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トーテス防衛戦 直前
十年後、当時レッドラート紛争にウォッチ・レッドラートと共に戦った兵士はトーテスの戦いを新聞記者に語った。

何も出来なかった。守ることも攻めることも…。
まるで赤子が大人に立ち向かうかのように弄ばれた。
相手には神がいた。いや、違う。神をも越えた悪魔がいた。
遊ばれたのだ。我ら北方騎士団は今までの血の滲む努力を、大人相手に赤子の大群が立ち向かうが如く、嘲笑いながら遊んでいたのだ、あの悪魔は!

それでも、ウォッチ・レッドラート北方騎士団長はその悪魔にすら勝ったんだ!あの神を超越した悪魔、ライシス・ネイストに!

俺はこの記事を読んで考えた。
どうやら、俺と同姓同名の人があの時トーテスに居たらしい。
いやぁ~、そんな怖そうな人に会わなくて良かった。




俺は嘘は嫌いだ。だから、正直に言おう。少しは緊張している。

だが、これはカイナで言うムシャブルイだ。

「無理はするな、ネイスト。お前の仕事は終わった。無理に矢面に立つ必要は無い」

ビックリだ、ユキちゃんが優しい!
でもね、俺も男としてのチッポケなプライドはあるのです。ユキやニーセさんを矢面に立たせて自分だけ安全地帯に隠れるなんて、ユキちゃんが許しても俺のプライドが許さない訳でして。
だから、これはムシャブルイなんですよ。

「ライ君も男の子ってことだねぇ~」

今回だけは俺の心の中の弱い所をピンポイントにグッサリと当てる、その言葉に感謝しますよ、ニーセ様。

「貴方は十分頑張ってくれた。貴方の役割は私がやっても良いですよ」

バースさん、有難いがそれは無いですよ。全て俺の責任ですから。こうなったら背負ってやりますよ。トーテスの命運を…


「貴公のような若人に頼らざるを得ないとは、無駄に歳を取ってきた己が情けない」

マードン老、何を仰る!あんたが歳を得て、得てきた経験による意見が無ければ俺は無能だぜ。

「ご免なさい!」

あれ?何で謝るかなぁ、エルちゃん。

「私、何にも出来ません。本当に…」

やめてぇ~!治療魔法も使えない俺が惨めになるから。

「馬鹿を言うな。エルが居れば、多少の怪我を気にせず戦える。俺はお前の治療魔法に期待してるぞ」

ナイスだ、ジン!さすがは部下思いな隊長!

「俺は俺の仕事をする。頼るぞ、ライ」

重いッス!その信頼は重いですよ、ジン。

「僕は貴方を侮っていました。でも、貴方は僕が侮れる人ではありませんでした。僕の遥か高みにいる人です。貴方に頼ります、貴方の命令を聞きます、ライシスさん!」

よし、まずアレンに近寄ることを止めようか、カー君。


アレ?一人足りない?
アレンが黙って俯いている。

俺の視線を察知したのか、アレンが顔を上げる。

「ライ兄、頑張ろうね!」


ありがとうォ~~、アレン!お陰でムシャブルイが止まったぜ!

「それじゃあ、皆で円陣でも組む?」

俺のガキみたいな提案に、一番乗ってこないと思っていたまさかのユキちゃんすら乗って来てくれた。

エッ、トーテス騎士団長が掛け声じゃないの?俺、ですか?

「ヨッシャ~!皆ぁ~、テキトォ~に行くぞォ~!」

「「「オ~!」」」

「ハァ~、適当とはな…」

ユキちゃん、そういう雰囲気を壊すこと言わないの!

よし、気合い入ったことで行きますか。

此方、有志も合わせて600人、相手はナルースエンドに兵を置いてきただろうが、なお5000人がトーテスの街門前方に陣を置いている。

俺のムシャブルイは再動し出す。

拡声魔法。俺ではなく、隣に居るトーテス騎士団員にかけてもらう。
身体がビビろうが構わない。だが、声だけはビビるなよ、俺。


「ウォッチ・レッドラート居るか?アンタらはここで終わりだ。素直に投降しろ」

本当に投降してください。そんな俺の切なる願いは、ウォッチ・レッドラートが拡声魔法を使うまでの間しか祈れなかった。

そして、トーテスの戦いは始まる。

本当に神を超越する悪魔ライシス・ネイストがいれば良かった。
そうすれば、その神を超越した悪魔ライシス・ネイストは、その悪魔を越えた英雄ウォッチ・レッドラートと戦うことをしなかっただろう。
うん、この時間(18:30)から、ちょっと酔いすぎました。

一応、確認しているつもりですが、誤字脱字が多いと思います。

訂正があったら、是非よろしくお願いします。

本当に読者様には迷惑を御掛けします。
すいません!


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