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少し長いです。凱旋シーンはへぇ程度で流してください。
個人的に納得いっていないので、後で修正すると思います。
勇者アレルの迷宮探索
第十九話 勇者は上層部を突破した
――魔王バラモス、勇者アレルの手により遂に討ち果たされる。



斥候の手によりもたらされた、誰もが待ち望んだ吉報。
それが誤報でないことは、魔物達が撤退していくことで証明される。
各地の防衛線において、急激に戦意を失っていく魔物の群が目撃されたのだ。
戦場の兵士達は、状況が掴めず我が目を疑う。
劣勢なのは人類側なのに、魔物が退いていく理由が分からなかったからだ。

だが、暫くして勇者が魔王を討伐したという報せが広まると、
誰もが歓喜の声を上げ、仲間達と抱き合い、家族と喜びを分かち合った。
長い苦難のときはようやく終わりの時を迎えたのだ。


アレルがアリアハンに戻ると、上空にはラーミアが誇らしげに旋回しており、
人々は、伝説の不死鳥の美しさに目を奪われていた。

やがて群集の一人がアレルの姿を見つけると、大声を張り上げる。
郷土の誇り、世界を救った勇者。アリアハンの英雄の凱旋である。

「おお、勇者様だ! 勇者様がお帰りになられたぞ!!」

「ほ、本当か!?」

「アリアハンにお帰りなさいまし!
バラモスを倒したという噂は、既にここにも届いていますわ!」

「ありがたや。ありがたや」

「わ、私にも一目みせてよ!!」

「アレル様よ! 素敵!」

アレルの周りを老若男女、様々な人々が取り囲む。
兵士、商人、若い夫婦、柄の悪そうな若者、そして子供達。
誰もが喜びに溢れ、心から幸せそうな表情をしている。
長年に渡る魔物の脅威から解放されたのだ。
暫くはお祭り騒ぎが続くことは間違いない。


アレルはそれに応えず、無言で人々を見回す。
その表情は能面のように冷たく、感情を読み取らせない。
歓喜に沸く人々の後ろに、アレルは母親の姿を見つけ出した。
顔を両手で覆い、涙を流しているようだ。
世界が救われた喜びからなのか、アレルが無事に戻った安堵からくるものか。
それを判断することはアレルには出来なかった。
母の隣には、祖父が誇らしげに立っている。
視線が合うと、一度だけ深く頷く祖父。


「さあ、早くお城に! 陛下もきっとお喜びでしょう!」

「勇者アレル万歳!」

「若き英雄殿、陛下がお待ちかねですぞ!!」

兵士達が、アレルを先導するように先を進む。
アレルは視線を戻し、兵士の後を追い王城へと進み始める。

自分を勇者として育て上げた母親、そして祖父。
その立場へと追いやった張本人、オルテガ。
彼らに対して抱くのは、果たして感謝なのか憎しみなのか。
言葉に出来ない複雑な感情をアレルは抱いている。
もしも、今家に帰ったとしたら、最初に口から出る言葉は何なのか。
アレルには見当もつかなかった。


アレルの葛藤を知ることもなく、騒ぎは更に拡大していく。
今日一日は収まることは決してないだろう。
止める真似をする無粋なものも存在しない。
彼らもまた喧騒を作り出している一員なのだから。

集まった人々は、まるで城までの道を作り出すかのように二つに割れる。
人で作られた、勇者の為の栄光の道。
彼らは凱旋した勇者を、心のまま口々に称え始めた。


『貴方こそ真の勇者だ!』

『我々の誇り、勇者アレル万歳!』

『流石はオルテガの娘、若き英雄の誕生だ!!』

『オルテガ万歳! アリアハン万歳!』

それらを耳にしたアレルは、皮肉気に口元を歪めた。
英雄オルテガの娘。
生まれた時から自分に張られていた呪いのようなもの。
魔王を打ち倒した今でも、それが剥がれることはないらしい。
アレルは最後まで無言のまま、最敬礼する兵士に迎えられ城内へと入っていく。





玉座の間へとアレルが到着すると、トランペットの音が高らかに響き渡る。
整列した儀仗兵達が左右に待機し、勇者の凱旋を出迎える。

アレルはその間をいつもと変わらない様子で進んでいき、
王の前で跪いた。

「陛下。ご命令通り、魔王バラモスを討ち取りました」

「おお、アレルよ。よくぞ、よくぞ魔王を打ち倒した。
しかも、そなた一人で……」

「…………」

王は決してアレルと顔を合わせようとしない。
言葉では褒め称えているが、本心では言い知れない恐怖を抱いている。
たった一人でバラモス城を陥落させた勇者。
この世界において最強の存在であり、誰も止めることは出来ない。
その刃が自分に向くことはないという、保障などないのだから。


