第2話 夢は屯(たむろ)する (その859)
「そ、それって・・・、どういう風に解釈すれば良いんです?」
源次郎は、美由紀とサキの顔を交互に見ながら言う。
いや、そうとしか言いようがなかった。
褒められているのか、貶されているのか、いずれにしても、一般人ではないと言われたと思った。
「自分の胸に手を当てて考えてみてよ。」
即座に美由紀が切り返してくる。
「そ、そんなに、僕って変です?」
源次郎は問い質す。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
美由紀は微笑み、そしてサキは首を横に小さく振った。
つまりは、美由紀は源次郎の言葉を肯定し、一方のサキはそれを否定した。
そうされたことで、ますます分からなくる源次郎だった。
「でもさ、そうした人にマネージメントを任せようって言うんだから、きっと、私もサキさんも源ちゃん以上に変人かもしれないわね。」
美由紀は、そう言ってサキの顔を見た。
「そ、そうですねぇ・・・。」
サキも、これにはそう応じる。そして、嬉しそうに笑った。
「そ、そんなぁ・・・。」
源次郎は、そう呟くしかなかった。
その時だった。
車内アナウンスが流れた。
「間もなく、終点札幌駅に到着いたします」と言ってくる。
内心、源次郎は「助かった」と思った。
「さあ、着いたわね。」
美由紀が気合を入れるように言ってくる。
それこそ、その顔はまさに佐崎美由紀になっていた。
ほどなくして札幌駅のホームに列車が滑り込む。
「さ、降りよう。」
そう言って真っ先に立ち上がったのはやはり美由紀だった。
源次郎は、美由紀が何か特定の目的があって札幌にやって来たのだと確信する。
単純に、大学病院での看護の状態を見るとか、そうしたことだけではないだろうと思う。
切符を纏めて持っていた源次郎を先頭にして、3人揃って改札口を出た。
そして、タクシー乗り場に向かう。
源次郎は、「タクシーで行きましょうか」とは確認しなかった。
当然そうすべきだろうと思ってのことだった。
(つづく)
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