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  緋色の眼 作者:ジョン
お久しぶりです^^
今回から第二部スタートですww
【第二部】一話:榛名神璽 





 青く染まる空、流れる雲、教室の窓からそんな光景が見える。
 東京都にある相馬学園は今日も平和であった。
 そして一年二組の教室から榛名神璽は空を見上げていた。

「青春最高・・・」

 そう呟き、教室内を見る。
 このクラスはいいクラスであった、今のところ皆仲良くやっていて・・・
 何より、女の子のレベルが高かった。
 
(フフフフッ! やっぱこっちでも遊んじゃおー、でもまずは眠いから寝る)

 そう思うと、カバンから枕を取り出して昼寝を始めた。
 そのままウトウトしていると、隣に居座っていた三人の女子の声が聞こえた。

「それにしてもハルちゃんも大変だったよね〜」

「え? 何が?」

「ほら、ソージの事よ・・・アイツ今、海外に居るんだっけ?」

「あはは・・・まぁ・・・そんな感じかな」

「ソージって誰?」

「あ、私のお兄ちゃん」

「ウチの中学最悪の問題児にして最強の無愛想!
 人を人とも思わぬ言動!んでジコチューですぐにキれる!
 ハルちゃんと同じ股から出てきたとは思えない生物よ!」

「あはは、まぁ・・・でもお兄ちゃんだし」

「ハルちゃん可哀想・・・じゃあ帰りにアイス奢ってあげるね」

「あはは・・・ありがとう」

「よっし! それじゃあアイスクリームを食べにGO!」

 それだけ話すと三人の女子達は教室から出て行った。
 
(ふぅ、やっと静かになった〜今のは絹塚と千島と大野か)

 そして静かになったので寝ようとするが眠れない。
 どうやら完全に寝る機会を逃してしまったようである。

「あ〜もう!」

 神璽は机にかけてあったカバンを掴むと教室から出た。
 級友たちに挨拶をしながら学校を出ると神璽は中心街へと向かう。
 家に帰っても誰も居ないし、面白くもないので遊んでいく事にしたのだ。
 神璽は天涯孤独の身であり、とある人達から援助を受けて生活している。
 何故援助されるかはわからない、でも楽して暮らせるなら神璽はどうでもよかった。

(まぁ・・・旅行とかに行けないっては不便だけどな)

 何故か旅行とかへ行くのは禁止されていた。
 指定された地域から抜け出そうとするとすぐさま迎えが来る。
 そのせいで何度か不便はあったが、何とか楽しくやっていた。






 友達と遊んだ後に遥緋は家へと帰宅した。
 今、住んでいる場所は東京都なので、八神家から引っ越したわけだ。
 蒼威がそろそろ自分の家が欲しい欲しい、とダダをこねて正宗に買ってもらったのである。
 そしてリビングへ行くとまだ夕方なのに酒を出してテレビを見ている父親に言った。

「ただいま」

「おう、お帰り〜 ちゃんと悪い事してきたか?」

「してないよっ! ママは?」

「ん? 遥ちゃん? さっき起きたからわからんなぁ」

 ヘラヘラ笑いながら言う父親の姿に遥緋はため息をついた。
 そして更に言い放つ。

「さっき起きていきなり酒なのね・・・お父さん、少しは働こうよ」

 御崎家の戦い以降、蒼威は悪鬼狩りの仕事をしなくなった。
 どうやら、今まで頑張った分、余生はゆっくりと過ごすらしい。
 そして蒼威は娘を諭すように言う。

「遥緋・・・、お父さんはもう十年間休み無しで毎日働いていたんだ。
 数年ぐらい休憩したっていいだろ? それに訓練はこっそりと続けているし」

「ハハハ・・・あんな強い式神をほとんど家政婦同然に使ってるだけじゃない」

 蒼威はたまに大我を人間の形に変化させて家事をやらせていた。
 以前、メイドの形にした時に遥にボコボコにされてからは
 ゴジラになったり、ウルトラマンになったりしている。

「いや、俺の大我よりもお前の輪廻転生のほうが遥に強いぞ。
 ってかあんな式神見たことねーっての! 無茶苦茶な式神じゃねーか」

「そうなの?」

「ああ、今まで色々な式神使いと戦ってきたがお前見たいなのは初めてだ」

「ふーん」

 それだけ言うと蒼威は再びテレビを見始める。
 遥緋も制服を着替えに自室へ向かった。





「アヒャヒャヒャ!! 今日もガッポリ儲けたぜ!!」

 夜の街に神璽の楽しそうな笑い声が響き渡る。
 しかし、その声はすぐに騒がしい雑踏に飲み込まれ、消えうせた。
 神璽が出てきた建物はパチンコ屋である。
 一応制服を着ているのだが、何故かバレる様なことはなかったようである。

