超能力者といえども鼻水が止まらないお( ^ω^)
森永ピクニック(ヨーグルト味)を買えないまま、ボクは教室へ帰ってきた。
そもそも9000円なんて大金を持っていなかったのだ。
「……ええと。売り切れだったよ、森永ピクニック」
とりあえず、嘘をつくことにした。
9000円に値上げされていたなんて言っても、どうせ信じてもらえない。
「ん? 9000円って何のこと?」
山川可南子は、金属バットで素振りをしていた。
ひと振りするたびに、死を予感させる風切り音が、周りに響きわたる。
「えっ!?」
ボクは驚きのあまり鼻水を吹き出す
「いま心の中で言ってたでしょ――9000円に値上げがどうのこうのって?」
「い、言ってないよ。なんにも言ってないよ!」
「ウソついても無駄よ。わたし、テレパスなんだから」
そう言い終えると、山川可南子は金属バットをボクの机やイスに向かって振り降ろした。
けたたましい音をたててイスは壊れ、机の天板に亀裂がはしる。もう意味がわからない。
「え? テレパスって、あのう…筋肉痛の時とかに貼るアレのこと?」
「――それをいうならサロンパスだろ。テレパスというのは、要するに、人の心を読みとれる特殊能力のことだ。ちなみ、もう休み時間は終わっている」
とつぜん聞こえてきた声のほうに振り返ると、大きな事務用封筒を抱えた男の先生が立っていた。
そうだった忘れていた。
いまは休み時間で、これから歴史のテストが行われるのだ。
そして、ボクは心の準備すらできずに、テストを受けるハメに陥った。
「味噌汁で足を洗ってヘソで茶を沸かしながら、おととい来やがれ!」
わけのわからない捨てゼリフを残して、山川可南子は自分の席に戻っていく。
というか、ボクの机には亀裂が入っていて、イスに至っては破壊されていた。
これではテストを受けられない。
「あの、先生……イスと机を替えて欲しいんですけど」
「ダメだ。めんどくさい」
「えっ!?」
またもや、鼻水が吹き出る。
「っていうか、オマエはどうせ赤点なんだから、テスト受けなくていいよ」
「そ、そんな勝手に決めつけないでくださいよ! きのう徹夜してDSのソフトで勉強を――」
「――だまれ。オレがあとで適当な解答を記入しておいてやるから、床に正座して50分間おとなしく待ってろ…では、はじめ!」
こうして、ボクの意見は却下されまくり、歴史のテストが始まった。
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