アレルは恭しく跪いたまま、王へと挑発的な視線を向け続けている。
時折口元を歪ませて、溢れ出そうとする笑いを堪えている。
怯えている王の様子がおかしいのか、それとも自分のこの有様が笑えてきたのか。
それはアレルにも分からない。

バラモスの言葉が不意に脳裏によぎる。

『魔物がいなくなれば、お前は用済み』
『平和な世に、人間の分を越えた化け物は必要ない』
『末路は我らと同じだ』

成程とアレルは思った。
兎が死ねば猟犬は不要。
後は煮て食われるのみだ。

「そ、そなたの働きを称え、褒美を取らせたい。
我が国の宝にして、最強の武器『バスタードソード』だ。
魔王を討ちとりし、そなたにこそ相応しい。
勇者アレルよ。受け取ってくれ」

王が目配せすると、布に包まれた大剣が運び込まれる。
そしてアレルへと手渡される。
アレルは立ち上がると布を剥ぎ取り、大剣を華麗に捌き始める。
重量のある大剣を軽々と振り回す小柄な少女の姿。
それはまるで演舞のようであり、人々は思わず見とれる。

最後は王へと刃を向け、一礼した後再び跪いた。


「さ、流石はオルテガの娘。見事な勇姿。
今は亡きオルテガもさぞかし喜んでいるはずだ。
そして、国中の者達がそなたを称えるであろう!」

王は内心の恐怖を押し殺し、必死に為政者としての仮面を被る。

「…………ありがたき幸せにございます」

「落ち着いたら、そなたにもアリアハン復興の為に力を貸してもらいたい。
魔物の脅威がなくなったとしても、まだまだやるべきことは山積みなのだから」

「…………」

アレルは答えを返さない。
返すことが出来ない。
この先のことなど、何一つ想像できないのだから。

「……返事は今すぐでなくても構わぬ。
――さぁ、皆の者! 祝いの宴だ!
平和が戻った今日という日を、共に喜び合おうぞ!!」


王の掛け声と共に、再びトランペットが奏でられようとした。
――その瞬間。

迸る黒い稲妻が玉座の間を包み込む。
儀仗兵達は悲鳴を上げる間もなく、肉体を焼き尽くされた。
トランペットを構えていた兵士達は、その体勢のまま黒焦げの人形となる。
玉座の間は瞬く間に地獄へと姿を変え、辺りは人が燃える嫌な臭いが漂い始める。
余りの出来事に極度に動揺し、絶句する国王と大臣。
無表情のまま悠然と事態を眺めているアレル。
例え自分に直撃したとしても、死ぬことはない。
何も怖いものなどないのだから。怯える必要がないのだ。


静まり返る室内に、どこからか声が響き始める。
日中だと言うのに闇が漂い始め、日差しは完全に遮断される。
響いてくるのは、人間のものではないと確信させる、死人のようにしゃがれた低い声。

