【神隠しの島】
初めての投稿で、右も左もわからないですが心の広い気持ちで読んでやってください。
『神隠しの村』
プロローグ
今日久しぶりに学生時代の友人に会うことになった。
俺は酒をあまり飲めなかったが友人のKが飲めない俺の分まで飲んで酔っていた。
その数時間後時刻は夜中をまわって友人の一人が聞いてきた。
「そういえばU、学生時代に旅行に行って奇妙な体験をしたって言っていたが覚えているか?」と聞かれたが俺は「覚えてないよ。少しおぼろげなことが多いからな、すまない。」と答えた。
「ふーん、あの当時はあれ以上教えてはくれなかったが今なら酒の席のネタとして話してくれると思ったが覚えてないのか。」と友人は残念そうに言った。
「じゃあ、思い出したらその時は話して下さいよ?」と友人は言ったが、あんなこと話したところで非現実的で信じられない話だ。Kはそれを聞いて少し表情が暗くなった。俺もKもその時のことをもちろん覚えている。
いや、忘れてはいけないことなのだから・・・・
第一話 『はじまり』
AM.10:16 都内某空港
あれは夏の晴れた日、俺は幼馴染のSとオカルト好きのKとそのオカルトサークルの面々でオカルト好きの間では有名なとある島にある隠れ村を目指して旅行に行くことになった。
「全員揃っているか?」と俺が確認をすると、「いるよ。」「はーい」と全員の返事を確認した。
「よし、飛行機に乗るか!」と意気揚々と飛行機に搭乗した。
しかし、俺の機嫌はすぐに悪くなった。「おいK飛行機の席俺の席とお前の席、換わってくれないか?」と俺は眉間にしわをよせながらKに言った。
それを聞いたKは「U君なにかあった?」と笑うのを堪えながら俺に聞き返してきた。
俺は我慢の限界になって、「何でコイツが俺の隣の席に座っているんだ!隣はKお前のはずだろ?」と言うと、「Sさんに君の席の隣がいいって頼まれたんだよ(笑)」と笑いながら言う。
俺はもうどうにでもなれ・・・と、目的地に着くまでSに徹底的に睡眠妨害され続けた。
PM.13:26 Y市ホテル
『着いたー、ここが噂のY市なのか。』とみんなテンションが上がっている。
「おいおい、盛り上るのは結構だが他にも人がいるから、少しは自重しろよ。」とKが言うと各々返事をした。流石オカ研の部長だなと俺は感心した。
それに比べて「ねえねえ、早く買い物に行きたいから、早くホテルにチェックインしようよ。」とSが言ってきた。
こいつには空気を読むというのが出来ないのか・・・と俺がイライラしていると、「じゃあ、ホテルに向かうか。」とKが言って予約していたホテルに向かった。
ホテルに着いてチェックインを済ませた後俺たちは町に行く奴、ホテルに残る奴とで各自自由行動を取ることにした。俺はホテルの近くにある街にくりだした。
街に着いた、この街はテレビできいていたより観光客から街の人たちで賑わっていた。
しかし俺はこの街をまだ楽しむことは出来そうにないようだった。
「で、なんでお前は俺についてきているんだ?」と街の方に着くまでずっと横にいたSに質問すると、「U君が何処かに向かうのが見えたからついてきたの。」と言った。
俺は今日もコイツのおもりか・・・と俺は目眩がしそうになった。
「もういい、ついてきてもいいが問題行動は起こすなよ?」と俺はSに言うと「わかったよ。」とSは軽快に返事をしたがコイツが何かトラブルを起こさなかった試しがない。仕方がないトラブルが起こるのを前
提で連れて行こう。
「そういえばさぁU君、私たちって夏休みを使ってなにをしにここまで来たんだっけ?」とSが聞いてきたので「お前はここに何しに来たー!」と言うとSはケラケラと笑った。
「今回ここに来たのは、オカ研主催の旅行に俺がKの誘いで行くことになって、お前は俺たちの旅行の話をKから聞いて、ついて行くって言ったんだろ?」と俺は呆れながら言う。
「そういえば・・・そうだったね。」と笑うのを堪えていた。
「まぁ良い、これから俺は街に行って、神隠し村について聞きこみに行こうと思うがSお前はどうするんだ?」とSに尋ねた。
いや、俺はコイツがどんな答えを出すかなど解り切っていた。それなのに質問をしてしまった。
「そんなことは明日にして、今日は街で観光をしたり遊びに行こうよ~。」とSは猫撫で声で言ってきた。
今回もこの手を使ってきたか・・・しかし、今まで俺はSのあの手この手に引っ掛かり、Sのお願いをなんだかんだと、聞いてきた・・・だがしかし今回はちゃんと打開策を考えてある。「じゃあ明日遊びに行くのはなしだな。」と言うと「えっ」とSは驚いた表情を見せた。
その反応を見てかかったと俺は思い追い打ちのように「あー何処に行くかのプランを考えていたのになぁ~。」と意地悪くSに言った。
しかしそれは逆効果だったようで「U君の意地悪・・・」と目に涙を浮かべて訴えかけるように言ってきた。
するとどうしたことだろうか、周りの人たちがざわついていた。
あれ?あれあれ?この状況はまさか、彼女と痴話喧嘩をして泣かしてしてしまっているみたいじゃないか!
「お、おいこんなところで泣くなよ。俺が悪者みたいじゃないか。」と言った時に自分が墓穴を掘っている事に気が付いた。
不意にSの顔を覗き込むと嘘泣きをしながら、良い事を聞いたと言わんばかりにニッコリと良い笑顔をして顔は下を向いているが、視線は俺に向けたまま、「うわーん、U君が意地悪を言うよぉ」とまた泣き始めた。今度は嘘泣きを始めた。「こ、こいつ普段は何も考えていないくせに。」と俺はSに対して愚痴っていても、こうなってしまってはこの状況をどうすることもできない。仕方がない、今回もSの言うお願いを聞くしかない・・・
「わかった、わかった俺の降参だ。お前のお願いを聞いてやる。だからその嘘泣きを止めてくれないか?」と周りの視線に耐えられなくなった俺はSに言うとケロッとした顔で俺を見て「バレてた?じゃあ明日もよろしく♪」と悪戯っぽく微笑んだ。
こんなバカにいいように振り回される俺ってなんだろうと少し考えた。
そして出た答えは、俺は女には(Sを含めた)勝てないのだろうと思い俺は溜め息を吐いた。




