はい、第三話です。
そろそろ物語を動かしたり、
式神について更に触れたり
新キャラを出して生きたいと思っています。
感想お待ちしております
第三話:東京
千島蒼二は東京に居た・・・そして早くも迷っていた。
蒼二が今居るのは新宿駅、まさに人、人、人である。
(なぁ悲煉、これからどうする?)
(お前・・・何も考えずにここまで来たのですか・・・)
(やっぱ抜け駆けはマズかったか・・・だって遥緋とか邪魔じゃん)
(まぁ、それもそうですけどね・・・)
蒼二は遥緋を疎ましく思っていた。
自己主張が弱く、オドオドした態度、それに学校での態度。
本当に血を分けた兄妹なのかと蒼二はよく考える事がある。
(しかし、住む場所も無い、お金も無いのは少しキツイですね)
(ああ・・・確かにな)
(仕方ない、その辺りでカツアゲでもして当面の旅費でも稼ぎましょう)
(おお! ナイス提案、なるべく悪そうな奴から取ろうぜ)
(弱い物虐めは主義に反すると?)
(いや、純粋にツマランから)
「時雨ちゃん・・・ここはどこ?」
「ん? 東京都のはずれにある街さ」
「いや、だから何でこんな所によるの・・・?」
「ここは、蒼威さんが最後に引っ越した街だよ、ここに協力者が居てね」
遥緋は駅から街並みを見る。
一応大きなビルや、デパートなどがあるが全体的に寂れた感じである。
町のそこらじゅうにはスプレーで落書きがしてあり、はっきり言って汚い。
「・・・協力者?」
「蒼威さんの親友さ、会ったことないかな? 浅葱陸人さんて人なんだけど」
その瞬間、遥緋の頭の中に過去の記憶がよみがえった。
自分の頭をなでて笑っている赤い髪の男の人・・・
「アレは・・・幼稚園の頃・・・ウチで・・・赤髪・・・」
「そうそう、その人だよ。 あの人なら知ってるかもしれないからさ」
「お父さんの・・・親友かぁ・・・」
(・・・・・・・・・・ここは・・・)
(灼那、どうしたの?)
(・・・うっせーよ! 黙って前見て歩け)
灼那に怒られたため、遥緋は時雨の後をあわてて追う。
とりあえず、今はその陸人さんに会って話を聞こう。
そう考えると遥緋は満足そうに薄く笑った。
夜の街に、少年たちの悲鳴が響く。
渋谷の路地裏には、数十人の少年たちが呻きながら転がっている。
その中を赤い瞳の蒼二が素早く動いていた。
「て・・・テメエはなんなんだよ! 俺らが何したってんだよ!?」
最後に立った少年が震えながら言う。
そして赤い瞳が元の色に戻り、蒼二はニヤリと笑う。
蒼二の左手には刀身が青く輝く、長めの日本刀。式神だ。
「ハハハ、意味はねーよ! 強いて言うなら金を出せ」
「わ、わかったからよ・・・その物騒なモンしまえや」
蒼二は式神に念じると、姿を消させた。
蒼二がこの少年グループと喧嘩を始めて数時間。
式神の基本的な使い方は全て彼らを実験体にして理解していた。
「ほら、しまったぜ。さっさと金だせや」
「あ・・・お、おう・・・オメーら全員財布出せや」
少年が倒れている仲間たちに呼びかけると、
蒼二のほうに財布がどんどん投げつけられた。
蒼二は中身を確認しながら言う。
「ふんふん、結構持ってるじゃねえか、もう行っていいぞ」
「ヒィィィィ」
動ける者は、動けない者に手を貸し、少年たちは逃げていった。
少年たちが去ってからしばらくして・・・
「さて、ホテルでも探すかな」
蒼二も路地裏を出ようとする。
すると、前方に大きな黒い塊が蠢いていた。
それはだんだんと形を作り・・・やがて、醜悪な刃物を持った鬼となった。
「あ・・・悪鬼!」
(妖怪で言うとナモミハギに似ているますね・・・怠け者を戒める神です)
式神を出した蒼二は緋眼を発動させた。
世界が赤く染まり、ナモミハギの動きが鈍く見える。
(先手)
(必勝ですね・・・)
蒼二は一気に間合いを詰めて、悪鬼に切りかかった。
「グオオオオオオオオオ」
悪鬼の悲鳴が響き渡り、肩口から赤い血のような物が噴出す。
蒼二は一度旋回すると、足を狙って切りつけた、が悪鬼はそれを跳躍して回避する。
(悪鬼にも血みたいのはあるんだな)
(・・・蒼二、アレを使いなさい)
悲煉が蒼二に語りかけてきた。
蒼二は頷くと式神を地面に差し込む、すると・・・そこから氷が発生した。
「これでもくらいなぁ!」
蒼二は地面に発生した氷をゴルフのスイングみたいに式神で払う。
緋眼の神速の速さで砕かれた氷はマシンガンのような勢いで悪鬼に叩きつけられる。
悲鳴をあげる暇もなく悪鬼は穴だらけなり、悪鬼は地を撒き散らして崩れ落ちる。
(ふぅ・・・楽勝だったな)
(これはまだ下級程度でしょう・・・もっと強くならねば)
(そうだな・・・)
その時、蒼二の式神が震えだした。
そして・・・悪鬼の血が式神に吸収されていく。
悪鬼の血を吸っているのだ。
「スゲエ・・・今日からお前の名前は【紅雪】だ!」
蒼二は式神に語りかける。
(ふむ・・・中々いい名前ですね・・・)
蒼二は紅雪に、姿を消させると歩き出す。
やがて・・・蒼二の姿は人ごみの中に消えていった。