『――失礼、至福の一時に少しばかり驚かせてしまったようだ。
我が名はゾーマ。闇の世界を支配する者なり。
我がいる限り、やがてこの世界も闇に閉ざされるであろう』


「――そ、そんな馬鹿な。バ、バラモスだけではなかったというのか」

王が茫然自失とした表情で呟く。
顔面は蒼白で、今にも倒れそうである。
大臣が駆け寄り、その身体を支える。

『さぁ、悩み苦しむが良い。そなたらの苦しみは我が悦び。
命ある者全てを我が贄とし、絶望で世界を覆い尽くしてやろう。
我が名は大魔王ゾーマ。全てを滅ぼす者』

威厳溢れる声で、絶望を宣告する闇の支配者ゾーマ。
アレルは、どことなく楽しげな声でそれに応える。

「――フフッ。魔王バラモスの次は大魔王ゾーマか。
私も用済みかと思ったけれど、まだやることがあったみたいね。
本当、運命って残酷よね」

『――ルビスの狗よ。身の程を思い知るが良い。
我が深淵なる闇の力、必ずや貴様に刻み込んでくれる』

「そのうち必ずお伺いするから。精々首を洗って待ってなさい。
骨の髄まで、勇者の恐ろしさを味あわせてあげる。
バラモスが先に逝って、アンタのことを待ってるわよ」

『口を慎むが良い、愚か者が。そなたが我が贄となる日を楽しみにしておるぞ。
必死にもがき、足掻き続けるのだ、哀れなルビスの狗よ』


その言葉を最後に闇が徐々に晴れ、再び日差しが室内へと差し込む。

「な、なんとしたことだ。ようやく平和を取り戻せたと思ったのに。
闇の世界の到来など、民に言える筈もない。
い、一体どうすれば良いのだ」

王が疲れきった声で呟く。
両手で顔を覆い隠し、その声は震えている。

「残念でしたね、陛下。フフ、本当に残念。
まさか魔王の上の、大魔王がいるなんてね。
本当、世の中って面白いわ」

アレルは満面の笑顔で王へと声を掛ける。
どことなく壊れたような表情で。
大剣を肩に抱えたまま、可笑しそうに笑い続けている。

「……な、何が可笑しいのだアレルよ。
……いや、何でもない。最早何も言うまい。
今は何も考えたくないのだ。
……余は少し疲れた。もう下がって良いぞ」

そう言うと、大臣を振り払い、玉座から立ち上がろうとするが、
身体がよろめき前に倒れこんでしまう。

「へ、陛下! お気を確かに!」

「う、ううっ」

「い、今すぐに侍医をお呼びします。
誰か、誰かおらぬか!!」

だが、その声に応える者はいない。
室内には物言わぬ骸だけしか残っていないのだから。
再び大臣に身体を支えられると、無言で退出していく。
室内には、アレルだけが残された。


「……そろそろ行くか。もうここに用はないわ」

アレルはバスタードソードを適当に放り投げると、助走をつけて窓に向かって走り始める。
勢いをつけたまま飛び降りると、上空を旋回していたラーミアが急降下してくる。

背中に無事着地すると、ラーミアの身体を軽く叩いて合図する。

「また変なのが出たのよ。もう暫くお世話になるわ。
アンタもアイツの力、感じたでしょ?」

アレルの言葉を理解したらしく、短く鳴き声を上げる。

「そうよ。アンタは賢いわね。
それにしても、闇の世界ってどこにあるのかしらね」

ラーミアはそれには答えず、翼を大きく羽ばたかせて上空へと舞い上がり始める。
アレルは一度だけ、アリアハンを上空から見下ろす。
徐々に小さくなっていく城下町を一瞥し、やがて前を向くと静かに目を瞑る。
小さく溜息を吐くと、疲れきった子供の様に、ラーミアへと身体を預ける。


「……ちょっとだけ、疲れたわ。悪いけれど、少しだけ眠らせて」






――この後、アレルがアリアハンに戻ることは二度となかった。
勇者アレルの名と栄誉だけが残り、その後の足跡は全くの不明である。












突然誰かに後頭部を殴られた。
走る激痛に、私の目から思わず星が出そうになる。

「――痛いっ! 一体誰よこの野郎!!」

辺りを見回すと、腰に手を当てて呆れているエーデル。
どうやら後ろから拳をいれてくれたのはこの女のようだ。
魔術師の癖に、意外に力強い。

「痛いじゃないのよぉ、勇者アレル様。
戦闘中にボーッとしはじめるなんて、余裕がありすぎよ。
ほら、マタリちゃんを見習いなさい」

「え、ま、マタリ?」

「ほら。あんなに頑張っちゃって。
段々と『狂化』を使いこなしてるわよ」

頭を押えながらエーデルが指を差した方を見ると、
馬鹿デカイ大蜘蛛相手に、マタリが叫び声を上げながら襲い掛かっている。
緑の返り血を浴びながら、何度も何度も蜘蛛の背部を刺突している。
蜘蛛も必死に抵抗しているが、マタリを押し返すことは出来そうにない。

「……うわぁ」

少しだけ引いてしまった。私じゃなくても引くだろう。
間違いない。ドン引きだ。

「一撃喰らうか、『血』を見ることで発動するみたいねぇ
まぁ、その間は連携なんて出来ないわけだけども」

そう言うと、エーデルが詠唱を開始する。
他の魔物の気配を察知したからだ。
私も遊んでいる場合ではないと、握り締めていた剣を構える。
これは劣化したダガーナイフの代わりに購入した、『鋼の剣』である。
中々値が張ったが、まぁ仕方がないだろう。
銀貨3枚、私がいた世界で言う3000Gくらいだろうか。
精々使い潰すとしよう。所詮は数打ち物だ。

糸を吐いてもがいている巨大な蜘蛛と、苛烈な攻撃を続けるマタリ。
その背後から、獲物の身体を絡めとろうと静かに這い寄る魔物。

食人花『エビルフラワー』である。
マタリの初心者向け迷宮ガイドブックに載っていた。
上層部に当たる30階までで、一番の強敵と記されている。
自信を付けて来た新人を、その身体ごと何百人と溶かしてきた厄介な魔物らしい。
何本も生えているツタに、妖しい臭いを発する花が中央に咲いている。
花の奥には麻痺成分の混じった溶解液が分泌されており、捕らえられた獲物はそこへと放り投げられる。
哀れな獲物は、何日も掛けて嬲られながら消化されていくのだ。

ちなみに刈り取るべき部位は花びらで、一つあたり銀貨1枚となっている。
一体のエビルフラワーからは5枚ほど刈り取ることができるらしい。


詠唱が終わると、エーデルが炎の魔法を唱える。
基本的には、火系統の魔術が得意なようだ。


「炎の精霊よ、我に力を。フレイム!!」

杖を翳し、火炎弾を繰り出す。
こいつの弱点は『火』であり、魔術師がいれば対処は容易とのこと。
逆にいない場合は、接近戦を挑む必要があり、毒やら麻痺やらに注意しなければならない。
最悪松明をなげつけろと書いてあったが、それは無理なような気がする。
敵だって大人しくしている訳がないのだから。
やはりジャバの言う通り、当てにしてはいけないインチキ本である。

