ファイル03:突然の出会い、剣野刃!
帝丹小学校1年B組では、転校生の話題を歩美が話していた。
歩美
「ねえねえ、聞いた?今日このクラスに転校生が入ってくるんだってー!!」
元太
「ホントかよ、歩美!」
歩美
「うん、さっき職員室で小林先生が言ってたもん!」
光彦
「転校生だなんて、コナン君や灰原さん以来ですね!」
歩美
「どんな子かなぁ?」
元太
「カワイイ子だったらいいなぁ・・・」
光彦
「いえいえ、まずは性格が一番ですよ!」
歩美
「コナン君と哀ちゃんはー?」
コナン
「さあ・・・」
哀
「案外、ガリ勉タイプのムッツリ君かもよ?」
コナンと哀は、転校生にさほど関心がないらしい。
元太
「歩美、職員室でその子見なかったのか?」
歩美
「うん・・・名前なら聞いたけど・・・」
コツコツ、コツコツ・・・。
元太
「『剣野刃』?」
歩美
「そうよ!剣士の『剣』に、刃物の『刃』!」
光彦
「変わった名前ですね・・・」
元太
「でも、『コナン』とか『哀』よりはマシだよな!」
コナン・哀
「(ほっとけ・・・)」
コツコツ・・・。ピタッ。
元太
「お!」
歩美
「来た来た!」
ガラッ。
元太・光彦・男子一同(コナン以外)・歩美
「カ・・・カワイー!!」
教室に現れたのは、黒髪を水色のゴムで止めてポニーテールにし、紫のワンピースを着た美少女だった。
彼女のかわいさに、元太達は歓声をあげた。
小林
「今日からみんなと勉強する事になった、『剣野刃』さんです!みんな仲良くしてあげてね!えーっと、剣野さんの席は・・・」
元太
「先生、ここ、ここ!オレの隣が空いてる!」
小林
「じゃあ剣野さん、そこでいいかしら?」
刃
「はい。」
そう言うと、刃は元太の隣の席に座った。
刃
「あなた、小嶋元太君ね?よろしくね。」
元太
「よ、よろしく・・・」
元太は、少し赤面気味だった。
放課後・・・
刃が1人で歩いていると、後ろから歩美が話しかけてきた。
歩美
「けーんのさーん!」
刃
「え?」
歩美の後ろから、コナン達も走って来た。
歩美
「一緒に帰ろ!」
刃
「え、ええ・・・」
光彦
「あのー、家はどこなんですか?引っ越してきたんでしょ?」
歩美
「遠慮しないで、私達が送ってってあげるから!」
刃は、ニコッとほほえんだ。
刃
「いいけど・・・アタシの家、この辺じゃないよ?」
歩美
「え?」
刃
「アタシが住んでるのは・・・大阪府寝屋川市・・・5丁目・・・そこが、今アタシが住んでる場所・・・」
コナン・哀
「え?」
刃の言葉に、コナンと哀は反応した。
元太
「どうしたんだ、コナン、灰原?」
コナン・哀
「イヤ、別に・・・(変だな・・・大阪っていったら服部の住んでる所だ・・・でも近くにマンションやアパートなんてないし・・・『剣野』なんて家あったっけなー・・・)」
考え込んでいるコナンと哀を見て、刃はほほえんだ。
刃
「クスッ・・・」
コナン・哀
「え?」
ゲタ箱にて
刃
「少年探偵団?あなた達が?」
光彦
「ええ、日夜難事件を解決しているんです。」
歩美
「剣野さんも一緒にやろうよ!」
刃
「そこの2人も入ってるの?」
元太
「まあ、この2人はオレの子分みてぇなモンだけどよ!」
コナン・哀
「ハハ・・・」
刃
「そうねぇ・・・向こうでも探偵団をやってたし、入ってみようかしら・・・」
歩美・元太・光彦
「やったー!!」
コナン・哀
「(おいおい、また1人増えるのかよ・・・)」
刃
「そうそう、アタシの呼び方だけど、『刃ちゃん』でかまわないわよ!」
歩美
「ホントー?」
刃
「ええ!アタシはどこかの誰かさんとちがって、名前で呼ぶ人を制限したりしないから・・・」
そう言うと、刃は哀の方を見た。
哀
「え・・・?」
刃
「人って、親しい人には名前で呼んでほしいし、自分も名前で呼んでみたいものなのよ。特に、好きな人にはね・・・」
刃は、コナンと哀の方を見ると、クスッと笑った。
コナン
「・・・(オレって、誰の事を名前で呼んでみたいんだろう・・・もしかして、灰原か・・・?)」
哀
「・・・(工藤君、私に名前で呼んでほしいのかも・・・どうしたらいいの?私・・・)」
コナンと哀は、黙り込んでしまった。
刃
「ところで、歩美ちゃん。依頼書は、元太君のゲタ箱に投函するんでしょ?」
元太
「そうだよ!よくわかったな!」
刃
「何となくね・・・依頼書は今日は入ってないよ。」
刃のその言葉に、元太はゲタ箱を開けてみた。
元太
「ホントだ、入ってない・・・」
歩美
「すごーい、刃ちゃん!」
刃
「たまたまよ。」
コナン
「んじゃあ、公園でサッカーでもやろうぜ!」
哀
「いいわね!」
歩美
「やろやろ!」
米花公園にて
コナン
「灰原、パス!」
コナンはボールを哀にパスした。
哀
「シュート!!」
哀の蹴ったボールは、元太をすり抜けて見事ゴールに入った。
歩美
「やったー!!また私達の勝ちだね!」
元太
「負けた・・・」
光彦
「これで7連敗ですよ・・・」
コナン
「灰原、やるじゃないか!」
哀
「あ、ありがと・・・」
哀は赤面して、モジモジしている。
刃
