ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
  緋色の眼 作者:ジョン
明日、テストが終われば夏休みです・・・
今後の緋色の眼の予定ですが。

多分第三部まで行くと思います。
一応EDの形も大体決まりました。
不満なEDかもしれませんが最後までお付き合いいただけたらなと思います。
一応続編も考えておりますので。

【第二部】十八話:墜式


    ──ドクンッ



 俺の中で何かが動いた──



    ──ドクンッ



 意思を感じる──



    ──ドクンッ



 うるせぇ──



    ──ドクンッ



 俺はお前だ?──



    ──ドクンッ


 意味がわからねぇ────










「いっくよ───っ!!」

 彼方の拳銃─魔弾から弾丸が撃たれた。
 しかし、正宗は回避行動すらとらずに二神風雷を振ると弾丸を弾き飛ばす。
 
「真砂剣菱、榛名神璽と罪歌を安全な場所へ連れて行け」

「・・・我が敵であるお前の命令を我が聞くと思うか?」

「そうしなければ罪歌は確実に死ぬぞ」

「・・・フン」

 そういうと剣菱は罪歌と満身創痍の神璽を担いで離れた場所に向かった。
 
「僕は彼方を殺す、時雨はもう一人を」

「はい」

 時雨は返事をすると刀を抜き、相手を見据える。
 しかし、黒服を纏った者は全く動こうとしない。

(コイツ・・・梨香ちゃんの時の奴と似ている)

 時雨は改めて警戒した。

「終わったかな?」

 彼方が正宗と時雨に問う。
 
「待たせてすまない、すぐに殺してやる」

 それと同時に正宗は高速で走り出した。
 二神風雷を両手に持ち、彼方へと肉薄する。

「フフン」

 正宗の下段からの斬撃を難なく交わし、彼方は拳銃のグリップ部分で正宗のこめかみを狙う。
 しかし突如として正宗は残像を残して消えてしまう。

「後ろだ」

 彼方の首筋に刀が押し当てられる。
 そして正宗がそのまま首を掻き切ろうとした時だった──

「甘いねぇっ!!!」

 何時の間にか正宗の顔の正面に魔弾の銃口が向いていた。
 魔弾のトリガーが引かれる。
 顔を振って何とか直撃を避ける正宗、そして後ろへと跳び体勢を立て直した。

「ハハハハハッ! ザクロみたいにしてあげようと思ったのにさぁ!」

 嗤う彼方。
 正宗はだまって俯くとこめかみから流れる血を拭った。

「・・・・・・・・・」

 ──正宗の姿が残像を残して消えさる。
 次の瞬間には、彼方の前方へと迫り全力で彼方を殴りつけた。

「────っ!?」

 吹っ飛んだ彼方は何とか受身を取ると体勢を立て直す。
 そして前を向いたときにはもう下から正宗の靴の先が迫っていた。
 顎を正面から打ちぬかれ脳みそが揺れる。

「いい加減に──っ!」

 激痛──薄れ行く視界には刀を刺された自分の足。
 抜いては刺し、抜いては刺し、激痛が頭を駆け巡る前に更に激痛が彼方を襲う。
 
「・・・・・・・・・・」

 正宗は二本の刀を抜き、距離を置いた。
 そして二本同時に彼方へと向かって振るう。

「風雷牙」

 その名の通り、二つの風と雷の斬撃が彼方へと命中した。
 二神風雷は風と雷を纏う二本の刀の式神、それの本質の力。
 爆音──周囲一体の全ての物が風と雷によって破壊される。

「チッ・・・」

 正宗は顔を上げる。
 その目は通常の緋眼の色ではなく血のように濃い赤。
 闇夜に正宗の赤い目が暗く光っていた。

(親父の・・・墜式か)

 正宗は父の本気を見て本能的な恐怖を感じた。
 アレが没落していた八神をここまで持ち直した男──八神正宗の本質であると気づいたから。
 
(それにしても・・・)

 時雨は前方で固まっている黒服を見た。
 仲間の彼方がアレだけやられたというのに全く反応を見せずに立ったまま。
 正直不気味で近寄りがたい。

「ん・・・?」

 黒服が反応を見せた。
 首を回し、彼方が吹っ飛んでいった場所を見る。
 そして──

「クッ・・・クククク・・・さっきのは墜式だね・・・」

 瓦礫を弾き飛ばし彼方が現れた。
 全身が血に塗れ、色白な肌が赤く染まっていた。

「そうだ」

「お礼に僕達の力──【狂化】を見せてあげるよ」 

 大気が変質した。
 周囲に禍々しい気配が満ち溢れ彼方の姿がだんだんと変わっていく。
 元々大柄ではないのだが段々と肌の色が黒く染まっていき、筋肉も膨張し始めた。
 最後に頭部から鋭い角が突き出し、彼方の変化が止まる。

「悪鬼・・・」

 正宗がそう呟く。
 無理もない、変身した彼方の姿は正に典型的な悪鬼そのものであった。

「【雷獣】! 攻撃を許可する」

 その言葉と同時に黒服が弾かれた様に飛び出した。
 完全に油断していた時雨はとっさに刀を引き抜く。
 黒服─雷獣の爪と時雨の刀が拮抗しあった──が力に耐え切れずに時雨が吹っ飛んだ。

