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  緋色の眼 作者:ジョン
かなり間が開きましたが、お祭戦闘編序章です。

後、新しく物語を始めようと思います。
名前は@ホームって小説です。
一応この緋色の眼と同じ世界観のお話なので
良ければ読んでやってください。
悪鬼、式神は出てきませんが。
【第二部】十四話:開始

16:10

「いってきまーす」

「行ってきます」

 浴衣をきた遥緋と由加。
 そんな二人を遥は笑顔で見送る。

「はい、行ってらっしゃい・・・気をつけてね」

「うん」

「わかりました」

 その時、廊下の扉が開いて蒼威が現れた。
 昨日飲みすぎたせいか、非常につらそうな表情である。

「うー・・・」

「あ、お父さん起きてたんだ」

「ああ・・・なぁ遥緋」

「なに?」

「今日、帰ってきたら・・・お前の第二人格と話をさせてくれないか?」

「ん、聞いてみるね」

(灼那、どう?)

(・・・・・・考えさせてくれ)

(いいじゃん、話すくらい)

(・・・考えさせてくれ)

(ん、わかった)

「考えさせてくれってさ」

「・・・わかった、んじゃ祭を楽しんで来い」

 蒼威の顔に笑顔が戻った。
 そして遥緋と由加は家を出た。





16:25

 とある町の一角。
 そこに浴衣を着た聖子と志穂は居た。
 
「聖子、今から作戦を説明するわよ」

「うん!」

「アンタは何とか蒼二をメールで西公園に呼び出して、アタシはハルを誘導するから」

「うん、わかったー」

「これで仲良くなれば良いんだけどね・・・」

 志穂は中学時代の二人を思い出した。
 暴れまわり、全員から疎まれていた蒼二。
 ひっそりと耐え、気丈に笑っていた遥緋。

「ソージさんとハルちゃんって仲悪いんだ・・・」

「蒼二は皆から嫌われまくってたからね・・・だから遥緋を避けてたんじゃないかな」

「そうなんだ・・・」

「うん・・・あ、そろそろ集合時間だ、行こう」

「うん」






16:35

 死罪六神のたまり場となった酒場。
 五人は、思い思いの服装に身を包み、部屋の中でそれぞれが好きな事をしていた。
 すると剣菱が突然呟いた。

「・・・祭、か」

「どうしたの剣ちゃん?」

「我は祭が好きだったのだ」

「へぇー意外、でも私も祭って参加した事ないんだよねー」

 祭について語り合う剣菱と命
 するとしかめっ面をした罪歌が二人に言う。

「ごめんなさいね・・・わざわざ祭の日に設定して」

「いや、罪ちゃんは悪くないよ! 悪いのはー・・・うー・・・」

「無理に探さなくていいのよ・・・」

「そういえば狂」

「あ?」

 部屋の隅で漫画を読んでいた狂が顔を上げた。

「罪歌にエロ本買って貰ったのか?」

「買ってもらってねーよ! ってか聞いてたなら助けろよ!」

「フッ・・・」

「何だその笑いはぁっ!!」

 漫画を剣菱に向かって投げつける。
 しかし、虚空からの熱線により本は一瞬にして塵と化した。
 そしていつも通りの非常に低レベルで、戦いだけは高レベルな喧嘩が始まる。
 そんな中、携帯を持って立ち尽くしたまま動かない蒼二に命が気づいた。

