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  緋色の眼 作者:ジョン
お久しぶりです。
これの十四年前のお話をやっと完結させたので
更新再開します。
感想くださった皆さんありがとうございます。
明日には返信いたしますので。

【第二部】二話:神崎森羅




「クソ・・・体が痛ぇ・・・」

 朝起きると、神璽は鏡を見た。
 昨日・・・蒼二とか言う奴に殴られた部分は黒く痣になっており見るからに痛々しい。
 そして支度をしてカバンを持つと一つの事に気づく。

「あれ? 俺ケータイどこやったっけ?」

 アレには沢山の女の子の個人情報がつまっている。
 神璽にとっては命の次に大事な物であった。 

(まさか・・・昨日の戦いの最中に落としちまったか・・・)

 神璽は慌てて家を飛び出した。
 



「いってきまーす」

 そう言って遥緋は自宅を出た。
 いつもの通学路、いつもの風景、それらを見ながら遥緋は歩いていく。
 そして町の中心辺りまで歩いた時、冷たい気配の残滓を感じた。

「これって・・・」

 走ってその気配のする地点へと向かう。
 そこは裏路地のような場所で、何故か不自然に建物が壊れたりしていた。
 遥緋は回りをしばらく観察して、灼那に問う。

(どう思う?)

(この気配・・・明らかに蒼二だな、禍々しい気配出しやがって)

(私もそう思う・・・お兄ちゃんつい最近ここで力を使ったんだ・・・)

(そうみたいだな・・・おい、見ろ。まだ傷が新しい。 時雨に報告しておけ)

(うん・・・)

 そう返事をすると、建物の影に何かが落ちているのを見つけた。
 それは・・・

(携帯電話?)

(落し物か・・・それにしても何かひっかかるな)

(だね)

「千島さん?」

 灼那と話していると突然後ろから声がかかった
 遥緋は一瞬ビクッとすると後ろを振り向く。

「榛名君・・・」

 クラスメイトの榛名神璽が居た。
 席が割かし近いため、何度かは会話した事がある。
 お洒落で、話が面白いので結構女にモテた子だと記憶している。

「あ、そのケータイ俺のだ〜」

「これ、榛名君のなの?」

「うん、拾ってくれたんだ、ありがとう」

「いや・・・いいよ」

 遥緋は神璽に携帯を渡した。
 
「いやー昨日の夜、ここで落としちゃってさー困ったよ」

「昨日の・・・夜?」

「あ・・・う、うん・・・っと俺そろそろ学校行くわ。 また教室で〜」

「あ、うん・・・また〜」

 それだけ言うと神璽は走り去った。
 すると遥緋はポケットから自分の携帯を取り出して番号をプッシュする。
 ・・・相手は三コール待たずに出た。

「遥緋か?」

「うん、久しぶり、時雨ちゃん」

「何か用事? こっちは残りの二つの結晶の事で大忙しなんだ」

「ああ、一人持ち主が見つかったんだっけ?」

「うん・・・今、そっち方面に逃げているらしいから近いうちに顔を出すよ」

「逃げている?」

「神城の奴らや他の家からも追いかけられているらしいんだ、ウチの術者も数人やられている」

「そうなんだ・・・」

「もう一個のほうは全く手がかりがないけどな、んで用事は?」

「ああ、うん・・・今日・・・私の高校付近でお兄ちゃんの式神の気配が残ってたの・・・」

「本当か! 蒼二の奴・・・」

「お兄ちゃん・・・死罪六神の一員なんだよね・・・」

「ああ・・・蒼二以外ほとんど目撃例はないけどね・・・中には死んだって意見もある
 死罪六神も死罪六神で更に新しい人物が入ったみたいだしね」

「そうなんだ・・・私はしばらくお兄ちゃんの足取りを追ってみるね」

「ああ、頼む・・・蒼威さんと遥さんによろしく」

「うん、じゃあまたね」











 とあるオフィス街の一室。
 最新のAV機器やパソコンが設置され、床がほぼケーブルで埋め尽くされている部屋だ。
 そこには、一人の女と男がモニターを睨みながら語り合っている。

「Sが接触、しかし関係はまだ疑われていないと思われます」

「・・・ほぉ、まだあの家なら話は通じるから現状維持で良いだろう」

「Yの方はどうなっている?」

「八神派、神城派、死罪六神、その他、の四勢力から逃亡中です。
 非常に足取りをつかむのが難しく、この情報は一ヶ月前の物です」

「なるほど・・・」

「八神とその他は大きな動きは掴めているのですが・・・神城と死罪六神はどうも・・・」

「仕方が無い、神代はもうあの三人と極少数、死罪六神に至ってはたった五人だ」

「・・・申し訳ありません、死罪六神の新規加入者の情報もまだあまり・・・」

「わかった・・・ではYだけは絶対に渡すな、もしもの場合は殺害を許可する」

「わかりました、それとあの件はどうなったのでしょうか?」 

「ああ、アレなら許可が下りた。自衛隊から数人を式神使いにしてバックアップに当てるんだっけ?」

「はい、こちらではもう訓練を開始しており、この街に入っています」

「相変わらず手回しが早いね、まぁこの件は君に一任しよう」

「ありがとうございます」

 それだけ言うと女は出て行った。
 男のほうは胸ポケットから煙草を取り出し一本数と自嘲気味に呟く。

「はぁ・・・公務員って大変」









 

