ファイル28:SOS!!コナンからのメッセージ『前編』
哀
「はい、あっがり〜!!」
パッ!
元太
「ああ!ちくしょう!!」
哀達は阿笠邸で、ババ抜きを楽しんでいた。
光彦、ユリ、哀はすでに上がり、残っているのは元太と歩美だけ。
コナンと刃は、不参加である。
元太
「よし!今度はオマエの番だ、歩美!!」
歩美
「そうはいかないわよ?」
歩美はそう言うと、ニコリとした。
ス・・・
元太
「ヘヘヘ・・・」
ス・・・
元太
「あ・・・」
ス・・・
哀
「ククク・・・」
パッ!
元太
「あ!」
歩美
「はい、あっがり〜♪」
元太
「ちっくしょ〜!!なんでオレばっか負けんだよぉ〜!!」
哀・ユリ
「アッハッハッハッ!!」
哀とユリは大笑いした。
ユリ
「そりゃあ、あなたの顔を見ていれば、幼稚園児だって勝てるわよ!」
哀
「なにしろ、ジョーカーに手がいった時と他のカードにいった時の表情が、ぜーんぜんちがうんだもの!」
歩美
「ダメよ哀ちゃん、ユリちゃん、バラしちゃあ・・・」
哀
「あ・・・」
ユリ
「しまった・・・」
元太
「よーし、わかった!次からはず〜っとこの顔でいくぞ!」
そう言うと、元太はニヤッとした。
歩美
「あーあ・・・」
光彦
「刃ちゃんもやりませんか?」
刃
「アタシ、本を読んでる方がおもしろいから・・・」
元太
「オマエ、つき合い悪いぞ・・・」
コナン
「・・・」
歩美
「あいかわらずクールだね・・・」
光彦
「そうだ灰原さん、知ってます?3週間前、鳥矢町で起きた強盗殺人事件!」
哀
「ああ・・・レストラン『ル・エスカルゴ』鳥矢店のオーナーが、殺された事件でしょ?」
元太
「ああ、『エスカルゴ』って、カタツムリの事だったっけ?」
光彦
「ええ。前に起きた事件と同じですけど、同一犯じゃないですね。」
ユリ
「じゃあ、愉快犯って事?」
刃
「その可能性もあるでしょうけど、事件が起きたのが同じレストランなのは、偶然だと思うわよ?」
哀
「ええ、手口は似ているけどね・・・」
阿笠
「君達!昼間からそんな血なまぐさい話をするでない!もっと子供らしい話を・・・」
その時、コナンが口を開いた。
コナン
「ねえ、博士ぇ・・・のど飴なーい・・・?」
阿笠
「どうしたんじゃ、コナン君?」
刃
「そういえば、来た時からなんか元気なかったわね。」
ユリ
「声もかれてるし・・・」
歩美
「大丈夫?」
元太
「うな重食べれば直るぜ?」
光彦
「それは元太君だけでしょ!」
歩美
「前と同じ事言ってるし・・・」
哀
「江戸川君、今日はもう帰った方がいいわよ。」
刃
「そうよ、アタシ達も帰るから・・・」
ユリ
「そうね、ゆっくり休めば・・・」
阿笠
「うむ、そうしなさい、コナン君。」
コナン
「う、うん・・・」
翌日・・・
帝丹小学校
小林澄子
「皆さん、おはようございます!!」
「おはようございまーす!!」
澄子
「授業を始める前にお知らせです。朝、江戸川コナン君の保護者の毛利さんから電話がありました。今日はコナン君はお休みです。」
歩美
「やっぱり、カゼだったみたいだね。」
元太
「コナンのヤツ、うな重食べなかったのかな?」
光彦
「また言ってる・・・」
哀
「昨日、しんどそうにしてたからね・・・」
ユリ
「あら、心配?」
哀
「当たり前でしょ?」
刃
「へーっ・・・やさしいのね・・・」
哀
「うるさいわよ・・・」
哀は、照れながら言った。
毛利探偵事務所
毛利小五郎
「それじゃ、オレは仕事に行ってくるから、おとなしく寝とくんだぞ。」
コナン
「いってらっしゃ・・・コホ、コホ・・・」
小五郎
「大丈夫、ちゃんと安静にしてれば、すぐによくなるぞ。じゃあな。」
そう言うと、小五郎は部屋から出ていった。
コナン
「・・・」
コナンは小五郎を見送ると、眠りに落ちた。
それからしばらくして、事務所に電話がかかってきた。
ピリリ・・・ピリリ・・・
しかし、コナンは熟睡していた。
コナン
「スースー・・・」
電話は、公衆電話からかけられたものだった。
電話をかけたのは、1人の男だった。
男は、電話に誰も出ないとわかると、ニヤリとした。
そして、毛利探偵事務所に向かった。
男は事務所に着くと、呼び鈴を鳴らした。
ピンポーン・・・
その音で、コナンは目が覚めた。
しかし、誰も出ないと思った男は、またニヤリとした。
コナン
「ん・・・?おっちゃん、帰ってきたのかな?」
コナンはベッドから降りると、玄関まで歩いていった。
そして、ドアの前まで来ると、手を伸ばした。
ガチャガチャ!!
