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あいつは誰にも渡さない。
作:亜純 玲



第九部 『行くあて...』


「・・・・はぁ〜・・・。」

コツッコツッ

蘭は屋上へと続く階段を登っていた。
辺りはほとんど透き通った藍色に変わっていたが、気にしない。
(新一の気持ち何て分かるわけないじゃない。・・・私の気持ちもわかんないでずっと待たせてる奴のことなんて・・・分かりたくもないよ・・)

ガチャ
「っくっそぉ。宮野と園子の奴〜・・・っ。」
屋上のドアを開けたとたん誰かの声が聞こえたので蘭はギクッとした。
誰かと思ってそーっと見てみると新一が頭をかきむしりながらあぐらをかいて座っていた。
(し・・新一!?)

「・・・・・ら・・ん。」
(え・・・気づかれてた・・・・!?)
急に新一の顔が真っ暗になったと思うとそんな言葉が出てきたので蘭はまたもや驚いた。
「・・・っなんでだよ蘭。・・・なんで黒羽なんかと・・・。俺もちゃんと蘭の事考えてやってるのに。」
(へ?快斗・・・・?え、考えてるって、何を?)
新一の言動に?(はてな)が続いた。

「・・・・・だったのに・・・。」
新一は顔に手を当ててポソッと呟いた。
(え・・何?聞こえない――)
蘭は聞こえにくく耳を済ませた。






「・・ずっと・・・好きだったのによぉ!!!!!」





(・・・・・え?・・・・・・・・・・・・)



バンッ


蘭はいきなりの言葉に呆気にとられてドアを開けてしまった。

ビクッ
ビックリしたのだろう。
新一の顔が勢いよくドアの方へ顔を向けられた。
「蘭!?」
「し・・・・新一・・・?」
(・・・・聞いてたのかよ・・・・・・・)
しばらくの沈黙が続いていた。
すると、
「・・・・どこら辺から聞いてた?」
新一が下を向いたまま言った。
「え?・・・と、『っくっそぉ。宮野と園子の奴〜』・・って所から・・。」
「はぁ〜・・・・んじゃほとんど全部じゃねぇかよ。」
ため息をつきながら半ば呆れた笑みを浮かべながら新一は言った。
「・・・聞かれたんならしょーがねぇーよな。まぁ、そう言う事で俺がずっとお前の事好きだったのは、本当だから。でも、お前には黒羽が居るし、もう遅いけど・・・ずっと待たせてたのも・・・俺。だしな。」



「ホント、こりろよ俺も。」
「・・・・・え?っちが!私は新一の事がずっと――・・!?」
(へ・・?私、今なんて言おうとした・・?)
蘭は自分が言おうとした事が理解できなかった。


「・・・ごめんな、蘭。」
「・・・あっ。」

ガチャン
蘭は手を伸ばしたが新一には届かなかった。
新一はふと悲しそうな笑みを浮かべて去っていった。
蘭は自分の出た手を見つめた。


――・・・・・え?っちが!私は新一の事がずっと――・・!?


自分の言った言葉が頭の中でぐるぐる回っている。
自分の手を見るめる。
新一の顔、後ろ姿、寂しそうな背中・・快斗、園子、志保・・・・・
するとハッと思いつく事があった。

(私・・・・・・こんなにも、まだ・・・・・・・・・・・・・)
いつの間にか蘭は駆け出していた。


(こんなにも、まだ・・・・・・・・・新一の事が・・・・)




行くあてはよく分からない。
でも・・・体が動いてくれている。
風が行く手を教えてくれる。
確信は、できないけど・・・たぶん、そこは―――・・・・・












#作者より#
どうも、少しお久しぶりの亜純玲アズミレイです^^
えっと、新一君…ヒトリゴト激しいですねw;
そこが書いていて一番突っ込みたくなりました。
ちょっと今忙しいので、今回はこれまでで・・・

それでは、次話をお楽しみください!
感想・評価・アドバイス等待ってますので宜しくお願いいたしますっっ











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