エビルフラワーの花びら付近に着弾すると、全身に火の手が回りはじめる。
苦しげにツタがもがき回り、花びらは閉じることで致命傷を避けようとしている。

私はその機を逃さず突撃し、一刀のもとに両断した。
防ごうとしたツタと、堅く閉じられた花びらごと真っ二つ。
完全に息の根を止めた。

同時に私は咳き込んでしまう。
火元に近づきすぎたからだ。

「――ゲホッゲホッ! 煙が充満して洒落にならないわ。
ちょっとマタリ! まだトドメさせないの!?」

換気が十分でない迷宮では、こんな通路で火をつかったら当然こうなる。
モクモクと黒煙が上がり、私達は煙に巻かれる。
痛みには耐えられるが、煙いのは辛い。
目からは涙が出そうになるし、咳が止まらない。
ああ、外の世界が懐かしい。迷宮なんてクソ喰らえである。
お日様の下でのんびりと昼寝がしたい。

美しい青空を思い浮かべていると、それを邪魔するかのような下品な声が響き渡る。

「アハハッ! クソ虫がやっと動かなくなった!!
でもまだまだ足りない。後100回ぐらい刺さないと満足できない!!
アハハ! 死ね死ね死ね!」

「やかましいわ」

「――キャゥ!」

胸を後ろに反らして、歓喜の雄たけびを上げている馬鹿女。
背後から容赦なく一撃を入れた後、私はエーデルに合図する。
煙いから先に進むという合図だ。
魔物の部位は、エーデルが召喚している死体が刈り取ってくれる。
荷物持ちもやってくれるので、本当に便利なヤツである。
倫理感と、その容姿、臭いに耐えることが出来れば。

頭を両手で押えてうずくまるマタリ。
私はその首根っこを掴んでズンズンと進み始める。
ここは地下迷宮30階。上層部のラスト目前という地点である。

認定試験を受け、5日間程寝込むというトラブルはあった。
が、その遅れを取り戻すべく1週間程迷宮に通いつめたのだ。
更に下層まで到達しているエーデルの道案内もあり、私達の冒険は順調に進んだ。
私の職業は相変わらず勇者(仮)のままだが。
ネズミやら、スライム(アメーバ状)やら、花の化け物、馬鹿デカイ蜘蛛。
段々とキモくなる魔物達だが、私達は問題なく対処できている。


「ふぅ、中々順調なペースよ。
1週間で30階目前なんて、かなりのハイペース。
私達の連携も中々の物ってことかしらねぇ」

杖を華麗に一回転させて、エーデルが語りかけてくる。
後方には使役する死体が、のそのそと歩いてきている。

「……連携というか、各自適当に戦っているのが上手くいってるだけじゃないの。
この馬鹿は暴れまわるだけだし、アンタは死体を使って気侭に暴れてるし」

私は引き摺っているマタリの頭を、軽く小突く。
『痛いっ!』という可愛い悲鳴が聞こえるが、聞こえないフリをした。

「んー、それをアレルちゃんが上手く補っているって感じねぇ。
とても慣れた動きよ。流石は『勇者』なだけあるわ」

「あっそ」

おどけた言葉で褒めて来るエーデル。
勇者(仮)だったと判明した時、こいつは腹を抱えて爆笑していた。
よって今更褒めても許さない。折を見て、顔に落書きしてやるつもりである。

ようやく己を取り戻したマタリが立ち上がる。
キョロキョロと辺りを見回すと、頭を掻いている。

「あ、あのう。ま、またやっちゃいましたか?」

「そうよ。まぁ、それがアンタの特徴でもあるんだから仕方ないけど」

「ううっ。どうしてこんな事に。あ、あの罠に引っかかってからですよ。
急に意識がなくなったかと思うと、いつの間にか大暴れしてるんです。
何ででしょうか……」

あの罠とは、マタリが串刺しにされて死んだアレのことだろう。
その後、私のザオラルにより蘇生したのだ。
一度死を味わったことにより、何かが覚醒したのかもしれない。
良く分からないけれど。

「まぁまあ。私達もフォローするから、細かい事は気にしない方が良いわよぉ。
使いこなせれば、貴方の強力な『特性』になるわ。
見る限り、素早さ、腕力、体力、攻撃性。全てが上昇しているもの」

