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第二十五話

オオオオオオオオオオオオオッ!


レイガルドの城内に鬨の声が響き渡っている

よもやの援軍
そして神意によって自分たちの正義を認められたという高揚感
篭城を続ける兵士たちにとって、これほど士気をあげさせるものもなかったであろう。

だが、そんな奇跡を演出した肝心の勇者たちは・・・・・

「「「「「疲れた〜〜〜!!!」」」」」

いい感じにふにゃけていた。



ひとまず馬を繋いで城内の貴賓室らしき部屋に通されると
「・・・・・・まったく便りのひとつもよこさずに何をしてるかと思えば・・・・・・無茶をしたな、レーヴェ。」
左右に護衛を従えて笑顔の青年が現れた。
やんちゃそうな大きめの瞳が好奇心に揺れている。
おそらく彼がワルキア公国第一公子ベルシュタインだろう。
竜殺しエルウィンが鍛えただけあって、引き締まった猫科の猛獣を思わせるしなやかな肢体をしている。
容姿も貴人らしい涼やかな顔立ちで、いささか童顔だが上等の部類に入るだろう。
「しかしおかしいな?オレが受けた報告では竜殺しの来訪ではなく、女神の巫女が参られたということだったの・・・・だ・・・が・・・・」
大きく見開かれた公子と視線が合う。
「あ、あの・・・・・私たちは・・・・」
説明しようと思ったときには
「おお!ようこそおいでくださった!」
目にも止まらぬ速さで手を握られ、腰に腕を回されていた。はやっ!!

「エルファシアから手を放しやがれ!この好色一代男!」
「エルちゃんに手をだすものは誰であろうと滅殺・・・・・・!」

「貴女のような佳人にお会いできるとは・・・・このベルシュタイン、美の女神マーヴェルの恩寵に心から感謝いたしますぞ!」


「「話を聞けよ!!」」


「・・・・・・恋人同士の語らいを邪魔するのは無粋と思わんか?友よ・・・」

「恋人じゃねえしエルファシアに手を出す奴なんか友じゃねえぇぇぇぇ!!」
「お前・・・・変わったな・・・・・・。」
確かに変わったよね。私もそう思う。
なんというか、前より・・・・・・・・・・可愛くなった?いや、それはちょっと・・・・・・///

「エルちゃん・・・・・ すっごく可愛いのに・・・・なんだかとってもむかつくわ・・・・・。」
ギクッ!!
セイリアさん、私は別にレーヴェが可愛いとか、そういう可愛いとこ見せてくれるようになったのがうれしいとか思ってないですよ?
・・・・・・・・・・・・・・ほ、本当デスヨ?

「美しいお嬢さん・・・・・・私がいうのもなんですが、レーヴェの奴は一昔前はそれは女癖が悪くてひどい扱いをしていたのですよ?」
ムカッ
「・・・・・・・・・・・・・・私には関係ないですから・・・・」
だいたい、そのころ私は男だったし・・・・・・いやいや、今は女だから許せないとかいうわけじゃなくて・・///
「だ、そうだぞ?レーヴェ。」

「ちがう・・・・ちがうんだ・・・・女じゃなくて、エルが特別なんであって、・・・くそ!だからこいつに会うのは嫌だったんだ・・・・・。」

あ、座り込んで床をつつき始めた。

「・・・・・・・なんか、レーヴェ遊ばれてない?」
「レーヴェ殿がワルキア公国騎士団に入らなかったわけがわかったような気がするでござる・・・・。」

「まあ、薄情な友をからかうのはこれくらいにしておいて・・・・・まずはみなさんにワルキア公国を代表して御礼を申し上げる。」
ベルシュタインの童顔な顔が、表情の読みずらい貴人の顔になった。
「この重囲の中をたった十人で突破した壮挙は長くこのワルキアに語り継がれることでしょう。我が将兵のすべてのものが貴方方に対して
賛辞と祝福を惜しまぬに違いありませぬ。」
だが、と言って公子は私の手を取るとそっと唇を寄せた。

「なななななななな・・・・・・・・・///!!」

「実に可愛らしい女性ですな。・・・・・そう、私にはどうしても気にかかることがあるのですよ。なぜフリギュアがこうもなりふり構わずワルキアに
攻めてくるのか。・・・・・・・・・その答えを期待しても良いのでしょうか?レディ・エルファシア。」


「「どうでもいいからその手を放せ!!」」


「本当に美しい手だ。マイスの磁器でもかほどに白く肌理も細やかな細工はできないでしょう・・・・・。」

「「だから話を聞けよ!!」」

流石に一国の指導者だけにレーヴェもセイリアもギリギリのところで自制してくれている。
でも、明らかにベルシュタインはそれを承知でからかっていた。
・・・・・・思ったよりこの公子、油断ならないかも・・・・いろんな意味で・・・///
高見梁川の心象世界


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