コナン
「え!?(ち、ちがう・・・おっちゃんなら、わざわざ呼び鈴は鳴らさない!)」
コナンは踏み台を置くと、その上に乗り、ドアスコープをのぞき込んだ。
ドアスコープには、見知らぬ男の顔が写っていた。
コナン
「(ご、強盗・・・!!警察に知らせなきゃ・・・)」
コナンは受話器を手に取ったが、勢い余って落としてしまった。
コナン
「あ・・・!!」
ガチャガチャ・・・
コナン
「・・・!!」
ドアが開き、男が中に入ってきた。
「・・・」
男は受話器が落ちているのを見ると、ニヤリとした顔をし、歩き出した。
ガチャッ!
「なんだ、子供部屋か・・・」
そう言って出ていこうとした男は、服がタンスから出ている事に気がついた。
「フ・・・そこか・・・」
男はタンスを開けた。
ガチャッ!
「なんだ、服のソデが出ていただけか・・・」
そう言うと、男は部屋から出ていった。
その部屋のベッドの下で、コナンがふるえていた。
コナン
「(どうしよう・・・もし、見つかっちゃったら・・・)」
一方、帝丹小学校
歩美
「ねえねえ、夕方にコナン君のお見舞いに行かない?」
元太
「いいな!」
光彦
「行きましょう!」
ユリ
「そうね、行った方が元気になるかもしれないし・・・」
刃
「あら、そうかしら?男の子って、自分が弱ってる姿を他の人には見られたくないものなのよ?特に、好きな女の子にはね・・・」
そう言うと、刃は哀の方を見た。
哀
「え!?」
刃
「なーんてね、小学生には関係ないか・・・」
そう言うと、刃は音楽の授業の用意を持った。
するとその時、哀の探偵バッジが鳴った。
ピーピー!
哀
「ん?」
歩美
「あ、もしかして、コナン君からじゃない?」
光彦
「なるほど、1人で退屈だから、連絡してきたってワケですね!」
元太
「だけど、さっきからなんも声が聞こえねえぞ・・・」
元太がそう言うと、バッジから音楽が流れてきた。
『ソ〜ソソ〜ミド〜ドド〜レミ〜ミレ〜ドレ〜♪』
ユリ
「これって、ハーモニカの音じゃない?」
光彦
「そうか、コナン君が吹いているんですね!」
哀
「(イヤ・・・確か工藤君は、音楽が苦手だったような・・・)」
その次に、なにかの声が聞こえた。
『今日は5日!午前10時30分よ!!』
哀
「!?」
元太
「ハニー時計だ!」
ユリ
「ハ、ハニー時計?」
歩美
「悪の組織を裏切って仮面ヤイバーの仲間になった女性・スゥイートハニーの目覚まし時計よ!」
光彦
「前に阿笠博士にみんなで買ってもらったんです。」
刃
「でもおかしくない?どうして、コナン君の声じゃないの?」
歩美
「もしかしてコナン君、カゼで声が出ないんじゃ・・・」
哀
「江戸川君、そうなの?YESなら1回、NOなら2回バッジを叩いて!」
すると、1回音がした。
コン!
光彦
「やっぱり、声が出ないんですね?」
刃
「それにしても変だわ!」
ユリ
「何が?」
刃
「今日は5日じゃないし、今の時間は午前10時30分でもないわよ・・・」
光彦
「もしかしてコナン君、なにかボク達に伝えたい事があるんじゃ・・・」
哀
「江戸川君、そうなの?」
『・・・』
歩美
「コナン君、YESなら1回、NOなら2回バッジを叩くのよ!」
すると、音がした。
コン、コン!
哀
「・・・え?」
光彦
「2回!やっぱり、退屈だったんですよ!」
元太
「それより、急ごうぜ!次って、音楽の時間だろ?」
歩美
「遅れたら、小林先生怒るもんね!」
光彦
「早く行きましょう!」
哀、刃、ユリは疑問を残しながらも、歩美達と共に音楽室へ向かった。
「子供なのに、なかなかシャレた物持ってるじゃないか・・・君・・・」
コナン
「・・・」
ガタガタガタガタ・・・
コナンは、男に見つかっていた・・・ |