「ハルー! 今日は逆ナン行くわよ!! 逆ナン!」

 中学時代からの親友、絹塚志穂が今日も太陽のような笑顔で遥緋に言う。
 蒼二のせいでクラスから浮いていた遥緋の数少ない友達である。
 
「私はパチンコ行きたい〜」

 高校で出会った大野聖子は穏やかな外見とは裏腹に危ない事を言う。
 遥緋は二人の意見を聞くと、ため息をついて立ち上がった。

「んー、私、男の子って苦手なのよね」

「何言ってるの! 高校で寂しい青春送るわけ?」

「いやーなんて言うかねぇ?」

「パチンコ!! パチンコ!」

「聖子、あんた高校生でしょ?」

「娯楽に年なんて関係ないよ? ね、ハルちゃん」

「あはは・・・ノーコメントで」

「まぁ、いいわ・・・とりあえず街のほうへ行こっ!」

 志穂が言うと、三人はぞろぞろと教室の出口へ向かった。
 そして・・・

「お、千島さん、今朝はありがとう!」

 神璽とドアの前で出会った。

「ああ・・・いやいや、気にしないで」

「いやーアレ無きゃ俺の全てが失われるトコだったわー皆さんお帰りで?」

「うん、これから街をブラブラとね、榛名君は?」

「俺は補習だよー」

「榛名、アンタずっと寝てるからねぇ」

「いやいや、絹塚さんも豪快に寝てたじゃん」

「アタシにはハルと聖子と言う強い味方が居るからいいのよ!」

「うわー! ずるい!! マジウゼー」

「ホホホ、お馬鹿さんには補習がお似合いよ、んじゃ馬鹿はほっといて行こー」

「じゃあね、榛名君」

「さようなら」

「チクショー!!!」

 神璽の悔しそうな声を聞きながら三人は学校を出た。
 









 散々遊び終え、遥緋は帰途へついた。
 色々とあったらしく、かなり疲弊した顔つきの遥緋。
 時刻はそろそろ日が沈む時間帯であり、道行く人たちも帰路についている。
 
(テメー最近遊びまくりだな)

(折角の高校生活は楽しまないとね、あ、もしかして灼那羨ましいの?)

(馬鹿言え、俺がテメーぐらいの時は日付かわってから帰るのが常識だったぜ)

(え? 灼那にもそんな時代があったの?)

(・・・嘘だ)

(えー気になる! 教えてよ〜)

 心の中で会話しながら二人は家路を急ぐ。
 すると、前方に何やら長身の男がうろついているのを見つけた。

(誰かなあの人? ここら辺じゃ見かけないけど)

(アイツ・・・・・・いや、なんでもない」

 すると長身の男が遥緋に気づき、近寄ってきた。
 よくよく見ると、ホストのような顔立ちをした男であった。

「あの、お時間よろしいですか?」

「あ・・・はぃ・・・」

「この辺りに千島さんのお宅はありますか?」

「ええっ!?」

「どうかしました?」

「千島は・・・ウチですけど・・・」

 すると長身の男の顔つきが柔らかくなり、笑顔になった。
 
「ああ、じゃあ君は蒼威の娘の遥緋ちゃん?」

「あ、はい」

「お父さんの古い友人の神埼森羅です、よろしく」









「森羅君!? ちょ、くるなら連絡してよ!」

「ハハハ、仕事でこっちに着たからねぇ」

 遥緋が森羅を連れて家に帰ると、遥が驚きながら応対した。
 状況に全くついていけない遥緋はただ混乱するばかり。
 
「ま、上がって、上がって、蒼威君もいるからさ」

「お邪魔します」

 森羅が部屋に上がり居間へと行くと、蒼威はいつもとは違いちゃんとした格好をしていた。
 しかし、やはり片手にはビールを持っており、ほろ酔い状態である。
 
「よぉ、森羅」

「よぉ、久しぶり」

「ん? お前自衛隊はどうしたんだよ?」

「ああ、何か変な部隊に飛ばされてよぉーここら辺でしばらく駐留さ」

「ほぉー」

「ま、今日は挨拶に来ただけだからよ、また今度陸人も誘って飲もうぜ」

「ああ、わかった」

 それだけ言うと、森羅は帰ってしまった。
 そして遥緋が蒼威に問う。

「お父さん、森羅さんはいつのお友達なの?」

「あのなぁ・・・俺と森羅と陸人は中学時代からトリオ組んでたんだよ
 色々悪さしてなー何回も警察に捕まったんだよ」

「へー」

「ん? 何だその変なモノを見るような目は」

「いや、何でお父さんや陸人さん見たいな人と森羅さんみたいなカッコイイ人が仲間だったのかな?と」

「馬鹿! 森羅は確かにモてた、そして陸人はモてなかった
 しかーし、高校行ったら俺達には彼女が居て奴は卒業まで独り身だったのさ」

「いいよ・・・お父さん・・・無理しないで・・・」

「オィィィィィ! 遥ちゃーん! 娘が苛めるよ〜」

 遥かに泣きつく蒼威。 
 しかし遥は急ぎ足で食卓に夕食を並べながら言い放つ。

「はいはい、わかったわかった。 蒼威君そこに箸並べておいてね」

「・・・はい」

 そのまま不機嫌そうに箸を並べる父を見ながら遥緋は一言。

「お父さんって・・・ホント・・・よく結婚できたわね」

「なんか言ったか!」

「いや別に〜 着替えてきます〜」











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