第八部 『友達とか。』
「いつの間にか、知らないうちに人を傷つけてるって事・・・あるんだよ。」
分かってる
分かってるよ・・・・園子。
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ガタッ
「?・・鈴木さん・・。」
顔を上げると目の前には園子が哀しげな顔で見下ろしていた。
「言いたい事はすべて言った、つもり・・・。」
「・・・そう。」
ふぅと息をつきながら志保が言った。
(あとは、蘭さんがどう受け止めるか・・・ね。)
「・・・・もう空が暗いわね。帰りましょ?」
「うん。」
もうほとんど太陽が沈み、暗くなった空を見ながら二人は外に出た。
いつもよりも倍に重くなった心と足取りで二人は歩いていた。
・・・と、その時パッと顔を上げた園子が言った。
「あ・・・・蘭だ。」
「え・・・。」
園子の言葉にパッと顔を上げた志保は園子の目線を追った。
蘭は、自分の足元をみながら苦しそうな顔をしている。
「あ・・・・・!」
志保が声を上げた。
蘭が、学校の方へと歩き出したのだ。
「ちょ、ちょっと蘭さんどこへ行く気?・・・ま、まさか屋上から飛びおりたり!?」
「志保さん落ち着いて!!大丈夫よ、蘭はそんなに弱くない。確かに傷ついちゃってるかもしれないけど。」
「じゃあどうして・・・!?」
びっくりした志保は余計落ち着けなかったが、園子はクスッっと笑って言った。
「そりゃあ・・・親友だからね。蘭の事なら分かるのよ。それに、蘭が屋上へ行く時はいつも悩み事があったりする時に、考えたりする所だから・・・。」
園子が屋上を見ながら言った。
「親友・・・・か。」
しばらくの沈黙が続いた後、志保がぽそっと呟いた。
「私には、親友も友達も・・・いなかったっけ・・・。」
志保はもうすっかり暗くなった空に向かって哀しそうな半ばさびしそうな顔をしている。
「え・・・・?」
「あ・・独り言よ、気にしないで・・・!」
驚いている園子に向かってパッと明るい顔にもどしながら志保が言ったが、やはり少し辛そうな顔をしていた。
「・・ゴメンなさいね。・・さっ、こんな話はやめにしてさっさと帰りましょ!」
タッっと志保は歩き出した。
(でも・・・ちょっと欲しかったかな・・『親友』とか・・)
その時園子が急に立ち止まった。
それにつられて志保も立ち止まった。
「鈴木・・・さん?」
「・・・志保さん。あなた・・・自分に友達とか親友とかいないと思ってるみたいだけどっ私たちは全員あなたの友達だよ!!」
「・・・え・・?」
(今・・・何て・・・・?)
「それに・・・・私はあなたの『親友』になりたいと、思ってるよ・・・?」
「!?」
志保は驚きのあまり、声が出なかった。
(喉・・が焼けるように熱い・・何で――・・?)
ポロッ
なみだ・・・・・・・・・・・・・?
「しーほーさんっ!」
園子が手を差し伸べていた。
にっこりと笑いかけてくれている。
「鈴木・・・さん・・。」
志保もにっこりと笑い返した。
そして手を差し伸べた。
「ありが・・・と・・う。」
そして二人は手をつなぎながら歩き始めた。
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