確かに、能力は大幅に上昇している。
狂化中は人の話を全く聞かないが、元々聞いてなかったし。
あまり問題はない。


「は、はい。そうですよね。頑張ります!」

「肩に力が入りすぎてるわよ。もっと気楽にいきなさい。
焦っても碌な事がないからね」

私が忠告すると、更に身体をガチガチにする。
……言わなければ良かったか。

「こ、こうでしょうか」

「……もういいわ。アンタの好きに生きなさい」

「は、はい!」

再び私達は先へと進む。
パチンと指を鳴らすと、エーデルが死体の大ネズミを先導役として進ませる。
頭部には松明がくくり付けられており、明かりのついた『トーチラット』となっている。
警戒兼、照明担当のネズミ。素体は迷宮至るところで入手可能。
敵が現れた場合、すかさずネズミを相手にけしかけて、その身体ごと自爆させる。
エーデルの高等死霊術『コープス・フレイム』だ。
威力を上げるために、身体には『火薬』が装着されており、その破壊力は絶大だ。
先程も2体現れた大蜘蛛のうち、1体は自爆により跡形もなく吹き飛ばされている。
相手からしたら理不尽この上ない魔法だなぁ、と私はしみじみ思った。
爆弾岩が自分から突撃してくるようなものである。
いきなりメガンテを使われたら、さすがの私も腰が引けてしまうだろう。

隊列は、先頭が照明兼自爆用ネズミ、次にマタリと私。
エーデルが後に続いて、最後尾に荷物持ち兼肉壁の死体である。
大鼠(死体)、勇者、狂戦士、死霊術師、死体。
魔王もビックリするに違いないパーティである。




「ん? どうやら到着したみたいよ。
ほら、下への階段があるわ」

地下へと続く階段。上層部はこれで終わりだ。
次からは迷宮中層部。31階から70階までがそれに該当する。
ここからは亜人種が出没するという話だ。

「おめでとう。これで貴方達も、駆け出しを卒業ねぇ。
記念として壁に名前を彫りましょう」

エーデルが、迷宮の壁に石で名前を彫り始める。
ゴリゴリと強引に削り取っている。

『勇者(仮)アレル参上』

「……ちょっと。恥ずかしいからやめなさい。
というかやめろ、この年増女!」

「いやよぉ。まだマタリちゃんと私の名前を書いてないもの」

『狂戦士マタリ、麗しの魔術師エーデル』

何が麗しだ。死霊術師にして外道の年増女の間違いだ。
手にした石を放り投げると、エーデルが満足気味に頷く。

「……あ、あのう。『狂』はいらないんですけど」

「ちょっとしたサービスよ。喜んで良いわよぉ。
さっ、これで完璧ね」

ご丁寧に『保存』の魔法を落書きに掛けると、エーデルは荷物持ちを呼び寄せる。
袋から星石と『小さな袋』を取り出すと、全員にほいほいと手渡していく。

「……さ。いつもの通り、粉を満遍なく振りかけて頂戴。
ちゃんと星石に記憶させなきゃ駄目よ。
忘れたら、まーた27階からやり直しだもの」

これは先日手に入れた『星石』に、現在の地点を記憶させる儀式である。
この粉が何なのかは知らないが、何でも魔力の篭っている由緒ある物だそうだ。
再び挑戦するときは、迷宮入り口で『星石』を使うことにより、
この粉を振りかけた場所まで一瞬でワープできるのだ。
迷宮から脱出するときは、普通に使えば良い。
何とも凄いことだ。ルーラとリレミトをあわせた様な感じである。
まぁ、一つしか記憶させることが出来ないのはアレだけど。

「はいはい。それにしても便利ねぇ。
まぁ、毎度毎度1階からやり直しなんて馬鹿馬鹿しいしね」

「誰がこの技法を作り出したのかは分かってないのよ。
でも、この儀式によって格段に効率が良くなったのは間違いないわね。
今では誰もが使っているから」

ちなみにこの粉は迷宮入り口の門番から購入する。
お布施はとられなくなったが、今度は粉袋を買わされるとは。
1袋銀貨1枚。5回程度でなくなってしまう。
本当に上手い商売である。だがなくては探索が捗らない。
門番はニヤニヤと汚い笑顔を浮かべていた。
僧兵よりも、商人に転職すべきである。

「えーと。今日はここまでですか?」

マタリが誰ともなく尋ねる。
少し足を伸ばしても良いが、私はお腹が減っている。
よってさっさと帰りたいのが本音である。

「ここから先が、迷宮本番よ。
今までと違って、人型の魔物が出現するからね。
しっかり準備と心構えをしてから挑みましょう。
舐めていると、頭をかち割られちゃうわよぉ」

