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見上げた先
作:雨音未波


ただ側に…ずっと側に居られたらいいのにな。



この想いが伝わればいいのに…。






止まる事を知らないから…求めるの。



愛しいの。抱き締めたいの。









ねえ……君は…幸せだった?



私は幸せだったよ。








だから…もう一度私の前に現れてください。








笑顔を……見せてください。









「あぁー!!颯太の馬鹿!!あたしの卵焼き取らないでよーっ!!」



「へへっ貰い!!」



「馬鹿ぁ!!どっか行っちゃえ!!」





颯太は卵焼きをくわえたまま、あたしの前から去って行った。



背中を見るだけで、胸が苦しい。



あなたはこんなあたしの想いに、一生気づかないでしょう。



だってあなたには…大切な人が居るから。





「毎日毎日、良く飽きないよねー、愛」



「好きでケンカしてる訳じゃないもんっ!」



あたしは自分の席へと腰かけた。



「またまたぁ、嬉しい癖に!」


「うるさい!!」





…そう。あたしは颯太とケンカしてる時が一番楽しい。


一緒に居れるから。





好きだから―――…。






でもね…あなたは絶対にあたしと一緒になれないの。



颯太には付き合ってる彼女が居る。



だから想うだけ…。



苦しいけど…辛いけど…あたしは笑えてる。



颯太も笑ってる。





それで良いって思ったんだ。






想いは届かなくても、二人笑い合って居られれば。





それだけで幸せ。





幸せすぎるから……。






ほら…今日も空は青いよ。



嬉しいね。






―――…あなたは、この青い空に似ています。



いつもあたしを励ましてくれる。



時折優しい風が吹く。





柔らかい笑顔で包んでくれる。






出逢えて良かった。


あなたに恋をして良かった。









好きです―――






伝わらないまま終わるかもしれない。



それでもいいの。



出逢えただけで…幸せだから。








だから……叶わない想いを持たせてください。









―――『好きです』……。











一つの想いは、今もそこに…。



変わらず側に居る。



優しいまま…ずっと…。



輝いたまま…終わる事のない……恋―――。









進んで行く……あたしの想い―――…。











また…一つの恋が始まりを告げる――――…。














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