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第2話 夢は屯(たむろ)する (その519)
「あははは・・・・・・。」
源次郎は、噴出してしまった。笑いが止まらなかった。


「私・・・・、何か、変なことを言いました?」
サキが心配そうに訊いて来る。

「いえ、・・・そういうことではなくて・・・・ですねぇ、・・・。」
源次郎の笑いは、まだ収まらない。


「相手がプロレスラーの卵だったと言ったからですか?」
サキは、源次郎の笑いが自分の言い方が原因なのだと思ったようだった。

「いえいえ、・・・そうではなくて、普通の人があの富さんに投げ飛ばされたんだと思ったものですからね、こりゃあ、相当な怪我を負わせたんじゃないのかと。
だとしたら、最悪は、刑事事件、つまりは傷害罪にでもなるんじゃないかと心配をしたんです。
それが・・・・、相手は無傷だったと聞いたものですから・・・。うふふ・・・・。」
源次郎は、また、笑いがこみ上げてくる。


「ああ・・・、そういう意味ですか。
これは、後で聞いた話なのですけれど、その先頭で待っていた人が普通の人だったら、うちの人が睨んだだけで譲ってくれた筈だと言ってました。
それが、やはり、自分の体力に自信がある人だったから、それを無視したんだろうと。
その点が、うちの人の逆鱗に触れたようです。
舐めやがって・・・、と思ったそうです。
それで、実力行使に出たんだと。
あれが、普通の人だったら、仮に無視されても、あそこまではやってない、って言ってました。
本当かどうかは分りませんけれど。」
そう言って、今度は、サキが懐かしそうに笑って見せた。


「だとすると、富さんに再会されたのは随分と後ですか?」
源次郎は、気にしている最初の出会いはこれではないと思うのだった。

「そうですね、1ヶ月ぐらい後だったと思います。」

「サキさんから探しに行かれたんですか?」
「いいえ、そうではなくて、うちの人から出向いてきてくれたんです。」

「ヘェ〜、富さんから訪ねてこられたんですか?」
「はい、健太の病院まで・・・・。」

「えっ!・・・・病院へ・・・ですか?」
源次郎は、何故病院なのかが分らなかった。



(つづく)




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