エーデルが杖で地面を軽く叩く。

「そいつらは強いの?」

「中層部だから、手に負えない程じゃないわ。
現に私も一人で突破はしたしね。勿論頭と死体を使いこなしてだけど。
……ただ」

「た、ただ?」

意味ありげなエーデルに、マタリが聞き返す。

「集団で襲い掛かってこられると、かなり危険よ。
亜人種は知能があるからね。
万が一、指揮官がいたりしたら直ぐに撤収するべき」

「指揮官? 軍隊でもいるわけ?」

「31階からはオークの縄張りに突入するわ。
基本的には10階層ごとに、出没する亜人が変化する。
魔物達もお互いに、縄張り争いしてるってわけ」

「オークねぇ」

豚の人型だろうか。
さぞかし、アレな種族なのだろう。
丸焼きにしても美味しくないことは間違いない。

「オークの好物は、鼠と人間。特に若い女が大好物よ。
というか、この迷宮の魔物は大抵人間が好物なんだけどね。
残忍な性格だから、捕まりでもしたら大変。
散々嬲られた挙句、食い殺されるわよぉ」

エーデルがマタリを脅かすように、低い声で喋る。

「こ、怖いです。き、気をつけましょうね、アレルさん!」

顔を青くしているマタリ。想像してしまったのだろう。
私は慣れているので、特に問題がない。

「アンタは気をつけなさい。精々迷子にならないようにね。
私は全然大丈夫だから」

「ま、迷子になんかなりません! ちゃんとアレルさんの後をついていきますから。
後ろにくっついて、絶対に離れないことにします!」

「そ、そう。良かったわね」

それもどうかと思うが、口には出さなかった。

「あいつらは脳筋だから、落ち着いて各個撃破すれば問題はないの。
ただ、指揮官が率いていると、強さが段違いになる。
統率の取れた精鋭に変化するの。だから、慎重にいくことね」

「分かったわ。色々と助言をありがとう、エーデル先生」

「分かれば良いのよ。本当出来の悪い生徒を持つと苦労するわぁ」

「はいはい」

私の軽口に軽口で返してくるピンキー。
それにしてもオークの指揮官か。
どんなヤツなんだろうか。ボストロール的なものであろうか。
だとしたら、確かに厄介だ。

「でもリスクの分だけ、見入りも大きいけどね。
あいつらは武具を装備しているから、剥ぎ取るだけでも収入になるし」

「それじゃまるで追いはぎじゃないの」

私もたまーに魔物の装備を拾ったけれど。
勇者だから問題ない。大体が使い物にならない紛い物だったけど。


「魔物から徴収するんだから問題ないわよぉ。
それに、部位の『耳』も銀貨1枚だしね。
一匹殺せば、武具代と耳2個で中々の収入よ」

「……結構美味しいわね」

「中層を稼ぎ場所にしている冒険者も多いからね。
自分に見合った場所を探すのも大事なのよぉ。
別に無理して下に行くこともないしね」

再びエーデル先生の講義が始まった。
私とマタリは大人しく聞くことにする。


「ほかに美味しい話はあるの?」

美味しい話は大好きである。
深く胸に刻み込む準備をする。

「そうねぇ。オークの住処には『オークフラワー』が咲いているの。
それは花1つで金貨1枚で取引されているわ。入手難度がとっても高いからね
『王』のいる場所には花の群生地帯があるって噂だけど」

当然住処だから、オークが群を成して襲い掛かってくるとも付け加える。

「オークフラワー……って、あれですか?」

マタリが顔を顰めて尋ねる。

「そう、魔法薬よ。オークが宴の際に興奮剤として用いる植物。
人間が使用すると、凄まじい快感と幻に包まれるというアレ。
それを使って性行為に及ぶと、極楽にイケるって話よぉ」

なぜか私の顔に視線を送ってくる変態女。
こういう話題になると、何故か私を標的にしてくるのだ。
子供だと思って馬鹿にしているに違いない。

「……あっそ」

「あらあら、顔が赤いわよアレルちゃん。
お子様にはまだ早かったかしらねぇ」

「…………」

そっぽを向いて反応しない。反応すれば喜ばせるだけだから。
酔っ払いセクハラ親父は、無視が一番なのだ。

「手に入れるのも大変だし、数も出回らないから。
オークフラワーの相場はどんどん上昇しているわよ。
各国の馬鹿貴族がこぞって依頼してくるからね。
どんだけお盛んなのかしら」

「こ、子供が欲しいのではないのでしょうか。た、多分」

顔を赤くしたマタリが自分を納得させるように呟く。

「そうかしらねぇ。ただ猿みたいに腰振ってるだけじゃないのかしら。
一度その快楽を味わうと、病み付きになるらしいの。
貴方も気をつけなさいよ、マタリちゃん。
悪い男に騙されて、変な薬使われたりしないようにね」

「……なんでマタリだけ注意するのよ」

「……色々な趣味の人もいるから、『一応』アレルちゃんも気をつけてねぇ。
多分というか、絶対大丈夫だと思うけれど」

ついでといった感じで、私にも注意してきた。
その際、私の身体を上から眺め、胸の辺りで視線が止まったのを私は見逃さない。
溜息を吐いて、同情の視線を送ってきたことも忘れない。