「時雨!」

「お前の相手は僕だよー!」

 彼方の拳が正宗の顔にめり込んだ。
 完全に油断しきっていた正宗はそのまま数メートル吹っ飛ばされてしまう。

「クッ・・・」

 慌てて立ち上がるも彼方は驚異的な速さで近づいてきた。
 立ち上がる間もなく腹部を蹴られ正宗は呻いた。

「ガハッ・・・」

「さっきはよくもやってくれたねぇ・・・」

 正宗の頭を踏みつけ嗤う彼方。
 容赦ない一撃が次々と正宗にダメージを与えていく。

「・・・・・・・」

「アンタ殲滅者さんだろー? これぐらいで死ぬなよー」

 血塗れになって仰向けに寝そべる正宗のアバラに向かって蹴りを入れる彼方。

「ガッ・・・ァァ・・・」

「親父っ!」
 
 遠くで時雨が叫ぶ──それをきくと彼方はさも楽しそうに魔弾の銃口を正宗へ向けた。
 すると魔弾の形状がどんどんと変化し、やがてマシンガンのような形へとなった。

「【驟雨魔弾】 じゃあね」

 トリガーを引──次の瞬間大量の氷柱の嵐が彼方を襲う。
 彼方は何発か体に刺さりながらも何とか後退する。
 そして攻撃がきた上空を見て怨嗟の声を上げた。

「千島蒼二・・・っ!」 

「久しぶりじゃねーか! 右腕はくっついたみたいだな」

 命に捕まって紅雪を持った蒼二は獰猛に笑った。
 そう言うと蒼二は命の手を離して地上へ降り立つ。
 そしてそのまま反動をつけて高速移動すると時雨に食いかかろうとしていた雷獣を蹴りで吹っ飛ばす。

「ボサッとしてんなよ時雨! 殺しちまうぞ!」

「蒼二・・・フン、言われるまでもない」

 時雨は立ち上がると蒼二と向き合った。
 
(二年前までは・・・あんなに頼りなかったのにな・・・)

 敵ではあるが、成長した蒼二の姿を見るのは素直に嬉しい。
 心は遠く離れているが、今居る場所はとても近い事を時雨は悟った。

「命! 罪歌の怪我を治してやってくれ!」

 遠くから剣菱の怒鳴り声が響き、蒼二はそちらへと駆けて行った。
 時雨はその背中を見送ると雷獣と彼方へ再び注意を向けた。 








「罪ちゃん・・・」

 命が罪歌の傍へ降り立つと真っ青な顔をした罪歌が居た。
 呼吸は荒く、止血してある箇所からは今も血が滲んでいるのがわかる。
 
「命、頼むぞ」

「うん・・・『傷よ癒えろ』」

 すると見る見るうちに罪歌の傷が癒えていった。
 そして呼吸もだんだんと正常に戻っていき、落ち着いてきた。

「ふむ・・・感謝する」

「仲間だもん・・・当然だよ。 そっちのはどうするの?」

 命は意識を失って倒れている神璽を顎で指した。
 剣菱はしばし考え込むとやがて言う。

「そちらも頼む。 結晶持ちだ」

「わかった・・・でも【緋澄】をくらったみたいだね・・・火傷が酷いから時間がかかるよ」

「問題ない、ではここを頼むぞ」

「うん・・・」

 剣菱は立ち上がると蒼二を見た。
 そして正面からその瞳を見据えて蒼二へと問う。

「蒼二・・・お前は戻らなくていいのか?」

「ああ」

「だが今回ばかりは共闘しようと思う、でも次は敵だ・・・わかってるな?」

「・・・おう」

「我はお前の父親と八神正宗が憎い、確かに我ら一族は寄生型悪鬼にとりつかれ止むを得なかったであろう。
 しかし・・・我だって人間だ・・・姉や妹や両親を殺されてそうですかと納得できるほど出来た人間ではない」

「・・・剣菱」

「故に復讐する、罪歌に何の策があるか分からないが結晶を集めてそれが果たせるなら・・・我は全てを殺す」

「・・・誓うぜ剣菱・・・俺も死罪六神として最後の最後までお前らと俺のために手を汚してやる」
 
 二人はそれだけ言うと並んで時雨達の所へと走り出した。





 遥緋は夕暮れの道をひたすら走っていた。
 疲労が溜まり、休みたくなるがそれでも遥緋は走る。
 
「あ・・・」

 前方から父親の式神の気配がした。
 遥緋は父親達と合流するために、角を曲がりそちらへ向かう。
 角を曲がるとまず巨大な剣が見えた。

(アレは・・・二年前の技だよね・・・)

 二年前の御崎家との戦いで使った蒼威ブレードがそこにあった。
 そして剣の柄の部分には蒼威が座っている。
 しかし遥緋にはそれよりも目に惹かれることがあった。

(陸人さん・・・何がしたいんだろう?)

 陸人の行動を見て遥緋は半ば呆れていた。
 すると剣はいきなり上昇すると、ゆっくりと飛んで行った。

「あーあ・・・お父さん達行っちゃったよ」

(遥緋)

(なに?)

(蒼威達を追いかけろ)

(うん・・・まぁ、そのつもりだけど)

(もしもの時は俺に代われ)

(わかった)

 会話を終えると遥緋は再び走り出す。
 父達の姿を追いかけて・・・












+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。