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なんか、ベットシーン多目です。別にぬるいですが。
エスコバル公爵をめぐる女性二人の名前、確定しました。
キタイの王都の名前、変更しました。
第十九章   超人の悩み
エスコバル公爵は一人、アルビを離れ、キタイの王都・ブルサへ向かった。
「一度戻って色々片付けてくる。来月また来るからね」と言い置いて・・・
色々の中には、対決色を強めつつある帝国との外交関係や、帝国近海を外した航路を開拓する件も含まれていたし、キタイ王の後継者問題もあった。
キタイ王ファジルにはイゼル王女以外の実子は無い。イゼルは同じ年の貴族の男を夫としたが、つい最近寡婦となった。イゼルに子は無い。イゼルの亡き夫は凡庸な資質の小奇麗な男だったが、夫婦仲は悪くなかった。父のファジル王はイゼルとマルクに結婚して欲しいと願ったが、「超人」とただの人間の自分では釣り合いが悪いと言うイゼルの言い分も解かるので、あきらめたと言う事情がある。

5歳年上の美しい従姉姫とは互いを「マルク」「イゼル」と呼び合って身近に感じながら育った仲だ。
エスコバル公爵は今も昔も変わらずイゼルを大切に思っている。だが、イゼルはどうだろうか?
「何をしてもマルクはすぐに私を追い抜いてしまう。酷いわ!」と泣きべそをかかれてしまったのは、いつのことであったか・・・。イゼルは元来リュートの演奏が好きであったが、ある日習い始めて間もない幼いマルクが教師が驚嘆するほど弾きこなすのを耳にして以来、弾くのをやめてしまった。
以来、イゼルはマルクを避けるようになり、マルクもイゼルを不用意に傷つけるのを恐れるようになった。
互いの思いは通じぬままイゼルは別の男を婿に迎えた。もう互いに二人きりで話すことも無いだろうと思っていたのだが、ふとしたことから、二人の距離が縮まった。
たった一度だけ、肉体関係を持ったのだ。

もう古い話だ。イゼルが結婚して、まだ半年ぐらいの頃だったろうか・・・
「私って、つまらない女なのね・・・」などと、高飛車な物言いが多いイゼルにしては珍しく庭園の隅で独り言を呟いているのに遭遇したのだ。新婚の妻らしからぬ塞ぎ込み様だった。
王女は婿殿と、ファジル王の意向もあって結婚後も宮殿の一角に住み続けていた。婿殿はどうやら尻の軽い幾人かの女官たちと関係が有るようだった。それは公爵も同様では有ったが、婿殿の相手は思慮に欠けた者が多いのに対して、公爵の相手は秘密保持能力が高く、政治的な判断も出来る者ばかりだと言う違いが有った。

「イゼル、新妻の愁い顔と言うのは確かにそそられますが、王は心配なさるでしょう。どうしました?」
「!まあ、マルク、いやだわ・・・みっともない所を見せてしまって」
「あの婿殿が貴女を泣かせたのですね?」
「いいえ、きっと私が色々至らないの。女としての魅力が無さ過ぎるのよ」
「馬鹿な!近頃のあなたは以前にもまして魅力的ですよ。並みの男では貴女の御身分をはばかって口説きに掛からないだけです。相変わらず年下の男はお嫌いなのではないかとご遠慮申し上げている内に、貴女はあんな頭が空っぽの見てくれだけが小奇麗な男を夫に選んでしまわれて・・・」
ひとしきり、そのような会話の後、「女として魅力的なら一度で良いから抱いてみて」とか何とか言いながら、イゼルが体ごとぶつかって来たので勢いで止むを得ず「互いの良い思い出になるように」「十分なほどイゼルは魅力的なのだと自覚できるように」抱いたのだった。場所はイゼルの独身時代の寝室だった。
「子供のころから5歳年下の貴方に何をしても適わなくて、悔しかったけれど、今日が一番悔しいかも」
「悔しいのですか?」
「感じすぎて、怖いほどだった。貴方の労わり方ってへそ曲がりね。でも、ありがとう」
「あんな婿殿に見切りをつけたのなら、いつでも仰って下さい」
「確かに、あんな男だけど私には分相応かも。マルクは・・・やっぱり普通の人間じゃないのね。貴方には小さなキタイなんかふさわしくない。きっと・・・そのうちオルト全体の人間の上に立つ者となる・・・父が昔から言っているようになるのだわ」
「金の龍が中にいますけれど、僕本人は至って普通の男です。大切な従姉姫が塞いだ顔をしていると僕も辛いのですよ」
「マルクは不老不死の超人なのでしょう?すぐに年をとって死んでしまう私など忘れてしまうわ」
「人の世の時の流れから切り離された寂しさをわかって欲しいとは申しませんが、貴女を忘れたりしませんよ。絶対に」
その言葉をイゼルがどう受け止めたのかは解からない。でも、イゼルは元気を取り戻し、婿殿の浮気は納まった。確かに浮気者の女官3人ほどを左遷して、婿殿と顔を合わせられないように工作はしたが・・・。
以来、10年、イゼルはそれなりに「家庭の平和」と「心の平安」を享受していたはずだ。第一位の王位継承権は相変わらずイゼルの物であり、イゼルが如何に心の平安を願おうと、寡婦を通す事は難しい。
適齢期を越えた寡婦で、子の無いただ一人の王女をどう扱うか、ファジル王は悩んでいるはずだ。

