、まさか・・・!?)」
ユリ
「どうしたの?哀ちゃん!」
刃
「何か気になる事でもあるの?」
模擬店に残っていた刃とユリが、哀に話しかけた。
歩美達3人は、他の場所に遊びに行っている。
哀
「ええ・・・なんだか、とてもイヤな予感がするのよ・・・」
刃
「そういえば、アタシもさっきからなんかイヤな感じがしてるのよね・・・」
ユリ
「ま、まさか、新一君の身に何かが起きて・・・!?」
哀
「ねぇ!工藤君、どこに向かったんだっけ?」
刃
「た・・・確か、オバケ屋敷に行くって言ってたから、中等部の方に向かったハズよ!」
ユリ
「彼が何かの事件に巻き込まれたとすれば、早く探し出さないと、ヤバいよ!」
哀
「ええ・・・」
その頃、男達3人によって誘拐され、どこかの部屋に監禁されている愛子は、さるぐつわを外されていた。
愛子
「イヤ!やめてぇ!ヤダぁ!!」
愛子はジタバタともがいた。
「ヘッヘ、いい事しようぜ〜?」
愛子
「いい加減にしなさい!!」
愛子は、男達の1人の右腕に強く噛みついた。
ガブッ!!
「イッテェ!!」
「この小娘、何しやがる!!」
男達は、愛子の頬を殴った。
バシッ!!
愛子
「キャアッ!!」
「調子に乗るなよ、小娘が・・・」
愛子
「痛い・・・痛いよぉ・・・」
「フン、ふざけやがって。」
男は、愛子の口にガムテープを貼りつけた。
ペタッ。
愛子
「ん〜、んむぅ〜・・・」
「お嬢ちゃんを見張ってな。」
そう言うと、男達のうち2人は奥の部屋に歩いていった。
「刑部、ホントにあのお嬢ちゃんをオレ達のモンにできるのか?」
「かなり気が強いぞ、あの女・・・」
賢治
「なぁに、女なんて小学生も中学生も同じだよ・・・軽く脅してやれば、男のいう事をなんでも聞いてくれるのさ・・・あの麗も、もう少しでオレ達のモンになるのになぁ・・・」
「そうだな・・・」
「クックックッ・・・」
隣の部屋で男達の会話を聞いている愛子は、ガタガタとふるえていた。
愛子
「(そ、そんな・・・まさか、麗ちゃんをストーカーしていた男達のボスが刑部先生だったなんて・・・じゃあ、この事を知っちゃったアタシは・・・口封じのためにこの男達に殺されちゃう!?ヤダ・・・そんなのヤダよぉ・・・哀ちゃん、助けてぇ〜!!!)」
賢治
「おい、コーヒーでもくれないか?何か飲まないと頭が働かん。」
「ああ。」
男達のうちの1人からコーヒーをもらった賢治は、それを飲んだ。
ゴクゴク・・・
賢治
「うぐっ!?」
ガシャーン!!
「な、何!?」
突然、賢治が苦しみだし、床に倒れ込んだ。
「おい、どうした!?おい!!」
その瞬間、もう1人の男の顔つきが変わり、声を出した男の方を棒で殴り倒した。
ドガッ!!
「ぐっ!!」
ドサッ!!
「な、何だ!?」
愛子を見張っていた男も、声が気になって奥の部屋に行こうとした。
ドスッ!!
「がっ・・・あ・・・」
しかし、奥の部屋から出てきた男に刺され、床に崩れ落ちてしまった。
そして男は、イスに縛りつけられた愛子の方へと近づいてくる。
愛子
「(ウ・・・ウソ・・・ウソでしょ・・・!?こんな事って・・・た・・・助けて・・・哀ちゃん!!!)」
愛子は、ふるえていた。
同じ頃、哀とユリ、刃は、模擬店の事を麗に任せ、学園内を走り抜けていた。
タタタタタ・・・
刃
「志保ちゃん、早く愛子ちゃんを探し出さないと、ヤバい事になっちゃうよ!!」
ユリ
「で、でも・・・愛子ちゃんが学校の外・・・それこそ、どこかの廃ビルとかに連れ去られたとしたら・・・外に出て探しに行かなきゃいけないんじゃ・・・?」
哀
「イヤ・・・今日はこの紅百合女学院の文化祭の日・・・彼女がこの校内で拉致されたのなら、生徒や大勢の客がひしめく中、外に連れ出すのは極めて難しい!!つまり彼女は、この学園内のどこかに監禁されているのよ!!」
刃
「あっ!2人とも、止まって!!」
刃が哀とユリを止めた。
ユリ
「どうしたの?」
刃
「ここの地面・・・何かを引きずった跡がある・・・」
哀達は、引きずった跡を辿ってみた。
すると、そのすぐ先の扉の前で途切れている。
哀
「この扉の前まで彼女を引きずってきて、仲間と合流し、袋に入れるか何かして、連れ去っていったんだわ!!」
ユリ
「でも、どうして引きずった跡があるのかしら・・・?例のストーカー達は、男なんでしょ?」
哀
「引きずった跡があるって事は、犯人の1人・・・彼女を襲ったのは、抱え上げる事ができない非力な人物・・・つまり、女だわ!!」
刃・ユリ
「お、女!?」
その瞬間、哀の脳裏にある人物が浮かんでいた。
哀
「とにかく、急ぎましょ!!」
そう言うと、哀は追跡メガネのスイッチを入れ、速度を上げた。
哀
「近い・・・近いわ!!」
刃
「この辺りって、確か旧校舎ある場所だって、朝美さんが言ってたわ・・・」
ザッ!!