「さ〜て、今日はもう帰ろうかな?」

 
 路地裏を歩きながら呟いていると、携帯が音を奏でだす。
 そして電話を取ると・・・案の定彼らであった。

「今すぐその地域から離れなさい」

 いつもと一緒の無感情な女の声。
 理由の説明も、質問にも無駄な事には一切喋らない女である。

「ハァ? 何でだよ?」

 しかし、今日は違った。

「君の命の危険よ・・・死にたくなかったら走って逃げなさい」

 いつもとは違う少し焦りの感情が入った声。
 へぇ・・・この女もこんな声を出すんだなぁ、等と神璽は思った。
 そして猛烈な悪寒を感じた。

「クッ!」

 上に跳躍する、それは人間の跳べる高さを十分に超えていた。
 異常な身体能力じゃ片付けられない跳躍力である。
 そして、さっきまで神璽の居た場所には氷の刃が突き刺さる。

「お前か・・・」

 闇から男が現れる。
 その男は、黒く闇を纏っていた。
 その男は、異常なまでの殺意を撒き散らしていた。
 そしてその男の眼は・・・真っ赤に染まっていた。

「誰だ・・・?」

 神璽が問う。
 男は虚空から刀身が青い日本刀を抜き、答える。

「死罪六神─第三位 断罪 千島蒼二」

 そして見えないほどの速さで走り出した。
 ビルの壁を垂直に登り凄まじい速さで神璽に迫る。
 
「チッ・・・んだよコイツ!」

 神璽は集中する。
 体の中にある力の源へと回路を繋ぐイメージ。
 それを全身にくまなく行渡らせると、ゆっくりと眼を開けた。

「─見える」

 神璽の手が闇色に染まり、鋭い爪となる。
 そして蒼二の剣と激突し、力と力が拮抗しあう。

「俺は平和に生きたいだけなのにねぇ・・・」

 小ビルの上で連続して爪を振るうが、全て避けられた。
 神璽は一旦隣のビルに跳躍すると、周囲を見た。
 そして黒く濃度が濃い場所を見ると・・・力をそこに放出させる。

「驚け!」

 闇が凝縮され、数体の人間の形をしたような化け物が生まれる。
 そして・・・その化け物を見た瞬簡、蒼二の気配に異変が起きた。
 猛烈な殺意が膨らみ・・・辺りに冷たい空気が流れ出す。

「な・・・なんだよコイツ」

 神璽も相手の異様な変化に戸惑いを見せた。

「ハァ・・・ハァ・・・殺す殺す・・・終式っ!!」

 蒼二の姿が消えた瞬間、人型悪鬼が音もなく切り裂かれた。
 そして次の瞬間には自分の目の前に・・・

「ヤバ・・・」

 そう思ったときにはもう、殴られていた。
 更に一発、一発と痛みを認識する暇もなく殴られる。
 
「ガハッ・・・」

 血を吐き、地面に崩れ落ちる神璽。
 
「死ね」

 刀が振り下ろされる、神璽はそれを転がって紙一重で避けた。
 そしてそのままビルから転げ落ちた。

「ばいばい」

 そして空中に鳥型悪鬼を生み出すとそれに捕まって飛び去る。
 



「チッ! 逃がしたか」

 ビルの屋上で蒼二は毒づく。
 そして携帯電話を取り出し、電話をかけた。

「ああ、俺だ・・・器っぽいのに出会ったが逃げられちまったぜ」

「蒼ちゃんがミスするなんて珍しいね?」

「中々強い男だった・・・ってか悪鬼が出たら頭に血が昇っちまったよ」

「・・・男? 対象は女の子なはずだよ?」

「ハァ? じゃあアイツは誰だ?」

「もしかしたら・・・アレかもね、罪ちゃんに報告しておくよ」

「ああ、頼む・・・当面は俺と剣で居るからお前も仕事終わったら来い」

「うん、わかった」

「じゃあな」

「うん、お休み」

 電話が切れる。
 そして蒼二の姿は闇に消えた。









 
次回からしばらく学園生活やら
空白の二年間について書く予定です。
感想批評ヨロシクお願いします。


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