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  緋色の眼 作者:ジョン
はい、式神も決まり旅立ちです。
次回からはもう少しキャラを掘り下げたいと思います

蒼二編 遥緋・時雨編に分かれる予定です。
感想お待ちしております。
第二話:式神、そして旅立ち
 千島家の食卓は静寂に包まれていた。
 誰一人声を発する事も無く、静かに食事を口に運んでいる。
 時折、時雨が愛想笑いのような笑みを浮かべるがそれも数秒で消えてしまっていた。
 そして・・・

「んで・・・いつになったら話すんだよ!」

 蒼二が沈黙に耐え切れなくなって怒鳴る。
 この家で、一番気が短いのは蒼二、次が灼那なので当然の事だった。
 時雨は曖昧な顔で言う。

「あの・・・遥さん、そろそろ教えてあげても・・・・・・スイマセン」

 蒼二と、遥緋の母、遥に睨まれて時雨はうつむいた。
 千島遥は身長が高く、髪の長い三十代前半の女性である。
 蒼威とは高校の時に出会い、そのまま結婚という流れなので緋眼は使えない。
 そして、時雨や蒼二や遥緋は遥に逆らえた事は一度も無い。

「ふぅ・・・仕方ないわね」

 遥が茶碗を置き、話し出す。

「まぁ、大体は罪歌って子が話した通りよ」
「蒼威君と正宗さんは東京で悪鬼を狩ってるわ・・・」

 遥はそれだけ言うとお茶をすする。
 時雨は黙って聞いており、遥緋はうつむいていた。
 
「じゃあ、何で黙ってた?」

「蒼威君が悪鬼の存在を知ったのは高校を卒業してからなの。
 だから貴方達もそれまでは、普通の生活をしていて欲しかったのよ」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「はい、じゃあこの話は終わりだな。さてさて、楽しくご飯を頂きましょう」

 時雨が明るく提案するが誰も箸を握ろうとしない。
 まぁ、無理も無いだろうと時雨は思った。
 初めて自分が悪鬼の存在を知った時はしばらくはまともに飯が食えなかった。
 そう思った。

「母さん・・・」

「何?」

「俺・・・親父を探しに東京へ行く!」

「駄目」

「何で?」

「危険だから」

「俺には緋眼があるし悲煉も居る!」

「無理よ、アンタ弱いじゃん。素人相手に喧嘩して粋がっちゃってさ」

 遥の言葉は蒼二の胸をつく。
 すると黙っていた遥緋も言った。

「私も・・・お父さんに会いたい・・・」

「あ〜もう遥緋まで・・・時雨君! 何とか言ってやって!」

「ええ!? 俺ですか?」

 いきなり話を振られた時雨は混乱してしまった。
 蒼二と遥緋は遥に似て頑固である事を時雨は知っている。
 これは無理だろぉ・・・と素で思った。

(全く・・・似たもの親子だよなぁ・・・)

「じゃあ、こうしましょう。 式神が使えるようになったら探しに行けるって事で」

「式神召還は難しいから・・・いいわ、二人ともその条件でいいわね?」

「おう、明日中に出てってやるぜ!」

「・・・うん!」

「親父め・・・もし女とウハウハしてやがったらブチ殺してやるぜ」

「お父さんはそんな人じゃないよ!・・・多分」

「いや・・・ウチの親父ならともかく蒼威さんは結構・・・ヤバイかもな・・・」

 蒼二と遥緋と時雨の三人がそんな話をしていると、遥の表情が険しくなっていく。
 何やら色々な感情が含まれたような顔つきであった。

「ママ、どうしたの?」

「もし・・・もし仮に蒼二が言ったようなことになっていたら・・・半殺しにしていいわよ♪」

 笑顔で言う遥だが、三人の視線は遥の手にあった。 
 遥の持っていた湯のみ茶碗がミシミシと悲鳴を上げている。
 その光景に三人は戦慄した。

(悪鬼よか怖ぇ・・・)