哀
「見つけた!ここよ!!」
ガチャガチャ・・・
ユリ
「ダ、ダメ!!内側からカギがかけられてるみたいで、開かないわ!!」
刃
「どいて・・・」
ユリ
「へ・・・?」
カチッ!
刃
「制御装置、解除!!アアアアア・・・」
パリパリパリ・・・
刃
「服部流・落雷拳!!!」
ズン!!
ドガアアアアン!!!
ユリ
「ス、スゴい破壊力・・・」
哀
「あ・・・愛子ちゃん!!」
ユリ
「愛子ちゃん!!」
哀
「愛子ちゃん!!しっかりして!愛子ちゃん!!」
愛子
「・・・ん・・・あ・・・哀ちゃん?」
哀
「愛子ちゃん!よかった!無事だったのね・・・!」
愛子
「う・・・うん・・・アタシは大丈夫だけど・・・」
ドガァン!!
ガララ・・・
刃
「こ・・・これは・・・!!」
ユリ
「え?どうしたのリアンちゃ・・・キャ・・・キャアアアア〜ッ!!!」
哀
「し・・・死んでる・・・!!!」
薬で朦朧とした意識の中で、アタシはまだ悪夢の途中にいました・・・
あの・・・恐ろしい殺害シーンが・・・まだ頭の中から消えないのです・・・
1時間後警察が到着し、現場検証が始まった。
被害者の刑部賢治以外の3人の身元は、残っていた免許証から、会社員の西城豊(31)、北西幸次郎(31)、南東重行(32)と判明した。
浜泉弥三郎『刑事』
「するってーと、刑部ら4人が殺された時、君ら全員にはアリバイがないという事だな?」
環
「は、はい・・・」
美咲
「まあ、なくても仕方ないよ。」
桜子
「アタシ達全員、バタバタしてたからね。」
綾
「そうね・・・」
そう言いながら、綾は右手首をさすっている。
朝美
「どうしたの?綾?その包帯?」
綾
「あ、ちょっと骨折しちゃってね・・・」
弥三郎
「すると、君だね、被害者のそばにいたのは・・・」
愛子
「は、はい・・・」
弥三郎
「するってーと、君はオバケ屋敷がある中等部に行く途中でさらわれ、ここで被害者達が殺されるのを直接見たのか・・・」
愛子
「はい・・・そうです・・・」
弥三郎
「で、その時の気持ちは?」
愛子
「とても怖かった・・・です・・・」
ユリ
「ちょっと刑事さん!!愛子ちゃんはあの男達に誘拐されて、とても怖い思いをしたんですよ!!尋問みたいな事は、やめてください!!」
弥三郎
「ああ、すまないね・・・」
愛子
「いえ・・・」
哀
「ところで刑事さん・・・被害者の死因は?」
弥三郎
「刑部は毒によって殺されていて、南東は絞殺、北西は撲殺、西城は刺殺と判明したよ。あとは他にアリバイがない者を調べれば、すぐにわかる事さ。」
そう言うと、刑事は歩いていった。
刃
「やっぱり、まだ謎だらけね・・・」
ユリ
「ええ・・・アリバイがない人物は不特定多数で、動機の方もハッキリしてない・・・こんな時でさえ、元組織の一員だった私はこう思ってしまうわ・・・謎よ・・・もっと深みを増せ・・・とね・・・」
愛子
「そういえば、ある人が、右手首を骨折したって言ってたよね?」
哀
「ええ・・・確か、綾さんが・・・。!?」
刃
「愛子ちゃんを襲ったのは女だった・・・」
ユリ
「綾さんの右手首は骨折して・・・」
哀
「じゃ、じゃあ・・・まさか・・・!!」
愛子
「ええ・・・今、数々の謎は・・・1つの真実にまとまった・・・これで殺人事件の犯人も・・・その動機も・・・今すべて明らかになったわ!!!」
哀
「(ああ・・・!!私・・・もう失神寸前3秒前!!神様!本当にごめんなさいっ!!殺人が起きた現場でこんな事を考えるのって、とってもとっても不謹慎だけど・・・今の工藤君、ステキすぎっ!!!)」
ユリ
「私、刑事さん呼んでくるわ!!」
刃
「じゃあ、アタシはみんなを!!」
そう言うと、ユリと刃は走っていった。
浜泉刑事を始め、朝美達が食堂に集まった。
弥三郎
「事件が解けたって、本当かね?」
愛子
「ええ!今から事件の真相を明らかにします!!この紅百合女学院で、刑部先生を含む4人を殺害した犯人は・・・」
ビシッ!!