都に立ち戻って王と面会すると、開口一番その話題となった。
「マルクよ、イゼルはあのような女だが、面倒を見てくれる気は無いか?」
「僕は幼い時からあの方が好きですが、イゼルの方が僕を人外の化け物だと嫌っているのです」
「いや、嫌ってはいない。自分は龍を宿す男の妻にふさわしくないと思っているだけだろう。だが、お前は器の大きい男だ。夫に死に別れた哀れなあれにも女の幸せを与えてやる事など、造作もあるまい?お前がその気になってくれれば、イゼルでもまだ良い子を生めるだろう。考えてはみてくれんか?」
「それよりも王御自身がお子をこれから設けられたら如何ですか?」
「わしのような爺でも、まだ出来ようか?」
「まだ壮年の若々しさでいらっしゃいます。何なら新しいお妃をお迎えになりますか?」
「イゼルの母に先立たれてから、そのような事考えもしなかったが」
「お妃がご面倒なら、気の効いた女官でも、身分の軽い者の娘でも、今の後宮は空き家状態ですから、一人や二人置かれても面倒は御座いませんでしょう」
「良い妃候補でもいるのか?」
「はい。他国の姫で母君のご身分が軽いためお気の毒な立場ですが、御本人の資質は一国の王妃にふさわしいかと」
「マルクが其処まで褒める姫君も珍しい。是非話を進めてくれ」
「では、早速」
「待て、それはそれ、これはこれだ。イゼルを憎からず思ってくれているのなら、あれとの間に子を作ることも考えてくれ」
「実は、もうすぐ私に息子が授かりそうなのです」
「相手は、王族ではあるまい?」
「12才の頃から付き合いのある街の女性です」
「ならば、その息子は次代のエスコバル公爵とすればよい。イゼルの子の父はやはり、マルクが一番だ」

アルビでは、エスコバル公爵が不在の間、ロザリアとクラウスはあの腕輪を外して過ごしていた。
確かに、人の悪感情の影響を受けずにすむのはありがたいが、魔法や聖剣の鍛錬をするときは色々とスムーズに行かない部分が多くて困る。エスコバル公爵が女将のハリカと夜を過ごす時だけ、必要なのだという認識であった。
ロザリアとクラウスの間で何の隠し事があろうかと互いに信じていたのだが、予想外の事態が起きている。
「ハリカさんのお腹にマーク兄様は、絶対お子さんが出来たとおっしゃるけど、前もってわかるなんて、龍のおかげなのかしら?」
いつも通り静かに寝床の中で身を寄せ合って話をしていただけなのだが、話題に刺激されたのか、クラウスに勃然と性的な欲求が萌した。クラウス自身がその欲求を感じた事を、恥じているようなのでロザリアは自分から更に身を寄せ、そっと手をつないだ。
「ロザリア?」はっとしたようなクラウスの視線は鋭い。
まだ7歳の肉体しか持ち合わせていないのだから、クラウスの極自然な欲求でも、満たす事は到底出来ない。
でも、クラウスに自分を責めたり、恥じたりして欲しく無い。
そんな思いをこめて、ロザリアはクラウスの背に手を回した。
クラウスも近頃はロザリアの状態が手に取るようにわかるようになっていた。空腹か、喉が渇いていないか、疲れていないか、眠く無いかは言うに及ばず、排泄の欲求や、時折クラウスを見るときの潤んだ瞳が意味する所までわかってしまう。実に決まり悪い。
ロザリアが自分の性欲を不潔なもの。忌むべきものと見ていないのは有り難かったが、僅か7歳でも今のような視線を向けられると、自分自身の歯止めが吹き飛んでしまいそうで怖い。
「私はあなたが7歳である事を、時折忘れてしまう。私が不埒な事をしたら思い切り抵抗して下さい」
「クラウスには私を傷つける事なんて出来ない」
「そうでしょうか?私は其処まで賢くありません。今もあなたを組み敷いて体中にキスしたい。・・・ふっ、何を血迷っているのでしょうね」
「私もクラウスとキスしたい。大人のキスを・・・」
「いけない人だ。先が思いやられます」と言うと、クラウスは口角を深々と抉る様なキスをした。幼い子供のはずなのにクラウスが差し入れた舌の動きにロザリアの舌は確実に連動し、唾液のやり取りもためらわない。
なおも貪るような激しいキスを繰り返し、四肢を深く絡ませながらいつ果てるとも知れなかった。そしてそれぞれの下半身が反応して、分泌液を噴出してから、やっと我に返った。
「困ったな」クラウスは苦笑した。
「何だか、私も変」
「・・・さて、体をさっぱりさせたい所ですが、どうしますか」
この店の湯殿は天然の温泉を引き込んでいて、昼も夜も絶え間なく熱めのお湯を浴槽に湛えているのだが、今二人ではいると、更に妙な事になりそうだとクラウスが困惑していると、
「クラウスは、浴槽に浸かったら?私は体を拭いて、着替えて寝ます」とロザリアは提案した。
クラウスが浴槽に浸かっている間に、ロザリアは温泉とは別に引き込まれた泉の水で下着類を洗った。
浴槽からは高窓を通して円い見事な月が見える。
自分の想いは、想う相手に届いている。そう確信できる幸せをクラウスは噛み締めた。



未来の旦那様の下着を洗っちゃう7歳のロザリアは、良い子ですね。
マーク兄様の子供は今のところ3人の予定ですが、どうなるかな・・・
【恋愛遊牧民R+】



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