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短編

逃げる人

作者:桃兎
わがままで精神年齢も低いと思う
だけどそんな彼が王子としての執務の時は凛々しくなる

第三王子という微妙な立ち位置が彼を孤独にさせていた
まだ15歳になったばかりとはいえ王子として立派に勤めている

側室の子、どうせ第三王子
王位継承は低く誰もが腫れ物を触るような態度に嫌気がさしたころ、平民の私と出会った

王子としてじゃなく、彼に惹かれた
それが彼には居心地良かったらしい

それが恋情に変わるのに時間はかからなかった

私は14歳、彼が16歳になった時、異変が起きた

彼は正室を向かえるようにたくさんのお見合いをさせられ異変に気がつくことはなかった

だから一枚だけ手紙を出した

「さようなら、愛しています。探さないでください」

彼は忙しくなっていく、その上、正室を迎えるならば、私は邪魔だ






妊娠がわかった時、体が震えて
嬉しい気持ち、恐ろしいと思う心

ああ、あの人の子
ああ、重荷になってしまう

私は、前々からお話があった田舎に乗合馬車にのった

早く、早く

あの人の子を守りたい
あの人に見つけて欲しい
ううん、見つかってはいけないんだ



田舎暮らしが半年も経つとお腹が目立って来る
周りの目は厳しい
頑なに父親を言わなかったせいだ

お腹がぽこっと動く
あ、蹴った
と微笑む


その時だった
黒い影が落ちる

人が前にいるのがわかって顔を上げる
そこには怒りと悲しみを表情に出した愛しい人がいた



どのくらいたった?
私は逃げてしまった
部屋の鍵をかけてお腹をさすった
守らなきゃと思った
逃げても意味などないのに



ふと違和感を覚える


なぜ彼がここに?


王位継承は低い彼、更には平民の子
王家では探す必要もない子じゃないの?

覚えた違和感は膨らむ

鍵を開けると彼が情けない顔で立っていた
泣きそうな顔で


ギュッと抱きしめられて、困惑した
「心配、したんだぞ」
声が震えてる

張っていた気が緩んで涙がこぼれた

「産みたいの、あなたの子を」

「産んでくれ」

「いいの?私はこの子とあなたを望んでいいの?」

「当たり前だろ」

その言葉と一緒に抱きしめる手が強くなった

「愛してる」

ああ、幸せを手に入れた

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