「蒼ちゃん、どうしたの?」

「いや・・・おい、罪歌」

「なに?」

「俺は先に西区画行ってるぜ」

「いいけど・・・」

「おう、じゃあまたな」

 酒場を出ると蒼二は全力で走った。
 もし、届いたメールが真実ならば大変な事になるとわかったから・・・




16:45

 薄暗い部屋。
 無機質な部屋。
 そこに神代彼方は居た。

「あー・・・あー・・・皆聞こえてる?」

 手元にあった無線機で呼びかけた。
 そして部屋中のスピーカーから肯定の返事が流れ出した。
 まさに音の暴力、カルト的雰囲気が部屋に満ちた。

「聞こえてるみたいだね」

「さて、僕らの仕事はお兄様達が来る前に戦いを始める事さ!」

「結界士はお兄様達が来るまで絶対死ぬんじゃないよ!」

「・・・ターゲットは榛名神璽、棗 由加だけど、ついでに千島と八神も殺していいよ」

「結晶について知りすぎちゃったからねー、んじゃヨロシク。 僕もすぐに出るから」






16:55

 中心街の人ごみの中、神璽は一人立っていた。
 すると遠くから浴衣を着た由加が歩いてくるのが見える。

「よう、ん? 由加だけか?」

「遥緋達は用事があるらしい、二人じゃ嫌?」

 いつもと変わらぬ無表情。
 しかしその表情の奥にある感情が神璽には垣間見えた。
 神璽はニッっと笑うと由加へ言う。

「いや、久しぶりにサシで話が出来るから嬉しいわ」

「そう」

 由加の表情が和らぐ。

「んじゃ、まずは何か食おうぜ! 金ならたっぷり貰ってきたからよ!」

「うん」






17:00

 彼方は怒鳴った。

「はーい! 開始です! 結界士さんよろしくぅ!」








17:01

 突然の志穂からのメールが来て、遥緋は西側公園に居た。
 そして公園のベンチに座っている志穂をみつける。

「志穂、何でこんな場所に呼び出したの? こっちには店とか出てないよ?」

「いや、聖子の友達が来るんだって」

「へー」

 少なからず動揺する遥緋。
 すると少し離れた場所から聖子が走ってくる。

「あ、聖子来た」

「やっほー」

「あ、やっほ。 あの人来てくれるって」

 そのまま談笑する三人。
 すると聖子が言い出す。

「あ、来た」

 遠くから凄まじい速さで誰かが走ってくる。
 遥緋は目を凝らして顔を見た─

「・・・・・・! お兄ちゃん!?」

「仲の悪い兄妹の感動の対面よー!」

 志穂が嬉しそうに叫ぶ、が蒼二はそれを無視し怒鳴った。

「おいお前ら! 早くここから逃げろぉ!」

「え?」

 次の瞬間、空を暗闇の膜が覆った。
 しかしそれは一瞬だけで、すぐにもとの景色へと戻る。

「─! 結界・・・」

「チッ・・・ってか誰だ? まだ作戦開始時刻じゃないはずだぜ・・・」








17:01

 四人は酒場から出て、空を見ていた。

「結界張られたわね・・・」

「この結界・・・神代だな・・・・チッ! 先を越されたか」

 狂が荒々しく言い捨てると、周囲の風が凝縮され暴れだした。
 そんな弟を罪歌は諌める。

「落ち着いて、命・・・お願い」

「うん」

 意識を集中。
 感覚をこの町全体へと段々と広げて、結晶の気配を探した。

(─見つけた)

 二つの気配が並んで移動しているのを確かに感じた。
 ─命は言霊を発動させ、呪文を唱えた。

『この二人を、西側に一キロ移動!』

 言霊は大規模な変質を起こせば起こすほど精神が磨り減る。
 唯一つの言葉を紡いだだけなのに命の全身は汗に包まれていた。

「クッ・・・ハァハァ・・・」

「ご苦労様、しばらく休んでなさい」

「ん・・・だ、大丈夫だよ・・・」

「馬鹿、ここからは俺らに任せろよ」

 狂が命の頭に手を置いて言う。

「狂ちゃん・・・」

「我らにはお前のような優秀な力は無い、戦う事でしか役に立てん」

 剣菱は軽く命に笑いかけながら言う。

「剣ちゃん・・・」

「皆、行くわよ・・・暁とナナシの敵も取ってあげましょう!」

「ああ・・・あいつらだけはぶっ殺す」

「うむ、我も容赦せん」

 世界に捨てられ、憎悪を抱いた三人は進む。
 仲間の仇をとるため、自分達の目的を果たすために。





17:10

 千島家の庭に蒼威、陸人、正宗、時雨の四人が居た。
 庭にはバイクの駆動音だけが響き、声は無い。
 そして沈黙を破り、正宗は切り出す。

「時雨、準備はいいか?」

「はい」

「ニワトリと蒼威は、まぁ・・・好き勝手に暴れるがいいさ。 死んでも責任は取らないからね」

「ニワトリじゃねーっての! テメーこそあの女に殺されるんじゃねーぞ!」

「誰にものを言っている? 僕は【殲滅者】八神正宗だよ」

 正宗が言うと陸人もヘラヘラしながら言った。

「へいへい、んじゃ行くか・・・」

「翡翠でニケツすんのも久しぶりだな・・・」

「ああ、久しぶりにコイツも喜んでるぜ!」

 バイクを嘶かせ、陸人と蒼威は出て行った。
 そして後に残った二人も進みはじめた。

「行くぞ時雨・・・墜式はモノに出来たのか?」

「さぁ?」

「まぁ・・・・・・開眼したなら自ずと風格が出るものだ、それでわかる」

「詩歌さんにフラれて自暴自棄になって開眼した人に言われたくないですよ」

「な・・・! お前ドコでそれを知った!?」

 冷静だった正宗の顔が驚きに染まった。
 時雨は得意そうに笑いながら父に言い放つ。

「僕は戦闘よりも情報収集のほうが得意ですから」

「クッ・・・」

「その僕でさえ・・・神代刹那の式神だけはわからないんですよね。
 瞬と彼方は露出が多いからわかるのですが・・・刹那だけがわからないんですよ」






17:12

 高速道路を走る一台の高級車。
 その中には二人の男がスペースを十分すぎるほどに使って座っていた。
 そして沈黙を破り、神代瞬が口を開く。

「兄貴、彼方の奴が始めたらしいぜ」

「知ってるさ・・・あの子も今回は積極的に動くね」

「あの千島蒼二に斬られた腕の復讐をする絶好のチャンスだからな」

「千島蒼二・・・非常に興味深い、もちろんその妹、千島遥緋もね」

「最凶最悪の兄妹だな、アレが組んでたら俺らでも相当キツイと思うぜ」

「・・・ふむ、報告によると二人は現在一緒に居るようだね」

「マジか! チッ・・・誰だよあの二人を引き合わせたのは」

「さあ・・まぁ、とりあえず彼方に戦力増強の指示を出しておきました。第一分隊はもう全滅してらしいですから」

「ありえねぇ・・・俺達も急ごうぜ」

「うん、わかってるよ」











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