このようなギルドを通さない依頼は、ルイーダの酒場に集まってくる。
行方不明となった人物の捜索、鉱物や植物の採取、魔物のサンプルを取ってきて欲しいなどなど。

ちなみに、私はまだこの世界のルイーダとは面識がない。
マスターとは顔馴染みになったのだが。
何となく会うのに抵抗があるというのも本当のところだ。
もし、もし、アリアハンのルイーダ当人が出てきたら。
どういう反応を取れば良いのか分からない。


「さて、そろそろ戻るわよ。セクハラ女にこれ以上付き合ってられないわ」

「興味があるなら、あとで内緒で色々と教えてあげるわよぉ。
あ、私はそっちの趣味はないからね。悪いけど。
あくまで一般常識を教えるだけよぉ。
薬が欲しいなら、自分で手に入れて頂戴ね」

慌てて手を振るピンキー。
私だってそっちの趣味はない。
というか、恋愛などといったものにまるで興味がない。
幸せな家庭をつくるなど想像することも出来ない。
誰かと結ばれるといったことも、この先訪れることはないだろう。
私だけの領域に踏み込む事は、誰であろうと許さない。

「誰がいるか! 余計なお世話よ、この馬鹿ピンキー!!」

「落ち着いてください、アレルさん。さぁ、深呼吸して」

「それじゃあ盛り上がったところで帰りましょう。
お先に失礼するわねぇ」

パチンと指を鳴らすと、死体と鼠を送還する。
そして星石を掲げ、数秒後に光に包まれると姿を掻き消すエーデル。

「言いたいことだけ言って、とっとと帰りやがったわよあの年増。
今度二人で徹底的にとっちめるわよ!」

私も星石を取り出して、迷宮を後にする準備をする。

「あ、ま、待ってください! まだ準備が」

石を取り出すが、落っことしてしまうマタリ。
慌てて拾い上げると、高く掲げた。






――同時刻。
この先の階層でとある集団が、圧倒的多数のオークと報われぬ死闘を繰り広げていたのだが、
今のアレルたちには知る余地もない。
先程エーデルが話していた、オークの指揮官『オークキャプテン』に率いられた軍勢である。
ちなみに、とある集団とは『オークフラワー』の採取を目的とした冒険者徒党で、
その数は100名程の大所帯である。様々な職業の者達が欲望の花の為だけに掻き集められたのだ。
一攫千金を目指し、依頼を受けた勇敢かつ無謀な冒険者達。
『ツキ』は彼らにはなかった。

数ヶ月に一度開かれるオークの宴。それは決められた満月の日に開催される。
オークの祖霊を迎え盛大に称える為の、彼らにとって欠かすことが出来ぬ重要な儀式である。
1週間前からは、オーク達は食欲と性欲を禁忌とし、己の信仰を祖霊へと一心に捧げる。
摂取するのは水分と、オークフラワーの根のみが許される。
破った者は、種族の面汚しとしての悲惨な末路が待っている。
宴は満月の度に必ず行われる訳ではなく、オークの王がその吉凶を占い、実施するかを判断する。
毎月連続で行う時もあれば、半年間行われない時もあるのだ。

彼らは迷宮深部にいて、どのように月が満ちるのを知ることが出来るのか。
オークたちは月から放たれる魔力を、身体で感じることが出来るのだ。
最大まで満ちたときに発せられる膨大な魔力を、オークは本能的に分かっている。
故に彼らが月の満ち欠けを誤ることはない。

冒険者達にとって不運だったのは、今が宴開催の前日であったことだ。
宴の前の一週間程は、禁欲生活からオークの凶暴性が高まり、攻撃性が格段に上昇する。
それが前日ともなれば、ピークとも言える最も危険な時期である。
更に、宴の為の『食料』を掻き集めるために、オークが徒党で迷宮を行動するようになる。
普段は本拠地を防衛している、最精鋭のオークキャプテン達が、
徒党を組み、それぞれが指揮を執って『人間狩り』を始めるのだ。
統率の取れたオーク達は、熟練の冒険者でも苦戦する兵となる。
それが、人間を狩る事を目的に闊歩するのだから、危険極まりない。
よって、宴の開催前は決してオークの縄張りに侵入しないことが不文律となっている。
この情報はギルドからメンバーへと最優先で伝達されている。

その危険性は冒険者達も分かってはいたが、自分達は大丈夫だろうという根拠のない自信と、
目が飛び出るような高収入に釣られてしまったのだ。
熟練の冒険者が100人、連携し固まって行動する。凶暴化したオークとはいえ恐れることはない筈だった。

