ファイル27:たとえ、どんな姿でも・・・
コナンと歩美の間に、しばしの沈黙が続いていた。
その長い沈黙を破ったのは、コナンだった。
コナン
「な、な、な、何言ってるんだよ歩美ちゃん!!ボクが新一兄ちゃんなワケないじゃないか!!(あわてるな・・・歩美ちゃんは小学生だ・・・うまくごまかせば、なんとかなる・・・)」
コナンは、歩美が小学生なので、大丈夫だろうとタカをくくっていた。
しかし、歩美はそう甘くはなかった。
歩美
「トボケないで!!証拠はもう上がってるのよ!!!」
コナン
「ヒッ!!」
歩美の迫力に、コナンは押され気味だ。
歩美
「最初におかしいと思ったのは、オバケ屋敷の探検に行った時だったよ・・・それから、イタリアの強盗団の暗号、デパートジャック、サバイバル、図書館・・・私達、たくさんの事件に遭遇してきたよね・・・」
コナン
「あ、ああ・・・」
歩美
「そのどの事件の時も、コナン君は的確な指示で私達を助けてくれた・・・最初は、ただのスーパー小学生だと思ってたよ・・・」
コナンは、冷や汗を垂らしている。
歩美
「私の疑惑が一歩進んだのは、哀ちゃんが転校してきた時に遭遇した偽札事件の時・・・あの時コナン君、拳銃に怯みもせずに、犯人達をなぎ倒したでしょ?それは、あの鍾乳洞の事件の時もそうだった・・・」
コナン
「う・・・」
歩美
「あまりにも推理ができすぎる・・・犯人達に怯えなさすぎる・・・そして私の疑惑は、ついに確信に変わったのよ・・・警察官連続射殺事件で、蘭お姉さんの記憶が一時的になくなったあの事件の時・・・毛利探偵事務所で、『ある物』を見た時にね・・・」
コナン
「そ、それって・・・?」
歩美
「新一お兄さんの写真が入った、アルバムよ・・・」
コナン
「な、なんだって・・・!?」
歩美
「あの後私、とても気になってね・・・こっそり蘭お姉さんのアルバムを見たのよ・・・そして、新一お兄さんと蘭お姉さんの子供の頃の写真が収められたページと、鍾乳洞の事件ですべてがわかったわ・・・コナン君が、新一お兄さんだって事がね!!!」
コナン
「ヤ、ヤダなぁ、決定的な証拠でもあるの?証拠もないのに変な事言わないでよ・・・」
歩美
「フ・・・あるじゃない、そこに・・・」
そう言うと、歩美はコナンの手をつかんだ。
コナン
「わっ!」
歩美
「思った通り・・・この腕時計、フタが照準になってる・・・」
コナン
「ゲッ・・・」
歩美
「カブトムシの事件の時、コナン君がこれを山村刑事にめがけて使ったの、私ちゃーんと見てたわよ!」
コナン
「な・・・」
歩美
「それに、その足のクツ!そのメガネ!その蝶ネクタイ!そして、オバケ屋敷の時に使ったゴム状の物・・・みんなみんな、阿笠博士の発明品でしょう!!」
コナン
「あ・・・あ・・・」
歩美
「さあ、白状しなさい!!高校生探偵・工藤新一!!!」
コナン
「ち、ちがうよ、歩美ちゃん!!ボクは・・・」
「もう、それ以上吉田さんをごまかすのは無理ね・・・」
コナン・歩美
「!!」
コナンと歩美が振り向くと、哀、刃、そしてユリが立っていた。
コナン
「灰原・・・刃ちゃん・・・ユリちゃん・・・」
刃
「やっぱり歩美ちゃんは、ただ者じゃなかったわね・・・」
ユリ
「これ以上はダメだわ。コナン君、正体を明かしましょう。」
コナン、哀、刃、ユリの4人は、歩美に真実を話した・・・
自分達は子供ではない事、APTX4869という毒薬で体を小さくされた事、他にも犠牲者が数人いる事、その毒薬を作った、黒の組織という犯罪組織が存在する事・・・
すべての話が終わった後、歩美が口を開いた。
歩美
「そうだったの・・・」
それから歩美は、コナン達に歩み寄った。
歩美
「話してくれてありがとう。でもね、たとえコナン君達がどんな姿をしていても、私はコナン君達の友達だよ。」
そう言うと、歩美はニコッと笑った。
コナン
「じゃあ、これからもよろしくね、歩美ちゃん。」
歩美
「うん。」
コナン達は、ほほえんでいた。
江古田市
黒羽邸
弥生
「いつっ・・・」
鈴
「大丈夫?弥生ちゃん。」
弥生
「ええ・・・あの時の傷が開いたみたいだわ・・・イタタ・・・」
鈴
「いったい、何があったの?」
弥生
「前にお兄ちゃんの代わりに、宝石を奪いに行った事があってね。その時、スネイクってヤツらの仲間の1人、クロウに拳銃で撃たれちゃって・・・後一歩でヤバいって時に、間一髪お兄ちゃんが助けてくれたのよ・・・」
鈴
「・・・」
弥生
「どうしたの、鈴ちゃん?」
鈴
「あ、イヤ・・・さっきの『スネイク』って名前が、妙に頭に引っかかってるのよ・・・」
鈴は、頭をひねる。
鈴
「どうしてなのかしら・・・」
弥生
「うーん・・・どうやら、鈴ちゃんを襲った男について、調べる必要が出てきたわね・・・」
弥生の目は、小学生の目ではない。
彼女のその瞳は、かなり真剣な表情だった。 |