(ママは怒らせちゃいけないな・・・)

(もし、そうなってたらあの蒼威さんと戦うのか・・・どっちみち死ぬかも)








─翌日─

「まぁ、まずは式神の事から説明しようと思う」

 八神の屋敷の、訓練施設に三人は居た。
 蒼二と遥緋にとっては幼い頃からここであらゆる武術を時雨から習ってきたため、
 馴染み深い場所でもある。
 蒼二なんかはよほど自信があるのかもう旅の荷物まで持ち込んでいる。

「んじゃ、まず式神には大きく分けて三つの種類がある」
「昨日、俺と罪歌がだしたのが【現象型】っていって、まぁ自然現象を起こす式神だ」

「へえ・・・」

「んで他には【具象型】って奴と【特殊型】ってのがあるな」

「具象って・・・形を持っている奴ですか?」

「そう、遥緋正解! ウチの親父さんはこの【具象系】の式神使いだ」

「じゃあウチの親父は?」

 蒼二が時雨に問う。
 時雨はしばし考えてからやがて言った。

「蒼威さんは・・・多分【特殊型】だ。マジで戦うのがアホらしい位強い」

「ふーん」

「式神の事はあまり解明されてないんだ、意思を持ってるのもいれば力だけってのも居る」
「まぁ、意思を持ってるのはホント極稀だけどな」

「んで、どうやったらその式神ってのは使えるようになるんだよ?」

「そうそう、それが聞きたい」

「せっかちな兄妹だなぁ・・・まず、座って目を瞑って集中しろ」

 蒼二と遥緋はリラックスした体勢で目を瞑り集中した。
 幼い頃から集中は何回もやってるため二人とも手馴れている。


─まず、もう一人のお前と同調するんだ─


(悲煉・・・)

(灼那・・・)

(蒼二・・・)

(遥緋・・・)

 二つの体の四つの人格はお互いを呼び合う。
 

─心を一つにして、自分の中心を探れ─


 蒼二と悲煉は意識の中で手を取り合い、探って行く。
 遥緋と灼那も同様にして中心を探す。

(あった・・・)

(見つけた・・・)

(発見・・・)

(よっしゃ・・・)


─それを二人で触って・・・確かめろ─


(細長い・・・)

(・・・壊れてく)

(冷たくて・・・硬いな)

(・・・再生してる)


─そのままそれを表に出せ!─


「よーし! 目を開けろ」

 蒼二が目を開けると、目の前に一振りの日本刀があった。
 遥緋が目を開けるとどこにもモノは無い。

「蒼二が【具象型】遥緋が【現象型】か・・・まさか一発で成功とはね」

「え・・・私も成功してるの?」

「力を感じるだろ? それが【現象型】の特徴だよ」

「蒼二のはあからさまなんだが・・・遥緋、使い方わかるか?」

「うん、何となくだけど」

「よし、やってみ」

 遥緋は集中した。さっき感じたアレを思い出す。
 すると灼那が語りかけてきた。

(ヒャッヒャッヒャ! 俺にもわかったぜぇ・・・)

(うん、灼那、やってみよう)

(おうよ!)

 遥緋は床に集中し。さっき感じたのを放出していく。
 すると床がひび割れ裂けていく。

「はい、ストップ・・・遥緋、再生もできるのか?」

「あ、やってみる・・・」

 遥緋が集中すると避けた床が元通りになっていく。

「ふむふむ、じゃあ次、蒼二・・・・・・ってもういない!?」

「あっ! ホントだ・・・お兄ちゃん早いなぁ・・・」

 しばし、道場は沈黙に支配された。
 やがて、時雨は気を取り直したかのように言う。

「はぁ・・・あいつ東京のどこに行く気だよ。 よし遥緋、灼那」

「はい?」(んだよ)

「遥さんに報告して旅の準備を始めようか」

「え? 時雨ちゃんもいくの?」

「当たり前だろうが! ったく本当は三人で行く予定だったのに・・・」

ここまでお読みいただきありがとうございました


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