ファイル23:ついに解き明かされた秘密・・・血の宝石・ブラッディブラッド
コナン達は、再び村の鍾乳洞の中に入っていった。
ザ・・・
松葉
「アンタ達、この鍾乳洞の奥にあるもの・・・見たんだね?」
レオン
「あー、ありゃ魔物の木乃伊か?」
松葉
「そう、それも・・・無数の魔物や妖怪が1つに固まって力を増したもの・・・竜や土蜘蛛や鬼なんかがね。たった1人の人間を倒すために・・・」
コナン
「人間・・・?」
松葉
「そして・・・コイツらはその人間に喰らいついた。」
麻衣
「じゃあ・・・やっぱりこれは人間・・・」
隆太
「古い鎧をまとっている・・・昔の武将か?」
松葉
「ちがう。それは・・・女の人だよ。何百年も昔の・・・忍者だって。」
哀
「忍者!?」
刃
「なるほどね。魔物や妖怪相手なら、忍者やアタシ達超能力者は侍三百人分ぐらい強いからね。」
松葉
「まだ貴族が世の中を治めていた頃・・・戦や飢饉が重なって人がたくさん死んで・・・死体や弱りきった人間を喰いながら、一気に魔物や妖怪が増えていったんだって。いろんな坊さんや武将や巫女が魔物や妖怪を退治してたらしいんだけど、中でも血牙宝華という女忍者は、魔物や妖怪の血と魂を取り出して清め、宝玉に変える術を使い・・・二十匹の魔物や妖怪を、一度に滅するほどの能力を持っていた・・・」
哀
「血と魂を取り出して清める・・・?」
松葉
「うん、なんでも・・・この世の物は人間も動物も木も石も、4つの魂でできているんだって。」
コナン
「4つの魂・・・四魂!?」
刃
「神道の1つの考え方ね。四魂とはすなわち・・・荒魂、和魂、奇魂、幸魂。これがそろって一霊となり、肉体に宿ったのが心だというわ。荒魂は勇であり、和魂は親、奇魂は智、幸魂は愛を司るわ。これら四魂が正しく働いた一霊は直霊といい、人心は正しく保たれるの。」
コナン
「オレ、意味がさっぱりわからん。」
哀
「なんか・・・一度に言われても・・・」
レオン
「・・・それで?」
刃
「悪行を行えば四魂の働きは邪悪に転び、一霊は曲霊となり人は道を誤るわ。」
レオン
「・・・いっぺんに言うなーっ。」
刃
「もう一度言おうか?」
松葉
「つまり魂は良くも悪くもなるって話よ。」
刃
「ええ。」
松葉
「とにかく、血牙宝華という女忍者は血と四魂を浄化し、魔物や妖怪を無力化する術を心得ていた。だからコイツらは血牙宝華を恐れ、命を狙い始めた。だけど、闇雲に襲っても浄化されてしまう。だから血牙宝華の能力に打ち勝つ、巨大で邪悪な魂を持つ必要があった。」
哀
「それで魔物や妖怪達が1つに・・・?どうやって・・・」
松葉
「見てごらん、あそこ・・・もう1人いるだろ?」
哀
「え・・・!?」
コナン
「あ・・・?」
哀
「あれも人間・・・?」
松葉
「血牙宝華を密かに慕っていた男がいたんだって。魔物や妖怪達はその男の心のスキにつけ込んで、取り憑いた。たくさんの魔物や妖怪が1つに固まるには、邪心を持った人間をつなぎに使うのが一番簡単なんだって。」
哀
「え・・・?この話・・・どこかで聞いたような・・・」
刃
「今の話は、まるであの死んだスコッチ・・・元々人間だったアイツが魔物に体を差し出し、鬼に生まれ変わった成り行きと同じじゃない。」
松葉
「あのスコッチが・・・?」
レオン
「続きを話せよアリスちゃん。この忍者は・・・魔物達に勝ったのか、負けたのか。」
