「ふぅ……終わった終わった」
帰り道。
俺はそんなことを漏らしていた。
「さて、俺はどのクラスに所属することになるのかね」
「あんだけ大見えきって、結局またBだったりしてな?」
「不吉なことを言うな……案外当たりそうで怖い」
確かに、あれだけ宣言しといてBだったら……本当に怖いな。
「葵はまたSかね?」
「そうかもしれないけど……出来れば瞬一と同じクラスになれたらいいなって」
「晴信は?」
「晴信も……ね?」
「俺はついでかよ」
葵の言葉に、多少晴信が悲しそうな声で言う。
それが可笑しくて、俺と葵は声を揃えて笑う。
晴信も、俺達につられて笑う。
「それはそうと、これからどうすんの?今日はこれでもうすることがないわけだけど」
「俺は……しまった。今日の夕飯の材料がないんだった」
「あ、俺は帰っていろいろしないといけないことが」
「私は家に帰らないと、妹が帰ってくる前に家の鍵開けなくちゃならないから」
妹?
……って、
「妹いたの?葵」
「え?うん。空って言うんだけど」
「へぇ……今度機会があったら会ってみせてくれよ」
「うん、機会があったらね」
さて、新たなる事実が判明したところで、そろそろ俺は帰るとしますか。
「それじゃあ、ここでお別れか」
「ああ、そうだな……」
言い忘れていたが、この学校には確かに寮はある。
でも、葵のように家から学校まで近い人は、寮に泊まらず自分の家から通うことも出来るのだ。
最も、そんなの少数派なのも事実なのだが。
「そんじゃ、また明日学校で」
「出来れば同じクラスでな」
「お前は希望薄いけどな」
「余計なこと言わないでくれ!」
晴信が騒いでいる中、俺と葵は別の道を歩く。
晴信は慌てて葵と同じ方向に走っていく。
さて……俺も買い物済ませて、さっさと寮に戻るとするか。
「……なんで」
思わず俺は、そう呟いてしまっていた。
買い物で買った夕飯の食材は、先に空間転移魔術を使い、寮の俺の部屋に送っておいた。
後は、俺が寮まで帰ればいいだけの話。
ただし、未だに自分の体まで空間転移させる魔術師を聞いたことがない。
出来て、自分が触れた、自分の体以外の物なのだ。
ようは、自分で自分の体に触れた所で、空間転移出来るわけではない。
最も、それが他人となると話は別なのだが……ややこしいからその辺は省く。
俺が言いたいのは、
「こんな所で、何で女子が追いつめられてるのかってことだ」
ここは路地裏。
この場所からだと、寮まで近道出来るからという気まぐれで、ここを通っていた。
本当に、気まぐれ。
しかし、その気まぐれが、こんな奇跡を呼び込んだのかと考えると……頭が痛い。
「これは一体、どういう状況なんだ?」
路地裏の一角。
女子の立ち位置から、逃げる道はない。
見たところ、日本人ではない。
周りには黒服の男達。
一般人ではない……ていうか、殺し屋?
魔術使う殺し屋?
「……ないない。絶対ない」
さすがの俺も、こんな場面に遭遇するのは初めてだった。
て言うか、絶対こんな経験出来るはずないだろ!
……今俺がしてるけど。
「……これ、俺、助けるべき?」
聞くまでもない。
困っている人がいたら助ける=人間の常識?
……けど、これに関わったら死亡フラグ立ちそうなんだけど……。
「……けど、やるしかねぇ」
俺は決心すると、その黒服達の所まで歩みを進めた。
そして、言った。
今回の話の後半部。
そして、次回からは新たなる話へと入っていきます。
……境界線などありませんが。
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