蝕−ショク−(25/35)縦書き表示RDF


ここからちょっと駆け足で書いてます。

色々気になる点があると思いますが、順次修正していきますのでご了承下さい。
蝕−ショク−
作:尾継也太



蝕:25


 栄都は扉から顔を覗かせ辺りを見渡すと僕に向って言った。
「遅かったねぇ。あのアホは?」
「ああ、ちょっと遅れるそうです」
「ん、何が可笑しい?」
「いえ、仲が良いなと思いまして」
「フン、馬鹿馬鹿しい」
 そう言って素早く踵を返した栄都に従い、僕もついて行く事にした。
「ま、良い。君に証人になってもらうとしよう」
「検査結果出たのですか?」
「ああ」
「どうでした?」
 既に止める事を諦めていた僕は、自ら話を先にすすめる事にした。
「今から説明するよ」
 そういうと栄都はリビングに居た青葉を招き寄せ、例の扉へと僕らを促した。
「あの、あそこで説明するのですか?」
「何か問題でも」
「いえ」
 いずれは行かなくてはいけないのだけど、それでも自分の意思で選択したかった。境生がここに居ない事がなんとなく寂しかった。
 いけない――弱気になってどうする。僕がやらなくてはいけないのだ――
 栄都は目的地に到着するなり扉を開く。白の世界――
 青葉が続いて境界線を越える。虚ろの世界――
 前回来た時とは比べ物にならない重圧を感じながら、僕は足を踏み入れた。
 途端に立ち眩みがする。堪えながら階上を見ると――居た。
 異形だ。
 何だあれは?
 一体どうしてあんな姿に――
「大丈夫か?」
 栄都が肩を支えた。
 触るな――触るな――触るな――
「大丈夫です」
 落ちつけ――これは父が僕に課したテストなんだ――
「ありがとうございました」
「フム、それでは説明するよ」
「よろしくお願いします」青葉が丁寧にお辞儀をしながら答えた。
「はい」僕にはこれが精一杯だった。







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