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またいつか一緒に【第10話】

作者: このはな

この話は聖魔光闇先生の企画したリレー小説の第10話です。

下記設定事項に従って記述しています。


 ★全40話

 ★一話2000文字以上

 ★登場人物数制限なし

 ★ファンタジー要素無し

 ★SF要素無し

 ★地の文は主人公視点

 ★重複執筆可

 ★ジャンルはその他

 ★執筆予約制廃止(予約を入れてくださる著者様を拒みはしませんが、

  ある程度の執筆予約が入ってからの執筆開始はしません。

  執筆予約を入れられた著者様に関しては、活動報告に掲示させていただきます)

 ★執筆著者様は、執筆前にご連絡ください

 ★執筆投稿後、必ず御一報ください

 ★あらすじは、前話までの要約を明記

 ★全ての物語を聖魔光闇がお気に入り登録します

 ★後書きに執筆著者様募集広告を添付


一話:聖魔光闇先生 http://ncode.syosetu.com/n1590t/

二話:日下部良介先生 http://ncode.syosetu.com/n2296t/

三話:ふぇにもーる先生 http://ncode.syosetu.com/n3991t/

四話:koyak http://ncode.syosetu.com/n4630t/

五話:創離先生 http://ncode.syosetu.com/n8318t/

六話:蟻塚つかっちゃん先生 http://ncode.syosetu.com/n9612t/

七話:聖魔光闇先生 http://ncode.syosetu.com/n1100u/

八話:伝次郎先生 http://ncode.syosetu.com/n2759u/

九話:koyak先生 http://ncode.syosetu.com/n4425u/

十話:このはな さくら


どうぞ宜しくお願い致します。


 四人で話し合った日から三日たって最初に迎えた金曜日。不思議なことにその間、俺たちに関わる惨事はひとつも起こらなかった。ピタリと復讐劇が止まってしまったかのようだ。

 次の場につなぐために、小休止でもとっているのだろうか。


 どうせ今夜、感想メールを送らねばならないのだ。意味ありげな返信がまた来るハズだ。そのとき何かわかるかもしれない。

 俺が望んだ事とはいえ、脚本を書いているのは向こうなのだから、この静けさもきっと筋立ての中の一場面なのだろう。


 そう、たった一文で終わるト書きのごとく――




 そんな折、昼の一時をまわった頃、勝俊から連絡が来た。


「やっと来栖をつかまえたぞ。退院して実家に帰ったあと、昨日からマンションに戻ってきているんだってさ。これから直接行こうかと思っているんだけど、智哉、おまえも行くか?」


 俺たちとちがって来栖は、実家が大家をやっているアパートで一人暮らしをしていた。駅前にあるため、ここから徒歩で行くのは遠すぎる。

 とうぜん車で行かねばならないのだが、タクシーを拾う方がいいだろうか。


 脳内に浮かぶ、不敵な笑み。

 パソコンのモニター画面の明かりに照らされた、黒崎の青白い顔。

 

 キケン、キケン、キケン。


 リフレインが止まらない。


「オイ、どうした? 智哉、智哉!」


 携帯の向こうから、あせった声が聞こえてきた。ハッと我に返る。

「あっ、わるい。ちょっとボーっとしちゃってさ」

「なんだよ、驚かすなよなあ」

 ホッとした様子で、勝俊が答えた。

「おまえに何かあったと思ったぜ。よけいな心配させんなよ」

「ああ、うん」

「とにかく、そこにいろよ。十五分後には迎えに行くからな」

 俺の返事を待たずに、通話が切れた。

 ――せっかちなヤツだな。しっかりしてるのか、していないのか。

 携帯を無造作に放る。


 ちゃんちゃら可笑しいぜ。

 死ぬような目にあったっていうのに、ヤツは相変わらず元気だ。すぐにショックから立ち直り、元気に動き回っている。そうやって元気でいられるのは、いつまでなんだろうな。なあ、勝俊。


