第五部 『驚愕な事実』
蘭のほうへと帰って行った快斗は・・・・
「ちょっと快斗!?何で園子たちにバラなんてあげてるのよ〜・・・。しかもあんな甘ったるい声!!いつから覚えたの!?」
ちょうど快斗に回し蹴りを行っていたところだった。
だが快斗は男で蘭は女。
さすがの蘭の蹴りも運動神経抜群の快斗にはなんなくと避けられてしまう。
「悪い悪い。いつもの癖、まぁ女子にだけだけど・・。」
「・・・まったく。快斗も快斗なんだから!」
「へ?」
「何でもないわよ!」
蘭はプンプン怒って快斗に背を向けていた。
どうやらヤキモチをやいているらしい・・・。
快斗は「ハイハイ。」と分かった感じで椅子から立ち上がると、蘭が向いているほうへと歩いていった。
「申し訳ございませんでした、姫。今後このような事がないように・・・。」
「はいはい!いつものお決まりの言葉でしょ!?」
立て膝をして、蘭の手をとっていた快斗にむかって蘭は冷たく言い放った。
後ろで喋りながら走り回っていた男子たちは、この光景を見て、
「あーあ、また始まったよ。ここで工藤が来たらヤベェと思わねぇ?フツー・・。」
「ああ。だって今日、あいつ久々にくるらしいしな・・。」
「あいつ、毛利の事スッゲェ好きだったからな〜マジで絶句すると思う。」
「っていうか死――」
といいかけたその時、
ガラッ
「おっす!」
『工藤新一』が現れた。
し・・ん・・
教室全体が静まり返ってしまった。
「へ?」
(・・ガクッ・・・・)
新一は普通に入って普通にあいさつをしたのに静まり返ったのでガクッときてしまった。
「お、おう!工藤。久しぶりだな!」
男子達は真っ青になりながらもあいさつをした。
するとだんだん教室にもざわめきが戻り始めていた。
「ああ、結構休んでたからなー。・・・ってそれよりさっきなんで静まり返った?」
「い、いやぁ!何でもねぇよ!!久しぶりに来たからビビっただけだ。」
「本当か?」
「あ、ああ!本当だとも、名探偵!」
さっきよりもさらに真っ青になりながら言う。
(何だ?こいつら・・・・・ったく朝の蘭といい、こいつらといい・・・・)
新一がジロ目で見たので男子達は余計ひいた。
(あっそうだ。蘭はどこだっけ?)
「おい、蘭どこにいるかしらねえか?」
『えっ!?』
男子達は声を合わせてさらに余計にひいた。
新一は気にもせず教室をぐるっと見回して「蘭どこだぁ?」と言った。
一方、男子達は、
《やめて下サイ・・・っつーか工藤、俺達の事も気ぃーつかえ!》
と心の中で叫んでいたが新一には知らずにずっと見回している。
「あっ・・・・!」
新一は一声言ったが、そのまま呆然とたちすくんでしまった。
「うわぁ・・・。復帰早々かわいそうな奴・・ついにバレたか。」
男子達はそう言って新一を慰めようとしたが新一には目の前の光景しかみえなかった。
「なによもぅ、快斗ったら・・。」
「んだよ、別に何も悪い事してねぇじゃねーか。」
目の前には、蘭と快斗が一緒に楽しく話をしていた
そう、かつて蘭と新一がそうしていたように・・・・
へ・・・・・?
目の前の思わぬ光景に口がポカンと開いてしまった。
(・・・お、おいおい何で蘭が・・・それに誰だよこいつ!)
