沢木先生のお題に基づくお話です。
「一筆書き」「就活の帰り道」「引きこもり」「眠気」をお借りしました。
溜息を吐くたびに幸せが逃げて行くんだよ。
以前付き合っていた夢見がちな女の子に言われた事がある。
でも吐かずにはいられない。
今日の面接も「やっちまった感」満載だ。
「趣味・特技の欄に『一筆書き』とありますが?」
怪訝そうな顔で面接官の一人に尋ねられた。
決して受け狙いで書いたつもりはなかったのだが、そういう風にとられたようだ。
「貴方は弊社への就職を本気で希望しているのですか?」
三角眼鏡の神経質そうな女性の面接官があからさまに嫌な顔をして言った。
「勿論です! 貴社以外考えていません」
俺は力強く答えた。だが、それも白々しく写ったようだ。
歯車がギシギシ音を立てているような気がした。
それくらい俺と面接官との温度差は大きかった。
誰もいない四畳半のアパートに帰る。
途端に眠気を催した。
何件面接を受けただろう?
三十から先は数えていない。
このままだと引きこもりになりそうだ。
折れそうな心を奮い起こすために水で顔を洗った。
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