 おまえ、怖くないのか? おまえは俺に復讐されているんだぞ、一応な。だったら、少しくらい、それらしく見せてくれよ。

 小屋ん中でガタガタ震えていたときのおまえは、なかなか可愛かったぜ。


 そう思う一方で、安堵している自分がいるのは確かだ。己の弱さを認め克服し、一連の出来事に立ち向かおうとしているヤツを、うらやましくも頼もしく感じているのだ。

 他意が入っている可能性を否定しきれないものの、この復讐劇を始めたのは俺なのに。


 なんて身勝手なんだろう、俺っていうニンゲンは。


 のろのろとベッドの上に手を伸ばし、枕元に隠してあったスタンガンを取り出した。




「お待たせいたしました、霧島様」

 やはり、迎えに来たのは黒崎の車だった。俺の家の前に黒塗りの大型バンが停まっていて、ご近所様に目立つったらない。しかも、ご丁寧に障害者マークまで貼ってある。

 黒崎は、執事よろしく、俺に向かって深々と頭を下げた。

「二人で来栖の見舞いに行くって言ったら、黒崎が車を出してくれたんだよ。用心した方がいいだろうからってさ」

 俺や黒崎を信じて疑わない勝俊が、にこやかに笑う。

「ああ、そうだね。そうしてくれると、僕も助かるよ。あまり、この姿をさらしたくないからね」

 意識しなくても、つい言葉が尖ってしまう。だが、勝俊は気づいていない。黒崎も無反応だ。

「黒崎さん、お願いします」

「かしこまりました」

 二人に手伝ってもらって車椅子ごと乗り込むと、来栖のアパートに向かって車は出発した。




「来栖、来栖! おーい、クーちゃんよーい」

 インターフォンを押しても、ドアを激しく叩いてもムダだった。ドアの向こうは静まり返っていて、人のいる気配がしない。

 留守なのだろうか。それとも……。嫌な胸騒ぎがする。

「なんだよ、アイツ。俺たちが来るの知っているくせにさ~」

 ようやくドアを叩くのをあきらめて、勝俊は手をおろした。考え込むように顎に指を添えてポーズをとる。

「それとも、女と一緒だから、シカトこいてるだけだったりして」

 にんまりと口の端を上げて笑った。

「勝俊! 冗談言うなよ。来栖は彼女に刺されたんだろう? こんなときに女なんか……」

「わかってるって。こんなときだから、冗談言ったのさ。おまえ、遥とまだ最後までヤッてないんだろう。だからカタいんだよ。おっと失礼、下ネタだったぜ」

 俺の言葉を茶化すように、勝俊は言った。そして、言い終わったとたん、表情がみるみる変わる。

「くっそう。これ以上、なんかあってみろ。ぶっ飛ばしてやる!」

 ガツンと蹴っ飛ばした拍子に、ドアがギーッと金具の音をたてて開いた。最初からカギは開いていたらしい。俺たちは、顔を見合わせた。

「てやんでい、カギかかってねえのか。不用心だな。ジャマするぜい」

 なぜだか顔を赤らめ江戸っ子風にケチをつける勝俊。ズカズカと部屋へ上がっていく。

「勝俊様、お待ちください。おひとりでは……わたくしも参ります。霧島様、万が一何かありましたら、どうぞこの防犯ブザーをお使いください」

 黙って事の成り行きを見守っていた黒崎まで、俺を廊下に残し室内に入っていった。


 それから間もなくだった。一、二分とたたないうちに、青ざめた顔をした勝俊が部屋から出てきた。その後ろにいるのは黒崎のみ。住人である来栖の姿はない。

「どうしたんだ、勝俊。やっぱり来栖は留守だったのか?」

 できることなら、もう二度と死体を見たくない。

「それが……その、来栖はいなかったんだけどさ。書き置きがあったんだよ」

「書き置き……?」

 死体がなくてホッとしたが、意外な展開に驚いた。拉致されたのなら業者の仕業だとわかるが、書き置きがあるのなら来栖自身の意思による行動だからだ。

「勝俊、その書き置きは、間違いなく来栖のモノなのか?」

 すると、一枚の紙切れを差し出された。

「霧島様、こちらでございます」

 うやうやしい態度で俺に一礼する黒崎。その顔に、あのとき見た不敵な笑みは微塵もない。

 黒崎から黙って紙切れを受け取り、裏返して文面を確かめた。


『カノジョを見つけた。会いに行く。時間がないんだ。スマン』


 鉛筆によって書き殴られた文字。急いで書いたようだった。この筆跡は、来栖のモノだ。直感的に思う。


「どう推測する、智哉? カノジョって、アイツを刺した彼女のことだと思うか?」

 まだ顔色が悪かったが、すっかり落ち着きを取り戻したようだった。勝俊は真っ直ぐな視線で俺を見た。

「そう思うのが自然だけど、でも、これだけじゃ、わからないな。カノジョって他の女の人のことを言っているのかもしれないし。それに、僕は来栖の彼女とは面識がない」

「ああ、それは俺も同じだ。一度も会ってない。来栖を刺したあと、彼女の方は消息不明になったと聞いたぜ。が、手掛かりはある。書き置きと一緒に写真があった。たぶんヤツの隣にいる女の子が、カノジョだと思うけど?」

 そう言って勝俊は俺に写真を見せた。


 まさか……こんなことってあるのか?


 冷水を浴びたように、冷たい汗がドッとでる。

 来栖の隣で笑っていたのは、紛れなく彼女だったからだ。


 八草椎名。


 能面の恋人だ。


 髪形も、身に着けている服も、メガネをかけているところなんかが、ダブルデートのときの印象とガラリと変わっているが。間違いない、彼女だ。


 能面と付き合う前は来栖と付き合っていた、ということなのだろうか。


 だが、八草椎名は死んだ。能面の目の前で、突っ込んできた車に潰されて。能面が叫んでいたじゃないか、彼女の名前を。


 けれど、俺と遥は現場を見ただけだ。事故の瞬間は見ていない。


 と、いうことは、だ。能面が首をつった行為は、自殺未遂じゃなく。

 ひょっとしたら、口封じ……?

 

 そして、八草椎名は、カノジョなのか?




「智哉、智哉! どうしたんだ、智哉!」


 何度も名を呼ばれたが、俺は写真から目が離せなかった。ただ、ひたすら一組の幸せそうなカップルを見つめるばかりだった。

 

これはリレー小説です。

リレー小説とは、複数の著者様による合同執筆(合作)の事をいいます。

執筆にご参加いただける著者様は

事前に聖魔光闇先生(http://mypage.syosetu.com/107085/)までご一報、

そして投稿後にもご一報ください。

よろしくお願いいたします。


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― 新着の感想 ―
[一言]  おおっ、大きく話しが動き始めましたね。  勝俊君のパワー、凄いですね。  まさかの来栖の行動、そしてそれを取り巻く女の影。  新たな展開が待ち受けている予感がします。  今後どうなってい…
[一言] 早っ!どんだけ速筆ですか!? …っと失礼しました(笑)執筆お疲れ様でした。 怪しい人が更にもう一人増えましたね。 来栖君が"何"を追っていったのかも気になります。 黒崎さんの方は何を考えて…
[一言] これまで、チラッと登場しただけで、さらっと流されていた来栖・そして、その彼女が……。 それにしても、先の展開がかなり気になる終わり方をしましたね。 来栖の彼女もさることながら、怪しげな黒…
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