「く、工藤。おちつけ、おちつけってば・・・・!」
新一は我に返って見るといつの間にか側に居た男子の襟首をつかんでいた。
「お?・・・悪ぃ悪ぃ・・つい、ね。」
「つい、ね。・・・じゃねえだろーが!お前、歯軋りさせて今にも俺の事殴り飛ばしそうな顔してたぞ?」
やられていた相手は襟首を離してもらってホッと息をつきながら言った。
だが新一はそんな言葉も耳に入っていない。
蘭の側に居る男子を指指して聞いた。
「おい、それよりあいつだれだよ?見かけねー顔だな・・・。」
「それよりって、まぁ良いけど・・・あぁあいつか?毛利・・・の所にいる奴。」
「・・?おい、お前ら何か隠してねーか?さっきから俺が蘭の方見てるとヒヤヒヤしてるみてーだが。」
(『さすが名探偵・・・』)
新一が不審な目をして言ってくるので男子達は引きつり、複雑な笑顔をしながら心の中で思っていた。
「ん〜〜〜〜〜?」
「そ、そんなワケねーだろが!なぁ!?」
『ああ・・・。』
「そぉか?」
『ああ・・・。』
男子達はしどろもどろになりながらもできるだけ笑顔の顔をつくった。
「フ、ン。・・・・まぁいいか。蘭に聞けばいいことだしな。」
「ああ。それがいい。・・・・ってえぇ!?」
「んじゃぁな。」
『お、おい待て工藤。行くなぁ〜!!』
男子達は声を揃えて言ったがもう、新一は蘭の側にいってしまった。
男子達は逃げるように女子達のいる、後ろに避難した。
「おいおい、マジで今度こそヤバイぜ。」
「ああ。もう・・・今度こそ死ぬな・・。」
逃げるように後ろに行ってヒソヒソと新一の様子を窺っていた。
一方、新一はそんな事とも知らず、「ちょっと気にかかるがまぁいいか」とでも言うような顔をしながら蘭に話し掛けようとしたが・・・
「よぉ、蘭!」
「うん、それでね〜園子ったらさぁ・・。」
「クククッへぇ〜あいつもそんなことも言うんだな〜。」
「ねっ面白いでしょ?」
「あぁ笑えるっ」
『アハハハ!』
蘭と快斗は新一の声なんて全然耳に入らないらしくずっと新一を無視したまま、自分達のおしゃべりに夢中になっていた。
(んだ、こいつら!!それより誰なんだよこいつは・・・・!)
バーン!!!
新一はついにキレてしまい机を思いっきり叩いてしまった。
「キャッ!」
「だ、大丈夫か蘭!・・・おい何すんだよ、てめぇいきなり・・・・!」
快斗と蘭はその音でやっと新一の存在に気づいた。
快斗はいきなり机を叩かれて、しかも蘭が悲鳴をあげたので驚いて怒鳴ってしまった。
新一はその言葉に余計キレてしまった。
「・・・ほぉ?愛想良くあいさつをしたのに、シカトをして二人でペチャクチャ話し、気が付くように机をたたいてやったら・・・その態度ですか・・。」
(おらおら。早く返事を返しやがれ・・・。こっちには言いたい事と聞きたい事が山ほどあるんだよ!!)
新一は腕組をしていっそう怖そうな顔をしながら言った。
「あ・・・これはこれは、失礼致しました。そうとも知らず・・・。」
快斗はのったりのったりと話すので新一がギロリと睨みつけた。
睨みつけた新一は快斗をよけて再び蘭の所へと向かった。
「よ・ぉ・蘭。それよりさっきは何で学校行く時おいてくんだ――」
「お・は・よ・う・し・ん・い・ち!!」
バシッ!!
「よっっ!?」
「快斗〜ごめんねっ」
蘭はそう言って快斗の方へと走っていってしまった。
「お、おい蘭!」
「まったく、新一の馬鹿!あ、アイツ『工藤新一』って言って私の幼馴染。快斗知らなかったよね?」
「あ、いや。新聞とかでよく見たことあるから・・・知ってた。けど、蘭の幼馴染だったとはなぁ〜」
また二人だけの会話になっていきそうだった。
「ゲホッガホッ!」
新一はむせながら苦しそうに腹をおさえていた。
「あ、新一もごめん!大丈夫?快斗のこと睨むからだよ!」
(お前なぁ・・・電柱を割るぐらいの怪力女にやられたら普通じゃ立ってられねーぞ!?)
「あ、新一も快斗の事知らないよね。半年ぐらい前に転校して来た『黒羽快斗』!私の彼氏だから。仲良くしてあげてよね!」
蘭は少し顔を赤くしながら小さな声で言った。
(え?・・・・・・ら、蘭・・・今なんて?)
蘭は快斗と廊下へと歩いて行ってしまう。
取り残された新一は腹をおさえながら、行ってしまった廊下をずっと見つめていた。
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