「アーハァン・・・(フーン、なるほど・・・志保ちゃんは、新一君の事が好きってワケね・・・これはおもしろくなりそうだわ・・・)」
刃は、クスッと笑った。
刃
「ん?」
刃が辺りを見回してみると、占い師らしき人が片隅にいた。
刃は、ツカツカと占い師に近づいていく。
刃
「こんにちは、占い師さん。」
小泉紅子
「あら、私はただの占い師じゃなくってよ!私の名前は小泉紅子・・・」
そう言うと、紅子はマントを外した。
刃は、紅子の手を握ると、クスッと笑って言った。
刃
「あなた、魔女さんね。『平成のアルセーヌ・ルパン』と呼ばれてる、『怪盗キッド』に恋してて、ちょくちょく彼を助けてるそうじゃない?」
紅子
「え!?」
紅子は、初対面の少女にいきなり全てを言い当てられて、あせっている。
紅子
「ど、どうしてそんな事がわかるの?あなたはいったい誰なの?」
紅子が聞くと、刃は紅子をしゃがませ、紅子に顔を近づけてささやいた。
刃
「シーッ・・・It's a big secret,I'm sorry,I can't tell you・・・(秘密よ秘密、残念だけど教えられないわ・・・)A secret makes a woman woman・・・(女は秘密を着飾って美しくなるんだから・・・)」
紅子
「・・・」
紅子は、唖然としている。
コナンと哀は少し遠くにいたが、刃が発した言葉を聞き取っていた。
刃
「まあ、今は、『ちょっとした超能力を持った女の子』って事にしといて・・・それより、あのメガネの男の子と茶髪の女の子に用があったんじゃないの?」
紅子
「あ、ああ、そうだったわね・・・そこのお2人さん!」
コナン
「え?ボク達の事?」
紅子
「そうよ!この水晶玉が、あなた達に用があるって言ってるわ!そうよね?」
『はいな!『今夜大阪でお2人さんに何かが起こる』と出とります!』
紅子
「まあ、そういう事だから・・・」
そう言うと、紅子はポンッと消えた。
サッカーも終わり、コナン達は解散した。
歩美達はそのまま帰ったが、コナンと哀は刃と一緒に帰り、大阪までついてきていた。
刃
「いつまでついてくる気?お2人さん。それとも、少年探偵団のエース2人は、ストーカーが趣味なのかしら?」
コナン
「そんなんじゃないよ・・・」
哀
「ただあなたの事が知りたいだけ・・・」
刃
「そう・・・ところで・・・」
刃はそう言うと、急に口調を変えた。
刃
「3809・・・3810・・・これ、何だかわかる?」
コナン・哀
「え?」
刃
「あなた達につけられたコードナンバーよ・・・」
コナン
「な、何言ってんだよ?」
哀
「私達はそんな変なナンバーなんて知らない・・・」
刃
「あら、番号はまちがってないはずよ・・・FBIに命じられて、アタシがつけたナンバーだもの・・・」
その言葉に、コナンと哀は驚いた。
コナン・哀
「え、FBI・・・?つけた・・・?」
コナン
「ハ、ハハ・・・」
哀
「まさか子供のあなたに何が・・・」
刃
「あなた達と一緒よ・・・アタシも飲まされたのよ・・・細胞の自己破壊プログラムの偶発的な作用で、神経組織を除いた骨格・筋肉・内蔵・体毛・・・それらすべての細胞が幼児期の頃まで後退化する・・・神秘的な毒薬をね・・・」
コナン
「や、刃ちゃん・・・」
哀
「あなたまさか・・・」
刃
「刃じゃないわ・・・リアン・ハートネス・・・これがアタシの本当の名前よ・・・どう・・・?驚いた?工藤新一君と宮野志保ちゃん?」
コナンと哀は、しばらくそのまま立ち尽くしていた・・・
コナンと哀は、刃の突然の告白に驚愕していた。
コナン
「じゃ、じゃあオマエは・・・」
哀
「FBIの仲間・・・」
刃
「驚いてるヒマなんてないわよ、のろまなお2人さん?」
コナン・哀
「何!?」
刃
「言ったでしょ?今、アタシが住んでるのは、寝屋川町の5丁目だって・・・そう・・・あなた達の大親友の家・・・どこだかわかるわよね?」
刃は、ニヤリとした。
コナン
「(ま、まさか・・・)」
哀
「(服部平次君の家!!?)」
コナンはイヤリング型携帯電話を取り出すと、急いで電話番号をプッシュした。
コナン
「おい、服部!?おい!?」
『ツー・・・ツー・・・』
哀
「服部君!?どうして出ないの!?」
刃
「ムダよ・・・何度かけても話し中・・・受話器が外れたまま、彼はとる事ができないのよ・・・もうこの世には、いないんだもの・・・」
コナン
「テ・・・テメエ・・・」
哀
「服部君に何をしたの!!!」
刃
「あら、心配?」
コナン・哀
「何!!?」
刃
「そう・・・あなた達が足にはいてるそのシューズや、そのメガネ・・・その蝶ネクタイやその時計は、あなた達の正体を知っている阿笠博士が作り出したもの・・・そして、あなた達が今まで無事でいられたのは、正体を知っている服部平次や怪盗キッド、あなた達の両親が協力しているから・・・つまり、あなた達が安全に黒の組織の情報を手に入れていくには、彼らが必要不可欠ってワケよ・・・」
コナン・哀
「だから殺したのか!!?」
刃
「さあね・・・そんなに気になるのなら、彼の家に行ってみれば?」
コナン・哀
「クソッ!!!」
コナンと哀は、刃の方をにらむと、服部邸に向かって走り出した。
|