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  緋色の眼 作者:ジョン
【一月六日】
手直し加えてみました。
次回は何時になるかわかりませんが、一話から順に修正
して言く事になります。


それにしても……酷い文章でした。
第零話:プロローグ


  暑い夏の日の夕方。人気も少なくなった住宅街を一人俯き加減に俺は歩いていた。
 顔を上げればウザったい程の夕日。耳を澄ませば、遠くに聞こえる誰かの楽しそうな声。
 それは俺にとっては何の価値も成さない物。俺にとっては、眩しすぎる物。
 俺──千島蒼二は、停学届けの紙を持って親になんて言おうかを考えながら、そんな事を思った。
 
 教師から見れば、俗に言うヤンキーに分類されるのだろう。それは、まだいい。
 ヤンキーだろうが、何だろうが。普通の人間だ。周りと少し毛色が違うだけの、一般的な人間。
 でも俺は違う──

 まず一つ、多重人格であるという事。

 俺の中には悲煉ひれんと言う人格がいる。
 こいつはよくわからない。小学校低学年辺りの頃から、俺の頭の中に現れたんだっけかな。
 母親にそれを言うと、何故か抱きしめられた思い出がある。


 もう一つは……緋眼と呼ばれる目を持っている。
 緋眼の本家秋月、その分家の千島、八神、真砂の一族は緋眼と呼ばれる力が使える。
 緋眼、瞳が赤く染まり、全てのモノの動きが遅く見える目。
 その中では自分だけがいつもの感覚で動けるため、周囲からは早くなったように見える。
 しかし、肉体や精神にかかる負担も大きい、諸刃の力。

 ってのが俺が兄貴分から教わった、緋眼についての知識だ。
 こんな力があれば、まず喧嘩では負けない。
 んで俺は生まれつき目つきが悪い=絡まれる→緋眼使ってボコす。
 俺の社交性の無さも悪いとは言えるが、絡んでくる方が悪いに決まっている。
 
 
 んなどうしようも無い事を考えていると後ろから変な気配を感じる。
 悲しいかな、兄貴分に鍛えられてこんな悲しい能力が身についてしまっていた。

「こんばんは」

 振り向くと同時に女の声が聞こえた。そして目を奪われてしまう
 その女は美しかった……いや美しい。
 長い髪、黒目がちな瞳、スラリとした女としてはやや長身の肉体。

「こ、こんばんは……」

 俺は微妙に高まった胸の高鳴りを抑えつつ、女へと極めて常識的な挨拶を返した。
 無論、油断はしていない。この女には、俺の兄貴分と同じような変な気配を感じる。
 すると、女は微笑を作り、

「君、千島蒼威の息子でしょ?」

 千島蒼威ってのは俺の親父の名前だった。とんでもなく頭の悪そうな名前だ。
 暴走族かよ。とか思ってしまうも、俺自身「蒼」の字を受け継いでしまっている以上、そんなには言えない。
 ちなみにこの親父。俺や双子の妹や母親を捨て置いて、十年程家に帰ってきてないという駄目人間である。

「それがなんだよ?」

 父親の事を聞かれると、つい声が上ずってしまう。俺の悪い癖だ。

「キミのお父さんが今、何をしているのか。君のお父さんはどんな目で周りから見られているのか。
 そして、キミのお母様達が隠しているこの世界の事について、知りたくないかしら?」

 実を言うと、知りたかった。母さんは親父の仕事については何も言わない。ただ、偶に不平を零すだけ。
 俺ら千島家は親戚筋らしい、八神の馬鹿みたいにでかい屋敷に住んでおり、そこもまた何かがおかしかった。
 これは……乗ってみるか。

「おう、教えてくれ。俺は千島蒼二。アンタは?」

「罪歌よ……秋月罪歌」

 












 ハァ……今日も憂鬱だ。
 今日も学校でトラブルが起きた。それが原因で、また友達とも微妙な空気になっちゃったし。
 私の味方で居てくれるのは、幼稚園から一緒の志保だけ。でも、志保は違うクラス。
 何時も私の事を助けられるわけじゃない。

(遥緋、落ち込んでんじゃねーよ! 全部蒼二が悪ぃーんだよ)

 頭の中にガラの悪そうな私の声が響き渡る。どうでもいいけど、私の声で男言葉で話して欲しくない。
 彼?の名は、灼那。私の第二人格らしく、小さい頃からの大切な頭の中のお友達。
 
(灼那……でも現実、私ちょっとクラスで浮いちゃってるのよね)

(ヒャハハハ、チョットどころじゃねーさぁ! 今日だってやっちまったしなぁ)

(う〜……)  

 今日、お兄ちゃんに恨みを持つ先輩が私を人質にしようとしてクラスまで来た。
 当然ビビる私。上級生でも札付きの悪であるあの人達には、流石のクラスの皆も引いていた。
 私は暴力が好きじゃない。殴られる方も嫌だし。殴る方も嫌だ。だから──
 そんな時は、いつも灼那が出てきて全員病院送りにしてくれる。
 というよりも、しちゃう。のが正しい。そんな事を考えながら、家に帰ってどうしようか悩んでいると──
 
「おい」

「ひゃっ!?」

 いきなり、後ろからいかにもガラの悪そうな声がかかった。
 落ち着いて声のした方を見ると、やはりいかにも悪そうな人が立っている。
 金髪で、すっごく目つきの怖い、黒ずくめの服を着た人だ。

「あ、あの……お金なら持ってません……スイマセン」

(あ? おいコラ遥緋! いきなり逃げ腰になってんじゃねーぞぉ!?)

「チッ! 俺はカツアゲしにきたんじゃねーよ……アンタ千島蒼威の娘だろ?」

「ふぇ?……そうですけど」

 何でこの人、お父さんの事を知ってるんだろう? 私でさえ、今の今まで名前を忘れてたのに。
 一番最後にあるお父さんの記憶は、体の大きな人達と私とお兄ちゃんを連れて買い物に行った時の記憶。
 でも深くは思い出せない。もう、十年近く会ってないから。

「俺は、お前の親父の居場所を知ってるぜ」

「ほ、ホントですか!?」

 正直、お父さんがどんな人なのか興味がある。

「ああ、知ってるさ、君の家の事もね」

(…………遥緋。話聞いてみようぜ)

(うん、わかってるよ!)

 灼那は何か機嫌が悪そうだ。この男の人に妙な敵対心を抱いている感じがする。

「じゃあ、教えてください。私は千島遥緋、貴方は?」

「狂だ、秋月狂」





 この日から、私とお兄ちゃんは全部知っちゃったんだ。
 ママや時雨ちゃんが隠して来た事。そして世界の真実を。
 まさか、これが私とお兄ちゃんとお父さんと灼那と悲煉を繋ぐ重大な事件になるなんて、この時の私は、全く考えもしなかった。
今回は触りだけとなっております。
次回からは本格的に物語が動き始めます。


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