松葉
「戦いは7日7晩続いたんだって。そして、とうとう血牙宝華は力尽きて体を喰われ・・・血と魂を吸い取られそうになった。その時血牙宝華は、最期の力で魔物の血と魂を奪い取って、自分の血と魂に取り込み・・・宝玉として体の外に弾き出した。それで魔物も血牙宝華も死に・・・血と魂の宝石が残った・・・それがビッグジュエル・ブラッディブラッド・・・でも・・・肉体は滅びても、ブラッディブラッドの中でまだ血牙宝華と魔物の魂は戦い続けているんだって・・・」
哀
「え・・・?」
松葉
「本当はね、ブラッディブラッドは持つ者の魂によって、良くも悪くもなるらしい。魔物や悪人が持てば汚れが増し・・・清らかな魂を持つ者が手にすれば浄化されると・・・何百年の間、ブラッディブラッドはいろんな魔物や人間の手を転々とし、アタシのじいさんの代に、この里に戻ってきた。」
コナン
「戻って・・・?」
松葉
「退治した魔物の体から出てきたんだよ。じいさんもその時の傷が元で、まもなく死んだけど・・・その後、アタシ達の流派と別の流派の間に戦争が起こったんだ。その時、ブラッディブラッドにヒビが入り、バラバラに四散し砕け散った。」
コナン
「その砕け散ったカケラが、ブラッドストーン・・・」
松葉
「ブラッディブラッドほどじゃないけれど、カケラ1つでも悪い者の手に渡れば、災いの元になる・・・ブラッドストーンはそういう宝玉なんだよ・・・」
コナン達は、黙って話を聞いていた。
松葉
「アタシの第1目標は、一刻も早くブラッドストーンを集めて元のブラッディブラッドに戻し、浄化してこの世から消し去る事・・・それまで、アタシの仕事は終わらないんだ・・・」
コナン
「オレ達の目的は、2つだ。」
レオン
「1つは、黒の組織の居所を突き止めて、組織を壊滅させる事だ・・・」
隆太
「もう1つは、ブラッドストーンを集めて元のブラッディブラッドに戻し、この世から消し去る事だね・・・」
刃
「なんかマジメに話し合ってるわ。」
哀
「そお?じゃ、今のうちに温泉に・・・」
松葉
「隆太君はともかく・・・銀一君や新一君ものぞきとかすんの?」
麻衣
「見ないわよ。」
哀
「カッコつけてるから。」
ザ・・・
松葉
「(見られたいのか。)」
スル・・・
ザ・・・
哀
「あ・・・」
刃
「(背中に傷跡・・・)」
松葉
「!ああ・・・この傷。残っちゃったな・・・」
麻衣
「あの・・・それ、魔物に?」
松葉
「・・・傷をつけたのは・・・死んだアタシの弟・・・黒の城で魔物に操られ・・・父上や仲間まで殺させられて・・・最後は・・・」
哀
「あ・・・」
松葉
「臆病でやさしい子だったんだよ。でも・・・死ぬ前に・・・元のレンに・・・弟に戻ってくれた。」
ザ・・・
刃
「ゴ・・・ゴメンね。」
麻衣
「そんな辛い話・・・」
松葉
「いいよ、別に。ここにいるみんな、それぞれワケありなんだろ?それに・・・」
スッ・・・
松葉
「やっぱりのぞいてやがる。」
ビュッ!
ザ・・・
キュウ・・・
哀・刃
「ん?」
麻衣・松葉
「サル!?」
コナン・レオン・隆太
「おいっ、何の騒ぎ・・・」
ヒョイ。
哀・刃・麻衣・松葉
「キ・・・キャアアアアッ!!!」
パーンッ!!!
レオン
「マジメに話を続けてたのになぁ。」
コナン
「オレまで疑いやがって。」
ミシ・・・
隆太
「いいじゃないか。結構なものを見せてもらったし。」 |