愛子
「鬼怒川綾さん!!あなたです!!」
朝美
「あ、綾が!?」
綾
「ヤ、ヤダなぁ、冗談言わないでよ愛子ちゃん・・・」
愛子
「冗談なんかじゃありませんよ。まずあなたが犯人である1つ目の証拠は、哀ちゃん達が見つけた何かを引きずった跡です!!」
弥三郎
「引きずった跡?」
愛子
「ええ!アタシは中等部に向かっている途中で誰かに襲われ、監禁されたワケですが・・・ここで、不自然な点が出てくるんです。」
環
「不自然な点?」
愛子
「ええ、そうです。眠った人を運ぶ時、男ならかつぎ上げたりできますよね?」
弥三郎
「あ、ああ・・・」
愛子
「ですが、地面には引きずった跡が残っていた・・・なぜだと思います?」
美咲
「そうか!かつぎ上げたりできなかったんだ!!」
愛子
「そう!これによって犯人は女性だとわかり、アリバイがなかった朝美さん達の中の誰かに絞られる・・・そして、犯人が綾さんだとわかった決定的な証拠・・・それは、歯型です!!」
朝美
「は、歯型!?」
愛子
「刑事さん!アタシ実は監禁されていた時、男達のうちの1人の右腕に強く噛みついたんです。ところが、発見されたあの3人からは、歯型が見つからなかった・・・という事は、誰かがあの3人のうちの1人を先に殺し、変装していたとしか考えられない!!綾さん!!その包帯、外していただけますね?」
綾
「負けたわ・・・愛子ちゃん・・・」
そう言うと、綾は包帯をほどいた。
シュルシュルシュル・・・
哀
「は、歯型だわ!!」
弥三郎
「決定的だな・・・」
麗
「でも、どうしてお姉ちゃん・・・」
綾
「許せなかったのよ・・・麗やみんなをひどい目にあわせた、あの男が・・・あの男は、気に入った生徒ができると、その子に関係を迫っていたのよ・・・それを拒むと、男達を使って脅すという、卑怯な手を使ってね・・・」
桜子
「しかし、なぜ警察は取り合わなかったの・・・!?」
綾
「取り合うワケないわよ!!あの男は刑事に賄賂を渡して、黙認させていたんだから!!」
弥三郎
「な、なんてヤロウだ・・・」
綾
「だから、麗やみんなを救うには・・・これしか方法がなかったのよ・・・」
綾はガックリとヒザをついた。
『(フン、バカな女だ・・・これしきの事で、ミスをしおって・・・オマエのような愚か者は、毒で美しく散るがいい・・・)』
サラサラ・・・
綾
「刑事さん・・・このコーヒーを飲んだら、アタシは自首します・・・」
そう言うと、綾はコーヒーを飲んだ。
ゴクゴク・・・
綾
「うぐっ!?」
突然綾が苦しみだし、床に倒れ込んでしまった。
朝美
「あ、綾!!」
愛子
「綾さん!!」
哀
「!?(この臭い・・・工藤君を見つけた現場で臭っていた毒と同じだわ!綾さんが何かを入れた様子はない・・・とすると、誰か毒を盛った人物がいるハズだわ!!・・・!!1人足りない・・・!!じゃあまさか・・・)」
麗
「お姉ちゃん〜!!!」
環
「とどめは刺せなかったが、毒はアイツらに飲ませたのと同じ量を混ぜておいた・・・まず助かる事はないだろう・・・!!ま・・・仮に助かったとしても・・・」
ビリビリビリ!!
スル・・・
環
「我々の秘密を、あの愚かな女が知るハズもない・・・」
コツコツ・・・
環
「も〜っ、どこのどいつよぉ!?実家のお父さんが急病で倒れたなんて、大ウソ電話かけてきて・・・まったく・・・」
スッ・・・
ニヤ・・・
コツコツ・・・
「失敗した依頼人は自らが殺して口封じか・・・」
「!」
「なるほど・・・相変わらずやる事が汚いわねぇ・・・『青の組織』さんよ・・・」
「!?オマエ・・・ただの女子高生ではないな!まさか・・・!!」
「その、ま・さ・か・よ・・・」
ビリビリビリ!!
ババッ!!
日向琴美
「日向琴美、見参!!!逃がさないわよ!!『蝉時雨』の手下、『青サソリ』!!!」 |