日が沈んだ頃、遥緋と時雨は山に上にある一軒屋に辿り着いた。
かなり大きな家だ。庭が特に広い。
時雨がインターホンを押すと声が聞こえた。
「はい」
「あ、私、八神時雨と言います・・・浅葱陸人さんは御在宅でしょうか?」
「ああ、俺だよ・・・って時雨!? 門開けるから入ってきてくれ」
門が音を立てて開いていく。
遥緋と時雨は門をくぐって歩いていき、玄関に辿り着いた。
そして玄関が開いた。
「よぉ!お久しぶり時雨! お、そっちは彼女か? 親に似てロリロリだねー」
いきなり、テンション高めでベラベラと喋る黒髪の男。
すると、遥緋はおどおどしながら言った。
「あの・・・浅葱陸人さんはどこですか?」
「ハァ!? 俺だよ! 俺が浅葱陸人!」
「でも・・・髪の色が真っ黒・・・」
「俺の基準は髪の色かよ!」
「まぁまぁ、アレだけアホな頭してたからしょうがないですよ」
「言うようになったじゃねえか時雨・・・・・・ま、あがれや」
陸人に案内されて、二人は応接間へ通された。
しばらく座ってると陸人はビール缶を三つ持ってきて座った。
「ま、好きに飲んでくれ!」
「俺達未青年なんですけど・・・ってか詩歌さんと梨香ちゃんはどうしたんですか?」
「・・・・・・・・・俺の実家」
「陸人さんの実家もこの市内ですよね? 何かあったんですか?」
「・・・ちょーっと魔がさして、出会い系に登録したら見つかってキレられて出てかれた」
「梨香は俺を汚いものを見るような目で見るし、詩歌はずっとシカトだし・・・」
「一緒のベットで寝ててシカトだぞ! 触ると怒るし! アレはきつかった・・・」
「実家に帰って謝ればいいじゃないですか」
「実の親にも立ち入り禁止令をくらった!」
「ハハハ、ダサ」
「時雨・・・何かお前俺を挑発してねーか?」
「親父に陸人さんには失礼な態度をとれって教わってるんで」
「正宗の野郎・・・次会ったら殺す・・・んでこの子は誰?」
陸人は、遥緋を見た。陸人はただ見ただけなのだが
遥緋は睨まれたようにとってしまい俯いてしまう。
「蒼威さんの娘ですよ! 親友の娘の顔すら覚えてないんすか!?」
「いやいや、俺も年でな〜 アレ? 双子じゃなかったっけ?」
陸人がヘラヘラしながら言うと時雨の顔が曇った。
時雨の中で勝手に出てった蒼二への怒りがふつふつとまた湧いてくる。
「まぁ、あの超大馬鹿者は置いといて・・・蒼威さんがどこに居るか知りませんか?」
「蒼威かぁ・・・そういや先週ウチに一人で来たな」
「ええ!?」
「お父さんが!?」
「ああ・・・あの日は詩歌と梨香の機嫌がよくてなー いい日だったわ」
「何か言ってませんでしたか?」
「いや、最近は悪鬼の数が多いとか、生意気なガキが現れたとか、そんな事かな?」
「そうですか・・・」
「あーそういや、御崎家と戦争になるかもしれんつってたな」
陸人の呑気な言葉に時雨が血相を変えた。
遥緋は意味がわからずまたもビクつく。
「本当ですか!?」
その時電話が鳴った、陸人は舌打ちするとノソノソと動き出す。
「はい、浅葱です・・・あ、遥ちゃんか、お久しぶりー娘さん来てるよー
ああ、うん、いやいや・・・あっ俺ベット寂しいから今日一緒に寝てもいい?
え・・・駄目・・・うん、冗談さーアハハハ・・・え?この会話録音してるの!?
詩歌に送る? ちょっと待って!! え? 十万円はきついって!
ああ・・・うん・・・うん・・・あ、ごめんねー、反省してる。ああ、わかった伝えるよ」
電話を置くと、陸人は時雨に言った。
「御崎家の事で会議があるらしいからさー帰って来いって」
「はい、わかりました」
時雨は真面目な顔つきになって荷物を持ちながら言った。
相当焦っているらしく、あまり上手く荷作りはできていない。
「時雨ちゃん・・・私はどうすればいいの?」
「陸人さん、しばらくこの子預かってもらえませんか?」
「ああ、いいよ〜この子式神使えるん?」
「まだ未熟ですが、一応使えます。 よかったら鍛えてあげてください」
時雨が言うと陸人がニヤリと笑いながら言う。
「OKOK、では早速修行を始めよう」
「は、はい・・・ヨロシクお願いします」
「では、まずお風呂で修行しようか! 身を清めるトレーニングさ」
「え・・・あ、あの・・・そのぉ・・・」
ガタッ
物音がして三人は振り向いた。そして陸人の顔が真っ青に染まる。
そこには、小柄なショートカットの女性と、遥緋と同年代ぐらいの女の子が居た。
時雨はヤレヤレとため息をつくと、部屋の隅に移動する。巻き添えをくらわないために。
「陸人〜」
「あ、ハハハハ・・・おかえりなさいませご主人様」
「人様の娘に手を出すなんて・・・貴方どこまで腐った人間なの?」
「じょ、冗談さ・・・」
「お母さん・・・お仕置が必要だよね?」
「り、梨香!?」
陸人は哀願するような目で周囲を見渡すが、遥緋ももう、間合いを取っていた。
そして・・・数秒後に浅葱家に凄まじい悲鳴が響き渡った。
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