相場では1個あたり金貨1枚のオークフラワー。それがこの依頼では、一つにつき金貨3枚支払われるからだ。量によっては特別手当も支払われる。
金貨1枚とは、アレルのいた世界の1万Gに該当する。
それを袋一杯に持ち帰りでもすれば、普段の冒険の数年分に匹敵する収入となる。
普段の冒険でもリスクがあるのだから、今回に賭けようと思ったのも無理はない話ではある。
いつまでも続けていられるほど、冒険者というものは甘くはないのだから。


『人間狩り』で生け捕りにされた人間達は、普段とは違い暫くはオークの住処で生かされている。
宴の日まで檻に閉じ込められた後、ご馳走としてオーク達に振舞う為だ。
大好物である人間達が、無防備な状態で目の前に晒され続ける。
オークたちは必死に湧き出る食欲と戦い続ける。その禁欲こそがオーク達の信仰心の表れなのだ。

宴の日。欲望を解放される事を許されたオーク達は、その本能を爆発させる。
男は生きたまま食い殺され、女は散々慰み者とされた後、やはり食い殺される。



不運な冒険者約100名が、完全に壊滅し生け捕りにされたのは、その数十分後の事であった。
100人の大行進ともなれば、当然発見されるのも早くなる。
斥候のオークスカウトによりすかさず捕捉され、オーク達が駆けつけてくる。
住処に突入するどころか、波状攻撃を仕掛けて来るオークの兵団の前になすすべもなかった。
四方を重囲され、絶対に避けるべき消耗戦に嵌ってしまったのだった。
仲間を見捨て逃走することを決断し、星石を掲げようとした者もいたが、
集中力が上昇しているオークアーチャーにより、その腕を射抜かれる。
オークメイジの幻術により惑わされ、盾を構えたソルジャーが徐々に距離を詰めてくる。
その後方には続々と応援が駆けつけ、最早手の施しようがなかった。
それでも最後まで全員が戦い続けたが、体力と精神力には限界がある。
好機と見たオークキャプテンが『全員突撃』の号令を掛けると、戦線は完全に崩壊する。
連携を絶たれた冒険者達は、各個に撃破されていったのだ。

生け捕りにされた冒険者の中には、アートの街の孤児院出身の若者達がいた。
先日人形遣いから助け出された、戦士ギルドのエクセル達の姿もある。
失態の汚名を返上するべく、難度の高い依頼に挑戦してしまったのだ。

全員が散々に痛めつけられ、最早戦意の欠片すらも見えない。
目には絶望の暗い光だけが浮かんでいる。
男女問わず、逃げることが出来ないよう足をへし折られている。
武装は回収され丸裸にされた後、紐で完全に括られ引き摺られて行く。

孤児院出身の冒険者達は、孤児院の運営資金を集めるために、危険を省みず依頼を受けてしまったのだ。
孤児院を運営するシスターは、当然止めたが彼らの決意を翻すことは出来なかった。
彼らの冒険で稼いだお金は、冒険資金と施設の借金返済だけで精一杯だったのだ。
食べるものにすら困窮する状態で、最早猶予がなかったのも事実。
だが自分達の実力に、自信があったのも一つの要因である。
彼らはそれぞれのギルドでは、若手の有望株と可愛がられていたからだ。
着実に職業認定を受け、中層を突破し徐々に名を売るようになってきていた。
自分達ならば、オーク如き軽く蹴散らすことが出来ると慢心していたのだ。
現にオークなどは、苦労することもなく何十体と撃破してきているのだから。


彼らがその無謀の報いを受けるまで、後一日足らず。
冒険者達に待ち受けるのは、確実な死のみである。
人間としての尊厳を砕かれ、その肉を綺麗に食い尽くされた後、
見せしめの為に縄張り内部に骸を晒されるのだ。






・オークフラワー

オーク達が栽培している赤い花。白い斑模様が混じっている。
その栽培技術はオークの秘伝とされており、人間達が成功した例はない。
開花した花を食べると、オーク達に興奮作用をもたらす。
根は集中力と凶暴性を高める効果があり、禁欲中はオークたちが常に貪っている。
宴の前はオーク達の為に大量に用意される為、危険を冒して突入する冒険者も少なくない。
その殆どがオークの食料になるのは言うまでもない。
レンジャー特技『ハイド』で忍び込む方法は、オークスカウトにより見破られる為通用しない。

人間社会では、快楽を与える効果がある魔法薬として流通し、
主に貴族達が己の欲望の為に購入している。
花自体に常習性はないが、これを用いて性行為を行うと、
脳が焼かれるような快感をもたらす。
多量に摂取すると強すぎる快楽により、廃人化する可能性もある為、服用時は注意が必要。

『オークフラワー? アレは凄いぜ。誰でも一発で昇天できる。
ただ、普通じゃ満足できなくなるのが最大の欠点だな』



・貨幣価値一覧表
アート印貨 100000G (普段は使われない)
金貨1枚  10000G
銀貨1枚  1000G
銅貨1枚  1G
大長編 アレルもん。
『勇者とオーク兵団』はじまります。


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