ファイル26:ベルモットの見限り・・・歩美の疑惑心・・・
海での特訓も終わり、青年探偵団は旅行から帰ってきていた。
レオンと麻衣は京都、刃と松葉は大阪に帰り、コナン、哀、隆太は米花町に戻ってきていた。
コナン
「この夏休みの間に、みんなずいぶん上達したな・・・」
哀
「ええ、工藤君の教え方が上手だったからね・・・」
コナン
「博士、元気にしてっかな・・・」
哀
「ひょっとして、何かハプニングを起こしてたりして・・・」
コナン
「ハハ、ありえるな・・・」
そんな事を談笑しながら、阿笠邸まで戻ってきた時、突然哀がビクッとなった。
コナン
「ん?どうした、灰原?」
哀
「は、博士の・・・家から・・・組織の気配がする・・・」
コナン
「な、何!?」
コナンと哀は、阿笠邸に飛び込んだ。
コナン・哀
「博士!!!」
阿笠
「おお、新一に哀君!」
コナン
「なんだ、無事じゃねぇかよ・・・」
そう言うコナンの横で、哀がガタガタとふるえている。
哀
「く、工藤君・・・」
コナン
「ん?」
哀
「あ・・・あそこ・・・」
コナンと哀が見た先には、金髪の少女が座っていた。
はた目から見れば、ただの幼い少女にしか見えない。
だが、コナンと哀はこの少女の正体がわかっていた。
哀
「ベ、ベルモット・・・!!!」
金髪の少女が、口を開いた。
ベルモット
「あらら、こんなに早くバレちゃうなんて・・・さすが、組織の科学者ね・・・」
小さくても、彼女が放つ魔性のオーラはまったく変わっていなかった。
コナン
「博士、何もされてないか!?」
阿笠
「ああ、何も・・・それどころか、彼女は何も持っていなかったぞ・・・」
哀
「えっ、それって、どういう事!?」
ベルモット
「言った通りよ。今の私はもう、組織に追われる身・・・私は、黒の組織を見限ったのよ・・・」
コナン
「み、見限ったって・・・」
哀
「裏切ったって事!?」
ベルモット
「ええ。」
コナン
「ど、どうして・・・!?」
ベルモット
「私の事を嫌っている子が何人かいたのは、前々からわかってたわ。そして、ずっと組織で過ごしてきて、ついに私は組織のやり方が許せなくなったの・・・シェリーの件しかり、工藤新一君の件しかり・・・目的のためには手段を選ばない、彼らのやり方に私は憤りを感じたわ・・・そして私は、組織を裏切ろうと決意したのよ。」
コナン
「でも、そう簡単にはいかなかったんだね?」
ベルモット
「ええ。スキを見てジンを倒そうとしたんだけど、逆にスキをつかれて気絶させられちゃって・・・縛り上げられて、ガス室に閉じ込められちゃったのよ・・・」
哀
「ガス室・・・前に私も閉じ込められた所・・・」
ベルモット
「もうダメだって思った時、明美の霊が目の前に現れてね・・・」
コナン
「明美さんの亡霊が?」
ベルモット
「ええ・・・薬品棚からくすねてきたAPTX4869を私に飲ませて、ダストシュートから脱出させてくれたのよ・・・」
ベルモットは話を続ける。
ベルモット
「そして私は、彼女の恩に報いるために、必ず組織を壊滅させると決意したわ・・・もう私は、黒の組織の構成員じゃない・・・あなた達の味方よ・・・」
コナン
「ああ・・・」
哀
「これからヨロシクね、ベルモット・・・」
阿笠
「じゃあワシは、また転校手続きの書類を作成しに行くとするわい。」
ベルモット
「よろしくお願いします、阿笠博士・・・」
阿笠は、自室へと向かった。
コナン
「さて、と・・・」
哀
「小学校に通う前に、あなたの偽名がいるわね、ベルモット。」
ベルモット
「そうね。何にしたものかしら・・・」
コナン
「オレも灰原も、探偵の名前もじってるから、ベルモットもそうすれば?」
哀
「・・・っていうか、あなたは江戸川乱歩とコナン・ドイルをそのままくっつけただけでしょうが・・・」
ベルモットはしばらく考え込んでいたが、数秒後、手をポンッと叩いた。
ベルモット
「決めたわ、私の偽名・・・『金田一ユリ』にするわ!」
コナン
「金田一耕助からとったのか・・・」
ベルモット
「それもあるけど、好きなのよ・・・『金田一少年の事件簿』の金田一一君がね。」
哀
「意外すぎるわ・・・」
数分後、阿笠が戻ってきた。
阿笠
「無事完了じゃ!休み明けから学校に行けるぞ!!」
哀
「相変わらず、スゴいわね・・・博士・・・」
ベルモット
「工藤君・・・阿笠博士って、いったい何者なの・・・?不思議でたまらないんだけど・・・」
コナン
「一言で言うと、マッドサイエンティストだな・・・」
ベルモット
「ハ、ハァ・・・」
コナン
「あ、そうだ!コレ使えよ、父さんのメガネ!」
ベルモット
「あ、ありがとう・・・うわっ、キツい・・・」
そんなこんなで、新学期
帝丹小学校
小林澄子
「今日からまた新学期が始まります。みんながんばりましょうね!!」
「はーい!!」
澄子
「出席をとる前に、転校生を紹介します!どうぞ!!」
小林先生に言われ、金田一ユリが教室に入って来た。
澄子
「今日からみんなと勉強する事になった、金田一ユリさんです!みんな仲良くしてあげてね!!」
「はーい!!」
授業も終わり、放課後
コナン
「終わった終わった!公園でサッカーでもすっかな・・・」
コナンの後ろから、歩美が声をかけた。
歩美
「コナン君!!」
コナン
「なんだ、歩美ちゃん?」
歩美
「話があるの、屋上まで来てくれない?」
コナン
「あ、ああ・・・」
帝丹小学校屋上
コナン
「で、話って何なんだ?」
コナンはそう言いながら歩美の方を見て、ある事に気がついた。
歩美の目が、小学生の目でもなく、女の子の目でもなく、探偵の目をしている事に・・・
歩美
「コナン君・・・実はね、私・・・わかっちゃったのよ・・・」
コナン
「な、何が・・・?」
歩美
「コナン君が、新一お兄さんだって事よ・・・」
コナン
「へ・・・?」
コナンは、唖然となった。
歩美
「コナン君・・・あなた・・・工藤新一お兄さんね!!!」
コナン
「なっ・・・えええええ〜っ!!?」
しばらくの間、2人の沈黙が続いた・・・ |